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取り合いとは?(とりあい/junction detail)
異なる部材や仕上げ材が接する部分の納まり。
美観や防水性を左右する繊細な調整が必要。
壁と床、柱と壁、建具まわりなど、異なる素材や構造が接する部分で、施工精度が求められる。コーキングや見切り材を用いて納まりを整える。
使いどころ/目的
- 内装
- 塗り壁と巾木、床、建具枠、廻り縁の境界
- タイル仕上げと塗り壁の境界、ニッチ・開口まわり
- 外装
- 下地条件
- 異素材(ALCパネル、ボード、コンクリートなど)で動きが違う部分
- 打ち継ぎや誘発目地が必要なライン
- 設計・診断・維持管理
- 取り合いの不具合は漏水・クラック・剥がれの起点になるため、納まりの前提を図面で決める
- 目視点検は取り合い部から始めると原因が追いやすい
〈混同・誤用に注意〉
- 「納まり」は全体の収まり方の言い方で、取り合いはその中でも境界部の具体ポイントを指すことが多い。
- 「目地」は境界を処理する手段の一つで、取り合いそのものではない。
似ている用語
- 取り合いと納まり:納まりは全体設計、取り合いは境界部の具体処理。
- 取り合いと目地:目地は境界に設ける隙間・ライン、取り合いは境界部の設計と施工全体。
- 取り合いと見切り材:見切り材は境界を切る部材、取り合いは境界の処理方針。
- 取り合いとシーリング:シーリングは防水・緩衝の材料、取り合いはその適用位置と手順を含む。
施工上の注意点・よくあるミス
- 下地・含水
- 異素材境界で動きが違うのに、同一材料で一体に塗り込むとクラックが出やすい。
- 含水が高い境界でシーリングやトップコートを施工すると、剥がれ・白化の原因になる。
- 温湿度・養生
- 乾燥中に養生テープを剥がすタイミングを誤ると、縁が欠けたりラインが荒れたりする。
- 仕上げ直後に人が触れる動線上の取り合いは、傷・汚れが最初に出る。
- 材料選定
- 取り合いの目的(見切り/緩衝/止水)を混同して材料を選ぶと不具合が出る。
- 採用品の仕様書を優先し、下地材と仕上げ材の相性を崩さない。
- 目地・取り合い
- 見切り材の位置を先に決めずに塗ると、後から付けた見切りが浮いたり、段差が出たりする。
- 誘発目地の位置がずれると、狙ったライン以外にクラックが出やすい。
- 雨仕舞い(外装)
- 土台水切り・サッシ下・笠木の取り合いは、意匠より先に排水方向を確保する。
- シーリング頼みの納まりにすると、経年で漏水リスクが上がる。
関連する用語
外壁・内装の納まり基本|取り合い・目地・見切り・シーリング
見切り材/伸縮目地/誘発目地/シーリング/雨仕舞い/出隅/入隅/土台水切り/基礎巾木/クラック



