
砂壁は砂壁ではない?自分で簡単にDIYできる?壁の種類、メリットと補修についても解説
和室の壁がボロボロと崩れてきて、「どうにかしたい」と感じる方は少なくありません。でも、ちょっと待ってください。その壁、本当に“砂壁”でしょうか?昭和〜平成初期の住宅に多く使われた塗り壁には、「繊維壁」「じゅらく壁」「砂壁」「京壁」など、見た目が似ていても成分や性質の異なる素材が複数存在します。これを見誤ると、リフォームやDIYでの補修がうまくいかず、せっかくの手間が水の泡に。
とくに“じゅらく壁”は、施工のしやすさやコテ跡が目立ちにくい点がプロにも支持されており、近年は「ジュラックスC」「京壁」などのブランドに置き換わりながらも根強く使用されています。しかし一方で、汚れが落ちにくく、セルフメンテナンスには不向きという弱点も。こうした塗り壁は、水拭きNG・カビやすい・ボロボロ落ちるなど、放置しておくと室内環境にも悪影響を及ぼすおそれがあります。
そこで最近注目されているのが、DIY用壁紙やニトリなどで手に入る自分で貼れる壁紙の活用です。ただし、既存の壁が砂壁や繊維壁の場合、そのまま貼ると剥がれやすく、場合によっては壁ごとめくれてしまうリスクも。下地にシーラーや石膏での処理が必要であり、「簡単DIY」とはいえ最低限の準備は不可欠です。
さらに、健康面で心配されるアスベストの混入については、現代の左官材には基本的に含まれておらず、安心して使用可能とされています。調湿性・吸音性といった左官材本来の魅力を生かすには、材料ごとの特性を知ったうえでの選択が鍵となるでしょう。
古い壁をどうにかしたいと感じたら、まずは“正体”を見極めるところからスタート。壁の種類を把握し、適切なリフォーム方法を選ぶことで、快適で美しい空間がよみがえります。

古い砂壁をどうにかしたい、でもその壁、砂壁じゃないかも知れない。

砂壁の種類、中でも じゅらく壁 に関して、田口さんの見解をお伝えいただけないでしょうか。

そうですね。一般的に砂壁って言われるものは、いろんな種類があったと思うんですけど、僕たちが子供の頃の和室とか和風建築っていうのは、大体その砂壁と言われるものがやっぱり多かったような気がします。その当時、僕たちが子供の頃のメインの和室に建ったのは、おそらく繊維壁っていうものが塗られていて、その後にじゅらく壁っていうのが出てきたように記憶してます。

砂壁って何種類ぐらいあるんですか。


左官屋さんに言わすと、珪藻土も砂壁に入るわけですか。

そうですね。一般の方は多分砂壁の種類に入ると思いますね。

砂壁って産地は国産ですか。

産地が国産かどうかはちょっと分かりかねますけども、もちろん国産のものもあれば、その中に含まれている何かしらっていうのは海外から輸入されてるかも。もともとはやっぱり日本のものなので。今は分かんないですけどね。中身がちょっと分からないものがあるので。昔は自分たちで調合したりしてたので、もちろん国産っていうことだったと思うんですけど、今は一般的にはそういうことはないんじゃないかなと思います。

砂壁を直したいとかどうにかしたいとか、そういう需要って多いんじゃないですか、たぶん。

そうですね。最近はめっきりそういう話が減ってきましたけど、私の経験上、どうでしょうね。15年ぐらい前までは、結構近所の年配のおじいちゃんおばあちゃんの家で、昔の古い繊維壁なりじゅらく壁がポロポロ落ちてきて、掃除が大変なので何とかしてくれんかっていうことはよくありましたね。今は逆にもあんまり聞かなくなりましたね。そういう古い和風建築、平屋建てみたいなところの年寄りの方が、やっぱりだんだん減ってきてる。もう直すまでもないっていうようなことなんじゃないかなと思うんです。

僕が近所のおじいさんに呼ばれて行ったのが、たぶん2年ぐらい前に一度行って、それこそもう本当にボロボロになったんですけど、一応見積もりしましょうかみたいな話で行ったんですけど、結局、まあお金かかるんだったらやめようかみたいな。あと何年生きるかわからないし、そこまでみたいなことは結構言われますよ。あと5年10年もってはいいんだねみたいな話で。ということは寂しい話ですけど、言われますね。

