
見切り材とは?(みきりざい/trim, edge molding, termination profile)
異なる仕上げ材の境界を整え、端部を保護し、納まりを美しく収めるための部材。金属・樹脂・木・タイル用役物など形状は多様で、仕上げ厚や動きに応じて選定する。
主な役割
- 端部保護:欠け・反り・剥離の抑制
- 境界の美観:直線性・ライン出し
- 機能分離:材料の伸縮差・吸水差を切り分ける
使いどころ/目的
- 内装
- 塗り壁×クロス/塗り壁×タイルの取り合い。
- 開口枠・巾木・カウンター端部の欠け防止とライン統一。
- 天井・壁の素材切替え位置の基準線。
- 外壁・外構
- 左官仕上げと金属サイディングの取り合い見切り。
- 塀天端下の意匠ライン(笠木とは目的が異なる)。
- タイルの端部役物として段鼻・コーナーでの切替。
- 下地条件・納まり(混同・誤用注意)
- 見切り材=伸縮目地ではない(可動吸収は別設計)。
- 仕上げ厚・下地精度・防水ラインと整合して形状・材質を決める。
似ている用語
- 見切り材 vs 伸縮目地:見切り材は境界の化粧・保護が主。伸縮目地は動き吸収・防水が主で、二面接着+シールを伴う。
- 見切り材 vs 見付け材(見付材):見付け材は見える面の化粧材の総称。見切り材は素材の“切りどころ”に置く専用部材。
- 見切り材 vs 見切り(施工操作):見切りはラインを決める行為。見切り材は形材そのもの。
- 見切り材 vs 笠木:笠木は天端の雨仕舞い部品。見切り材は立面・平面の端部保護・意匠線で役割が異なる。
施工上の注意点・よくあるミス
- 厚み整合ミス
- 仕上げ厚より見切り高さが高/低で段差・影。**仕上げ総厚(下塗含む)**で選定。
- 通り・直線の乱れ
- 下地不陸のまま取付→ライン蛇行。通り墨→通り芯当て→仮留め→本固定の順で。
- 固定方法の誤り
- ビス頭出・粘着のみで剥離。ビス+接着/差し込みなどメーカー推奨に従う。
- 角部の欠け・バリ
- 出隅はコーナー材/面取り、端部はキャップで処理。切断面はヤスリで面取り。
- 防水・清掃性の軽視(外部)
- 水返しやシール処理不足で浸水・汚れ滞留。水上/水下を意識し、止水・排水を組み込む。
- 異種金属の接触
- 金属見切りの電食。絶縁テープ・SUSビスで隔離。
- 早期の見切り設定忘れ
- 仕上げ直前に決めると割付不整合。計画段階で位置・連続性を図面化。
関連する用語
見付け材/伸縮目地/雨仕舞い/通り墨/割付
アルミ見切り/ステンレス見切り/タイル役物(段鼻・コーナー)/塗り見切り(定木)/エンドキャップ・水切り
