ようこそ!ゲスト さん

せっ器質タイル

« Back to Glossary Index
せっ器質タイルのイメージ

粘土、長石を混ぜたものを1200℃前後で焼いたもの。吸水率が10%以下で使用箇所は 磁器質タイル と同様に外壁、内装に使用される。

「土もの」と言われる 湿式タイル が代表的で,素焼きのような素材のナチュラルな雰囲気が楽しめる。釉薬(ユウヤク)をかけない 無釉薬タイル として使われることが多く、叩くと澄んだ音がする。

低吸水で丈夫な焼き物 タイル。外壁や床、 アプローチ に多用され凍害に強い。JISの素地区分で陶器質と磁器質の中間。吸水率が低く屋外使用に適し、施釉・無釉がある。外壁・床・階段などで使われ、耐摩耗・耐凍害に優れる一方、 磁器質タイル ほどは緻密でない。

2008年JISの改正で「Ⅱ類タイル」と呼ばれるようになった。

使いどころ/目的

  • 内装
    • 玄関土間・水回り床の耐摩耗/清掃性目的。壁面は意匠とメンテ性の両立。
  • 外壁・外構
    • 外壁タイル仕上げ、ポーチ・テラス・階段などで低吸水・耐候を活かす。
  • 下地条件(混同・誤用に注意)
    • 陶器質タイル》より吸水が低く硬いため、下地の動きや《伸縮目地》計画を重視。
    • 寒冷地や凍結環境では含水させない納まり(《水切り》《シーリング》)と通気・勾配が要。
    • 床は《滑り抵抗》の仕様選定(濡れ床・屋外階段など)。

似ている用語

  • せっ器質タイル と 磁器質タイル:どちらも緻密で低吸水。一般に磁器質はより緻密・高強度で寸法安定に優れる。せっ器質は意匠幅・価格帯で選ぶ場面が多い。
  • せっ器質タイル と 陶器質タイル:陶器質は吸水大・軽量で内装壁向きが中心。せっ器質は外装・床にも対応しやすい。
  • 無釉 と 施釉:無釉は素材感・すべり抵抗に優れやすいが汚れ染みに注意。施釉は汚れに強く光沢・色の選択肢が広い。
  • タイル貼り と 石貼り:石貼りは天然材の表情・厚み、タイルは寸法安定・軽量・メンテ性
  • 乾式 と 湿式:乾式は下地の含水影響を受けにくい。湿式は下地と一体化するが養生・気象管理が重要。

施工上の注意点・よくあるミス

  • 下地の動き・目地計画不足
    • 長尺面で《伸縮目地》が不足→ひび・浮き割付図とエリア分割を先決。
  • 勾配・排水不良(屋外床)
    • 水溜まり→白華・凍害・滑り。勾配と《水切り》を確保。
  • 接着・張付材の不適合
    • 低吸水素地に一般モルタルのみで付着不足。適合《弾性接着剤》や改良モルタルを採用。
  • 下地含水・塩分
    • 含水や残留塩分で白華付着不良。洗浄・乾燥・《プライマー》で整える。
  • 端部・開口の雨仕舞い軽視
  • 滑り抵抗の選定ミス
    • 濡れ床に鏡面釉→転倒リスク。使用環境で仕上げを選定
  • 養生不足
    • 初期の通行・凍結・直射浮き・目地割れ開放条件を守る。

関連する用語

タイル仕上げの基本|素地(陶器質・せっ器質・磁器質)と施工・メンテ
《磁器質タイル》/《陶器質タイル》/《伸縮目地》/《見切り材》/《役物》/《白華》/《弾性接着剤》/《プライマー》/《滑り抵抗》/《水切り》

この用語も併せてご覧ください