とにかく古い、築50年ぐらいの昔の土壁からは塗りかけて、じゅらく壁なり繊維壁を塗るっていうお宅に住んでる方っていうのは、だいたいもう80代とか70代後半って方が多いので、そういう依頼、やってほしいだろうなっていう感じはするんですけど、もちろん綺麗にしたい、気持ちいい部屋に住みたいっていうニーズは絶対あると思うので。ただそこまでお金をかけてやろうかな?っていう、気構えというか、腰が重いのも分かる。

それこそ古壁、砂壁、いろんな種類が昔は塗ってあって、大津壁やら漆喰の壁だったりとかっていうのもあるんですけど、どっちかっていうと、塗り替えよりは、クロスだったらポロポロ来ないんじゃないの?みたいな話を言われて、クロスの下地を作ってほしい、みたいなことも一時ありましたね。それも10年ぐらい前はあったんですけど、今はあんまり聞かなくなってきたかな。

砂壁、じゅらく壁をクロス壁に変えてくださいっていうお依頼ですか?

そうですね。そういう依頼がありましたよ。もちろん左官の技術を生かせば、砂壁もリフォームして下地の壁にするっていうことはできるので、そういう依頼もありましたね。そういうときは、ぜひクロスじゃなくて、せっかくいいものがあるので、これを生かして仕上げ、いろんな左官の技術を生かしたいろんなものがあるので、それはどうでしょうかっていうような提案はさせてもらってます。

今のことだと、70代80代の方は直すまでもないボロボロになって、どうにかしたいけどお金がかかるんだったらやめよっていうことです。今、空き家を利用される方も見えるので、空き家ですと築50年になると思うので、そういうときの空き家をリフォームして住みたい30代40代の方に関して、砂壁、じゅらく壁を補修するときの金額とかポイントとか教えていただけないかな。

そうですね。この間、賃貸の、その方はオーナーさんだったんですけど、オーナーさんが賃貸に使うのでちょっと綺麗にしたいってことで、2階建てのお宅だったんですけど、6畳2間とキッチンとバスで、2階が6畳1間ぐらいでしたかね、たしか。それでも100万ぐらいはかかってないかな。

4LDK、3LDKぐらいですか。

でもまあ、下地やりかえてなんやかんやとかってやると、100平米とかそれぐらいはあったと思うんですけど、100万近くはかかっちゃうからね。結構そのお客さんはそういうことをやらせてくれましたけど、じゃあっていう感じですけどね。まあでも全部じゃなくても、例えば1階の応接間っていうか、一部屋だとか、お客さんが人が入るようなところだけでもきれいにすると、気持ちがいいんじゃないかなって思いますけど。

金額は3LDKっていう想定でいいかな。

でもまあ、人部屋が、例えば20平米ぐらいすると4、5部屋。階段とかその辺もありましたので。本当に一軒家ですね。一軒家もまるまる塗り替えようと思う。100万ぐらいはかかってくると思いますね。

リフォームするときにポイントとしても、いわゆるお客さんの入る部屋だけはきれいにした方がいいよとか。

そうですね。

田口さんが思う、砂壁とか塗装を塗るっていうのはいかがなんですか。

何ですか。

ペンキを塗る。

ペンキを塗る。下地だと、やれんことはないと思いますけど、いわゆる石膏系のものではなくて、樹脂モルタルみたいなのを塗らないと塗装では無理かなという気がします。

砂壁とじゅらく壁とは違うのですか?

はい、昔は本じゅらくっていう商品がほとんど本じゅらくだったんですよ。それがメインの商材だったんですけど、本じゅらくを塗ったときは間違いないみたいな感じだったんですけど、実は本じゅらくっていうナンバーワンのブランドが今はなくなりまして、時代の流れとともに出荷数が少なくなってやめたっていうことになりまして、今は四国化成の ジュラックスC とか、今画面にも出てますけど、四国建材の京壁。一応二強ですかね。

ジュラックス。

その中では二強ですかね。四国化成ね。四国化成の中ではジュラックスCが一番量的には出てるって、四国化成の方がおっしゃってましたけど。一般的にはじゅらく壁っていうと、その2つぐらいですかね。

