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タイルとは?(たいる/tile)
粘土・長石・石英などを成形し焼成した薄板状の仕上げ材。素地の種類(陶器質・せっ器質・磁器質)や表面仕上げ(無釉・施釉)により性能が異なり、内外装の壁・床に用いられる。
粘土などの主原料を高温で焼いた陶磁器製の建築材料。今では機能性よりデザイン性重視で選ばれ建物の外壁や内装に使われている。
紀元前18世紀ごろピラミッドに使われたのが始まりで日本では飛鳥時代に寺院建築に使われ、明治時代に本格的に普及した。耐熱性、防火・防水性に優れ、劣化、変色などがないため、キッチン、洗面所、浴室、トイレなどの水回りに多く使われている。素地、用途、成形法、焼成法、釉薬(ユウヤク)の有無により分類される。
使いどころ/目的
- 内装(壁・床)
- 水まわりや玄関土間で耐水・清掃性・耐摩耗性を確保。床は滑り抵抗の等級や表面形状を選ぶ。
- 外壁・外構
- 外壁の耐候仕上げ、ポーチ・テラス階段の耐久床。寒冷地は凍結融解に配慮(吸水の低い素地を選定)。
- 下地条件〈混同・誤用に注意〉
- 動きのある下地では伸縮目地を計画。
- 低吸水素地は一般モルタルだけでは付着不足になりやすく、改良モルタルや弾性接着剤の検討が必要。
- 既存仕上げ上の増し張りは、付着可否・含水・強度を判定し、必要に応じてプライマー・シーラーで面を整える。
似ている用語
- タイルと石材:石は天然材の表情・厚み、タイルは寸法安定・軽量・量産色。部分補修やコストで選択が分かれる。
- タイルと塗装仕上げ:塗装は被膜で色と保護、タイルは面材自体の耐久。下地の動きにはタイルの方が目地計画を厳密に要する。
- 陶器質・せっ器質・磁器質:一般に陶器質は吸水大で内装壁向き、せっ器質は低吸水で床・外装に対応、磁器質はさらに緻密・高強度。
- 無釉・施釉:無釉は素材感・すべり抵抗に優れやすいが汚れ染みに注意。施釉は汚れに強く色柄が豊富。
- 乾式工法・湿式工法:乾式は下地含水の影響を受けにくい、湿式は一体化するが養生・気象管理が重要。
施工上の注意点・よくあるミス
- 下地の動きと目地計画不足:長手方向に伸縮目地が無いとひび・浮き。割付図で誘発目地・伸縮目地を計画。
- 付着不良:低吸水素地に普通モルタルのみで剥離。適合接着剤・改良モルタル・プライマーを選定。
- 勾配・排水不足(屋外床):水溜まり→白華・凍害・滑り。水切り・勾配を確保。
- 端部・開口の雨仕舞い軽視:見切り材・役物・シーリングで一次・二次止水を分担。
- 下地含水・汚れの残存:チョーキング・油分で密着低下。高圧洗浄・ケレンで素地を調整。
- 養生不足:初期の通行・凍結・直射で目地割れ・浮き。開放条件を守る。
- 滑り抵抗の選定ミス:濡れ床に鏡面釉→転倒リスク。用途に応じた表面と目地幅を選ぶ。
関連する用語
タイル仕上げの基本|素地と工法・目地・メンテの考え方
陶器質タイル/せっ器質タイル/磁器質タイル/伸縮目地/見切り材/役物/弾性接着剤/プライマー/シーラー/白華



