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意匠(デザイン)

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意匠(いしょう/デザイン)とは(読み方・由来)

定義: 左官の意匠とは、下地設計→配合→塗り付け→水引管理→押さえ/磨きまでを通じて、面の陰影・鏝跡・骨材感をコントロールし、空間の印象を設計すること。
背景: 日本の左官は、土・漆喰・石灰モルタル等の素材の素地感職人の手さばき(鏝運び)が仕上がりに直結します。同じ材料でも配合・骨材粒度・含水率・押さえ回数で、質感(マット〜半艶〜鏡面)と色の深みが大きく変化します。

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意匠名 イメージ画像 同義語、類義語、言い換え 凹凸 模様 規則性 つや(磨き) 補足コメント 商品、材料
コンク
リート系
アート系、イタリア磨き なし なし あり/なし インテリア好き、感性、ナチュラルな濃淡 モールテックスセニデコ
オレンジ
ピール系
ゆず肌、梨肌、漆喰調、吹き付け あり なし なし 落ち着いた、オーソドックス、万能タイプ リシンジョリパット
横レイン系 校倉(あぜくら)系、横筋柄、ボーダー柄 あり あり あり あり/なし 和風も洋風もカッコイイ、光で表情が変化 ジョリパット、 レーヴLM
フラット系 コテ押さえ、伝統的 なし なし なし オーソドックス、漆喰に最適 白い壁 、セニデコ、ジョリパット、 SSコート
スタッコ 吹き付け、砂粒、小粒、中粒、大粒 あり なし あり/なし 混ぜる粒(骨材)で表情が変わる ジョリパット
ウェーブ系 コテむら系(規則性) あり あり あり あり/なし 上品で落ち着いた仕上がり ジョリパット、 セニカベ 、 デコプロヴァンス
ストーム系 コテむら系(ランダム) あり あり なし あり/なし 不規則の趣、不規則の楽しみ ジョリパット、セニカベ、デコプロヴァンス
マーブル系 濃淡、大理石 なし あり なし あり 原色と白の濃淡、高級感 ジョリパット、セニデコ
シンフォ
ニー系
ミックストーン、多色系、モザイク、スクラッチ なし あり なし あり/なし アート感覚の壁、店舗、目立つ壁 ジョリパット
パターン系 パターンローラー、レンガ、タイル、石系 あり あり あり なし 小面積でのアクセント、店舗 ジョリパット

特徴(色・素材・質感)

パレット(左官向け基調3色)

  • 土白〜石灰白: 漆喰・石灰系の基調色。陰影で表情を出しやすい
  • 土中間色(砂ベージュ〜薄鼠): ・土を感じる中彩度で経年の馴染みが良い
  • 炭〜墨の濃色: 顔料や煤(すす)系で締め色。小面積で効果的

主要素材(左官材料)

  • 漆喰(消石灰)/土(荒〜中土)/石灰モルタル
  • 骨材: 川砂・大理石粉・珪砂・軽量骨材(粒度選定が表情を決める)
  • 添加: 麻スサ・紙スサ・繊維―割れ抑制と意匠の糸目

質感(鏝と工程で作る艶)

  • マット: 荒〜中塗り由来の“面の肌理”。引き摺り・掻き落としで強調
  • セミマット: 押さえ回数を重ねて細かい鏝ムラを残す上質感
  • 高艶(磨き): 左官磨き/フレスコ調。鏝圧と水引管理が肝

相性の良い素材・工法

  • [モルタル薄塗り]:面の連続性とニュートラルな陰影
  • [左官磨き]:鏡面〜半艶の“面力(めんりょく)”を作る
  • [洗い出し]:骨材の粒立ちで足元の重心づくり
  • [エコカラット]:調湿×陰影の壁アクセント
  • 古材・黒皮鉄:左官のマット肌とコントラストで主役を引き立てる

部屋別の取り入れ方(内装/玄関/水まわり)

内装

  • 壁: 漆喰のセミマット押さえで基調、TV背面だけ左官磨きで焦点
  • 天井: 石灰系マットで光だまりを均し、ダウンライトで陰影調整
  • 造作: 笠木・棚受けの**見切り(見付厚)**を揃えて面の秩序を維持

玄関

  • 壁: 薄塗りモルタル+掻き落としで導線に粗密の表情
  • 天井: マット塗りで圧迫感を回避、間接照明で鏝目をなぞる
  • 造作: 洗い出し床で骨材の粒感→土間の“迎え入れ”を演出

水まわり

  • 壁: 調湿ゾーンのみ漆喰。直接水掛かりは避け見切りで分節
  • 天井: 防湿仕様の石灰系マット。換気計画と併用
  • 造作: カウンター笠木を真鍮見切りで納め、汚れの境界を明確化

コーデのルール

推奨

  1. 面積配分: ベース70/準主役25/アクセント5で鏝跡の主役争いを回避
  2. 目地計画: 収縮・割付を前提に伸縮目地/見切りをデザインとして成立
  3. 試験塗り: 実灯下で配合×押さえ回数×乾燥速度を確認

非推奨

  1. 艶の混在過多: 同一面でマット×高艶を併置しない
  2. 広面積の濃色一発: 含水ムラ・白華が強調。面分割で管理
  3. 水引無視の連続施工: 境界の焼け・鏝跡乱れを招く

似て非なるスタイルとの違い

要素 / 観点左官意匠塗装(ペイント)意匠タイル意匠
表現の核面の陰影/鏝跡/骨材感色面の均質性/テクスチャ塗材目地割・ユニットのリズム
継ぎ目目地・見切りを設計要素として扱う原則連続面目地がデザインの骨格
可変性配合・押さえで微調整可色・艶選択で調整モジュール規定が大
経年艶の落ち着き/風合いが増す退色・艶変化中心目地汚れ・チッピング
留意点水引・養生が仕上りを左右下地平滑度優先納まり・端部役物計画

※カニバリ防止:左官=“面をつくる工芸”、塗装=“色をのせる”、タイル=“割付で魅せる”。


施工とメンテの注意点

  • 割れ(クラック): 下地の動き・急乾が主因。伸縮目地/面分割/スサ量調整で予防
  • 汚れ: マット面は擦り汚れが残りやすい。セミマット化保護剤を要所に
  • 養生: 直射・強風・暖房直当てを回避し、水引具合を見て押さえに入る
  • 清掃: 乾拭き→微湿拭き→中性洗剤。研磨スポンジは試験施工後に限定
  • 水まわり: 飛沫域は見切りで区画し、定期ワックス/防汚処理を併用

関連する用語

左官仕上げ/漆喰/珪藻土仕上げ塗り鏝仕上げテクスチャー