そうなんですね、ありがとうございます。

最近じゅらく壁塗ったのは、新築ですかリフォームですか。

リフォームでしたね。新築ではあまり塗らないですね。新築だとちょっと違う。珪藻土とかになるんじゃないでしょうか。

珪藻土とかになるわけです。

そうですね。

じゅらく壁の良いとこ、メリットってどこがございますか。

メリットとしては、色の種類がたぶん、カラーチャートがまずまず揃ってるっていうところと、あとは扱いがしやすいですね。珪藻土って硬いんですね、その骨材が。じゅらくっていうのは紙が入ってるんですよね。ふわっと塗って水が引くとコテのムラが消えていくっていうのがあって、職人もそうだしお客さんも、ここのコテムラが気になるねみたいな事はある、だから塗りムラが多いねみたいな指摘は受けにくいっていうところは良い。でもデメリットとしては、やっぱり汚れたらなかなか汚れが取りにくいっていうこと。それから先ほどいろんなカラーチャートが、そこそこありますよっていうのはそこそこであって、パステル調みたいなのはないですね。メーカー自体がじゅらく壁っていうのは和室に塗るもんだっていう概念なので、いろんな色を出したところで多分出ないですよねっていうので、チャートとして出てかないっていう判断だと思うんですけど、ではもうちょっと明るいパステル調のものだったら、珪藻土を選んでくださいねみたいな感じでしょうか。

ありがとうございます。今メリット・デメリットもいただいて、参考になりました。あと、今までじゅらく壁で思い出に残るような現場とかがあれば最後にお聞かせください。

それはですね、岐阜の現場だったんですけども、うちの若手のナンバーワンのやつに経験を積ませるっていうのもあって、一人で行ってこいっていうことで任したんですけど、思いのほか目の厳しい方で、3回ぐらい塗り直しましたかね、同じ部屋を。

塗り直す?何が悪くて塗り直したか?

この壁のコテの跡が気になるっていうようなことを言われて、しまいには息子さんが出てきて、こんな汚い壁は見たことないとか言われちゃって、結局ベテランの人を任して、そこは事なきを得たんですけど、そういうことはやっぱりありますね。

それは柄が悪かったんですか?若い子だから?

いや、言い出せば跡がないんですけど、もちろんここが気になる、一部言われれば、もちろんコテで塗るやつなんで、僕たちは数千平という壁を塗って、数万平の壁を持ってるわけじゃないので、1日こんだけは仕上げてこないといけないというのはあるものですから、ああそうですかって言われたら、そうですね、やりますよって何回でも言いますよって。

じゅらく壁のセルフメンテナンス、それから汚れ、金額についても教えて下さい。

セルフメンテナンスは実際には難しいと思われますね。多少の汚れであれば濡れ雑巾で叩くみたいな。

ポンポンって叩く?

ちょっと汚れが、繊維から取れるっていうぐらいで、ごめんなさいっていう感じです。補修に関しても、材料自体を自分で用意されて、傷がついたりしたところを上から塗り直すみたいな、やれない事はないんですけどとても汚いですね。そこはじゅらく壁に限らず塗り物の弱点ではあります。

宿命的にそういうこと。セルフメンテナンスとか汚れに関しては弱いという言い方なのか、弱点、デメリットっていうことですか。

左官業者が必ず言うのは、経年時間が経って傷がついたり汚れたりするのも味ですよっていう。クロスとかの剥がれとか隙間とかはすごく気になるんだけど、塗り物の汚れとかチリ切れみたいなのはあんまり気にならないですよねっていうのが、左官業の理屈というか。確かにそれは思うんですけど、クロスがペロッと抜けるとすごくみすぼらしい感じがするんですけど、クロスは直せるっていうのはあるんですけど、塗り壁は時間が経てばそれも味かなっていうふうに思ってくださいというふうにお答えします。

金額に関しては?

金額に関してはだいたい、ざっくりな話ですけど、6畳1間ぐらいの和室であれば、10万ぐらいかなっていうような感じはします。

10万ぐらいで、新築の場合はリフォームの場合はどちらですか。

リフォームの場合ですね。10万じゃ無理かな。12-15万はかかります。

はい。ありがとうございます。新築ですと1平米5,000円ぐらいですか。

そうですね。一般にはどうかわかんないですけども、だいたいおおむねそれぐらいなんじゃないでしょうか。

冒頭にクロスの下地にしたいっていうお話があったと思うんですけども、こういうケースは下地にした方がいいけど、こういうケースは下地まで持っていけないよねみたいなものがあれば教えてください。

土壁、もともと昔の小舞から土をやったようなところはあんまりお勧めはしないです。その後の時代にプラスターボードって言うんですけど、中塗り、土を使わずに石膏下地をやったようなところは十分それでも受けるんじゃないかなっていうのは、土壁自体が風化して弱くなっちゃってるので、下地を作ったりしてもくっつきが悪かったりポロポロと取れちゃったりっていうことがあるので、だったら塗るより、クロスの下地としてはあんまり適してないんじゃないかなと思うんですね、土壁の場合は。

古い土壁はクロスには適してない。

やらない方がいいと思います。

そういう場合は上からプラスターボードを張ってクロスを張るっていう手法になりますか?

