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長期優良住宅とは?(ちょうきゆうりょうじゅうたく/Long-life quality housing)
日本の認定制度に基づき、耐久・省エネ・維持保全などの基準を満たす住宅。新築・既存(増改築を含む)の計画に対して、設計段階から維持管理までを通しで評価し、自治体の認定を受ける。
使いどころ/目的
- 設計・仕様決定
- コスト・性能の見える化
- 維持保全計画
- 定期点検・修繕の計画化。外壁の塗装仕上げや左官仕上げ、シーリング打替え、屋根・防水の更新周期を管理。
- 認定メリットの活用
- 税制・融資の優遇が想定されるケースがある(内容は時期・地域で異なるため本稿では一般論に留める)。
似ている用語
- 長期優良住宅 と 省エネ基準適合住宅:省エネは断熱・一次エネ等に主眼。長期優良住宅は省エネに加え、耐震・劣化対策・維持保全などを含む包括評価。
- 長期優良住宅 と ZEH:ZEHはエネルギー収支を重視。長期優良住宅は長寿命化・維持管理まで射程に入れる。併用設計も可能。
- 長期優良住宅 と 認定低炭素住宅:低炭素は主に温室効果ガス排出抑制策。長期優良住宅は耐久・保全・住み替えやすさ等も見る。
- 長期優良住宅 と 性能表示制度:性能表示は等級・項目ごとの第三者評価。長期優良住宅は所管行政庁の認定スキーム。
- 長期優良住宅 と リフォーム減税:減税は行為ベース。長期優良住宅は住宅そのものの長寿命計画と仕様管理が前提。
施工上の注意点・よくあるミス
- 設計趣旨の伝達不足
- 現場で通気・排水の連続性(通気層、水切り、笠木、見切り材、シーリングの一次・二次止水)が途切れて性能未達。納まり図とチェックリストを共有。
- 可動目地の省略
- 仕上げの伸縮目地・誘発目地を省くとクラックや漏水の原因。目地ピッチと役物納まりを先に確定。
- 断熱と防湿の位置関係ミス
- 内断熱・外断熱・充填+付加断熱の選択に応じ、気密・防湿層の位置を誤ると結露・カビ。配線・配管の貫通処理まで徹底。
- 下地含水のまま施工
- モルタルや木下地の高含水で白華・付着不良・凍害リスク。含水管理と養生、プライマー・シーラーの適合確認。
- 部材選定の整合不良
- 外壁タイルやせっ器質タイルで伸縮・付着条件を満たさず浮き・剥離。接着剤・下地・勾配・排水まで一体で決める。
- 維持保全計画の形骸化
- 引渡し後の点検・補修(シーリング打替え、塗装更新、屋根・防水の点検)を記録化せず、長寿命化の実が上がらない。
関連する用語
長期優良住宅の基本|設計・認定・維持保全の進め方
断熱/外断熱/内断熱/通気層/見切り材/伸縮目地/シーリング/塗装仕上げ/タイル/白華/凍害/養生/ベタ基礎/耐震壁



