
シーリングとは?(sealing, sealant)
建築の目地や取り合い部に弾性の充填材(シーリング材)を打設し、防水・気密・可動追従を確保する仕上げ・防水行為。バックアップ材やボンドブレーカーで二面接着をつくり、所定の**断面形状(幅×深さ)**で性能を発揮させる。
使いどころ/目的
- 外壁
- 屋根・バルコニー
- 防水層端末・笠木端部の端末シール(防水層の止水設計と整合)。
- 内装・設備
- 水回りカウンター・巾木上端・機器取り合いの見切りと止水、気密補助。
- 下地条件(混同・誤用に注意)
- 仕上げ目地と伸縮目地は別。伸縮目地は下地から連続、シーリングはその表層処理。
- 塗装前提の可否や上塗り材との相性は製品仕様で確認する。
似ている用語
- シーリングとコーキング:現場ではほぼ同義で使われるが、弾性充填による気密・防水を指す点は同じ。
- シーリングと伸縮目地:シーリングは可動する隙間の充填材。伸縮目地は建物の動きを吸収するための計画された隙間で、二面接着のシールを伴うのが一般的。
- シーリングと誘発目地:誘発目地は割れの位置を誘導する切り込みで、必ずしも充填しない。機能と目的が異なる。
- シーリングと充填パテ:パテは平滑化・小欠損の整形が主。シーリングは可動追従・止水が主。
- シーリングと防水層端末金物:金物は一次止水・機械的保護。シーリングは二次止水・隙間充填として組み合わせる。
施工上の注意点・よくあるミス
- 三面接着
- 底面にも接着して破断・追従低下。バックアップ材やボンドブレーカーで二面接着を必ず作る。
- 断面設計不良
- 幅に対して深さ過多/不足は破断・剥離の原因。所定の形状比を守る。
- プライマー不適合・塗り忘れ
- 早期剥離。指定プライマーを清潔・乾燥面に施工。油分・粉じんは除去。
- 温湿度・露点管理不足
- 低温・高湿・結露面に打設→気泡・付着不良。常温域・乾燥面で行い、雨天時は避ける。
- 養生・マスキング不備
- はみ出し・汚染。テープ幅を一定に取り、ヘラ押さえ後すぐ剥離。
- 可とう性能の誤選定
- 床・車両荷重部に低性能材→たわみ・破断。部位に応じて高耐候・高可とう等を選ぶ。
- 重ね打ちの乱用
- 劣化上に打継ぎしても界面弱層が残る。撤去→プライマー→新規打設が基本。
- 塗装との不整合
- 上塗り不可の材質やブリードで汚染。必要時はノンブリード系や塗装適合品を採る。
関連する用語
伸縮目地/防水層/二面接着/プライマー/バックアップ材