その方がお客さんにご迷惑かけることはないんじゃないかなと思うんですけど。

なるほど。

年代でいうと、僕たちが携わるようになってから、ほとんどもその頃は、特殊な場合を除いてはほとんどプラスボードとかでやってたので。

50年ぐらい?

そうですね、40年。50年前は土壁は一般的でしたけど。そこら辺で分かれてくる。こだわりのあるところはもちろん、土でやったりするところももちろんあるし、田舎の方に行けばそういうこともあるはあったようですけど、名古屋市内で言えば、30年前に新築で土壁やろうかっていうところがほとんど1年ぐらいだったんですかね。

50年って、築50年のおたくってことですね。

そうですね。

冒頭の砂壁についてなんですけど、ネットの情報だとメリットとして調湿性というのが出てきまして、調湿性があると気持ちよく過ごせるのかなと思ったんですけど、これがだいたい寿命が10年ぐらいということで出てきたんですけど、今の最新の砂壁でもやっぱり10年に1回塗り直しとか、リフォームとかが必要になってくるのかなっていうのがちょっと気になりまして。

私の認識、ネット上の認識と私の認識はちょっと違うような気がしますけど、10年で調湿性がどっかに行っちゃうよっていうようなことですよね。ネット上で。でもそれはちょっと違うような気がするんですけど、調湿っていうのは吸ったり吐いたりっていう話なので、あるときは吸収するし、乾燥した日には放出するしっていうので、よく漆喰とかでも言われるんですけど、それはないんじゃないかなと思うんです。私の認識でも、10年で左官壁の調湿性が失われるっていうことは、その記事がどういうふうな脈絡で書いてあるかわかりませんけど、それはないです。

どうもありがとうございます。
この項のまとめ
"・砂壁の種類と定義
砂壁には繊維壁、じゅらく壁、珪藻土などが含まれ、広義には「砂を含む塗り壁全般」を指すとされる。
・じゅらく壁の特徴とメリット
施工しやすく、コテ跡が目立ちにくいのが特徴。色のバリエーションもある程度揃っているが、パステル調など洋風には乏しい。
・現代における需要の変化
昔は高齢者からの補修依頼が多かったが、今は減少傾向。築50年以上の空き家を活用したい若年層が新たな需要層になりつつある。
・リフォーム費用と対応方針
6畳1間の和室でおよそ12〜15万円、家全体では100万円規模も。部屋単位の改修が現実的で、訪問者のある部屋のみを重点的に施工するケースが多い。
・じゅらく壁の弱点とセルフメンテナンス
汚れに弱く補修も難しいため、左官職人による対応が前提。経年劣化も「味」と捉えるのが塗り壁文化の考え方。"

株式会社 田口業務店 代表取締役
経歴:昭和40年創業の2代目、前職も含めタイルと左官に携わり30年以上の経験と実績。店舗工事や土間工事にも精通している。
「良い物は長持ち」がモットーで、古民家再生など街の困り事を左官の技術を使い解決に取り組んでいる。
対応エリア:名古屋市など愛知県内全域、その他(岐阜、三重など一部)
対応できる工事:タイル工事、土間工事、外構工事、漆喰・珪藻土 など内外装工事
お薦めのデザイン:ウェーブ系, マーブル系
備考:趣味は山登りとフライフィッシング。自然に触れるのが好きで、最近は野菜作りにハマっています。
<プロフィール>
名古屋市南区出身、酉(とり)年、ふたご座
【好きなもの】寿司、米焼酎、フライフィッシング、ワカサギ釣り、サイクリング、都市伝説、料理
【嫌いなもの】真実を語らないマスコミ、背脂たっぷりのラーメン、嘘つき政治家、添加物たっぷりのコンビニ弁当、やたら甘いラクトアイス
【マイブーム】ルンバの世話

塗り壁の中の「砂壁」とは何か?現代リフォームでの考え方と実践

砂壁というのは古い住宅にあるんですが、塗り壁のことを全部砂壁って言うんですか?

僕の解釈としては、塗り壁というのがあって、塗り壁材の中に漆喰とか珪藻土とか同じように砂壁というジャンルがあるというふうに解釈しています。

砂が入っていれば砂壁って考えられるのは一つの考え方かもしれませんけど、ただ砂壁の特徴ってしっかりあるんで、砂が入ってるから砂壁って呼ぶっていう風じゃないんじゃないのかなって僕は思ってます。

なるほど、わかりました。砂壁の特徴っていうのは、谷澤さんの考える砂壁の特徴って何でしょう?

砂壁は、石や鉱物ですね。鉱物ってわかりますかね。金属の原石っていうんでしょうかね。それだとかガラスだとか貝殻とか、そういうものを細かく粉砕して、もちろん砂もですけど、そういうものを細かく粉砕して、糊で練った塗りかべ材を砂壁っていう風に呼ぶっていう風に僕は解釈しています。

ありがとうございます。もう一つ、砂壁は鉱物を細かく砕いたものを糊で塗るということですけど、糊で塗る中に繊維壁と砂壁って別物っていうふうに考えていいんですか?それとも同じような、鉱物の代わりに繊維が入ってるってことですか。

僕は砂壁と繊維壁ってまた別と解釈してて、繊維壁は本当に名前の通り化学繊維だとか、パルプだとか、紙の繊維だとか、あと綿とかも、そういうものを混ぜて、糊で固めて塗っているものっていうのが繊維壁っていう風に解釈しています。

繊維壁最近ってあまり見ないですよね。

僕の場合だと悪くなってきたんで、塗り替えてほしいっていう局面で見るぐらいで、新しくこれをやりたいっていうお客さんには出会ったことはちょっとないかな。

砂壁が悪くなってくるとはどんなふうに悪くなってくるんですか。

砂壁にしても繊維壁にしてもそうなんですけど、いわゆる糊で固めてるだけっていう感じなので、今の樹脂と違って、劣化が入るというか、ボロボロボロボロ混ぜてるものが落ちていくという感じですね、触ると。

昔は、でんぷん糊みたいな、化学的な糊じゃない、植物性の糊で固めたものが多かったんですかね。

そうでしょうね。だから今は糊っていうのか樹脂なんで。

多分どんな材料でもそうですけど、新しいものっていうのは、今話した、例えば繊維壁とか砂壁とかの、そういう悪いところを払拭した材料っていうのが出てくるって感じだと僕は思ってるんですよね。なので、割れにくかったり、混入してるものが剥がれにくかったりっていうものを作るためには、どうしても糊という類のものではなくて、アクリル樹脂を使ってるものっていうのがほとんどなんじゃないのかなっていうふうに思ってます。

今の塗り壁ってあまりぼろぼろ剥がれたりとか、そういうことは少ないというふうに考えた方がいいのかな。

少ないと思います。

それやっぱり糊がよくなったから、接着剤が。

凝固剤っていうんですかね。それを固める接着剤っていうんですかね。それがやっぱり進歩してる、よくなってると思ってます。

わかりました。繊維壁の中で結構アスベストが入ってるかというと心配される方も見えるんですけど、どうです?

そうですね、アスベストっていうものが騒がれ出す頃っていうのが、石綿ですよね。さっきの繊維壁の中にも綿って入ってるので、その中に入ってるんじゃないかみたいなことで、騒がれた時代っていうのはあったかもしれませんね。

今は左官材にアスベストは混入されてないですか?

左官材も含めてそういうのが含まれてるってことはまずないと思います。

この糊を混るものがみたいなお話だったんですけれども、例えば漆喰とか珪藻土みたいな材質が違うものというのは、材料が違うという解釈なんでしょうか。

違いますね。珪藻土とか、特に漆喰なんかは、海藻の糊を煮詰めて、ツノマタとかだったから、何だったかでやってるんですけど、糊の種類が違うっていうのと、基本的に砂壁や繊維壁みたいに混ぜてるものっていうのが、もっと細かい珪藻土や漆喰の場合は、細かいものだから逆にボロボロ落ちにくい、一つの塊みたいになってるんで、繊維壁や砂壁はそれと違って何か違うものが入ってるっていうことで、ちょっと高級感を出してるっていうイメージだって。だから異物が入ってるっていうことでやっぱりボロボロしやすいっていう特徴が出てきちゃうんじゃないでしょうか。

構造的にどうしても弱い。

そうですね。材料の構造的にっていう言い方がいいんでしょうかね。

吸音性、調湿性で、高度経済成長期に大流行したっていうことだったんですけれども、ボロボロ落ちやすいっていう面をカバーしてアクリル樹脂を使用すると、このメリットは何か変わってしまうものなんでしょうか。

塗り壁全般的に、調湿性や吸音性って言ったらいいのかな。それは担保されてますね。新しくなっても。

ありがとうございます。それでは、繊維壁で住宅をリフォームする。どのようにリフォームされるか。例えば、何日ぐらいかかるのか、費用はどれぐらいかって、ご見解、ご意見あればお願いします。

そうですね、まずこれは工事店さんで多分様々だと思うんですけど、自分の場合は現状の繊維壁なり砂壁をまずすべて剥がしてしまうというところから始まります。で、これの理由としては、表面は確かにボロボロしてるねっていうのはあるかもしれませんが、この膜としてすごく全体的に浮いて全部それが剥がれちゃうっていうような見た目でそういう状態じゃなかったとしても、見た目は割としっかりしてますよね。でも表面ボロボロして嫌なんだっていう壁だったとしても、新しくその上から直接塗っていくことによって、塗ったものの水分を含んで古い壁が下地から剥がれて、浮いて剥がれちゃうということがやっぱりすごくあるんです。なので、大丈夫ってこともあるかもしれないんですけど、なんか見た目でそれが判断できたりするっていうものはないので、僕の場合はまず全部剥がしてから任意の仕上げ剤をしていくっていう流れですね。まず大前提として。

それはその上に塗るっていうことに、その繊維壁の上にまた何かを塗るっていうことは、やめた方がいいということですか。

そういう感じです。業者さんによっては、例えば下地を固めるようなシーラーを塗ってしまえばいいとか、インターネットでもリフォームの仕方を見ると、そういうのを紹介されているページもあると思うんですけど、経験上やっぱり剥がした方がいいっていうのは僕の解釈です。

分かりました。6畳の和室を剥がすのに何日くらい費用はどれだけかかるのか、それに珪藻土なり漆喰なりを塗ると何日くらいかかっていくらぐらいなのかって教えてもらえます?

一日いくらっていう考え方だとか、使う材料によって様々だと思うんですけど、まずはどれぐらいの期間がかかるようなものかってことから話しすると、大体6畳だと一人で1日で剥がしてしまいます。今度は仕上げる下地が何だったか、仕上げたいものか何かってことで、下地を作り直すのに1日。新しく仕上げるもので大体2日、3日。ざっとで1週間、5、6日っていうところじゃないでしょうかね。

月曜日から始まって土曜日までには終わるという感覚ですね。

毎日1人の作業でそれぐらいで終わってしまうじゃないか。だから6人工と材料っていうところじゃないでしょうかね。

1人工は2万5千から3万円ぐらいですから、15万から20万ぐらいで6畳はできちゃうってこと?

そうですね。で、例えば住宅だったりすると、たぶん1袋が1坪、1袋1坪ってことは3.3平米で、たぶんホームセンターでもそれが1袋1000円単位ぐらいだと思うんですよね。ジョリパッドとかだとどうでしょう、1缶1万円前後ぐらい。で、それをたぶん2缶ぐらい使うでしょうからっていう考え方になっていくんじゃないでしょうか。

それでは、5人工から6人工ぐらいだと材料費がかかってくるっていう。それで上下があるっていうことですね。

そうですね。

はい、ありがとうございます。和室をリフォームする、これは塗り壁、繊維壁も含めてですけど、和室のリフォーム、塗り壁のリフォームの時のお勧めと注意点を教えていただけますか。

そうですね。例えばクロスを貼りたいっていう話になると、さっきの話、まずは剥がさなくちゃいけないっていうところがありますよね。で、剥がした後、下地がいわゆる石膏ボードだったらばクロスを貼ることは可能だと思うんですが、下地が土壁とかだったら、たぶんクロスは貼れないんじゃないかなっていうところがあるんで、基本的にはそれをめくってみないとわかんないんで、ある程度。同じ塗り壁を僕は左官屋だっていうこともありますし、塗り壁の方をボロボロされて嫌だとかっていうことが困るんであれば、今の耐久性の高い、なおかつ割れにくくて、砂壁の、さっき申し上げた調湿性や遮音性っていうのかな、そういうものも担保されたものっていうのを、最初は提案させてもらうってところでしょうか。

はい、ありがとうございます。注意点はやはり剥がしてみて、下地が何かっていうのをチェックするところがポイントですね。

そうですね。叩いてわかるときもあるんですけど、叩いてわからないときもありますし、もう一つの注意点はさっき申し上げた、いくらしっかりしてるからといってそのまま上から塗るってことはやめたほうがいいっていうのが最大の注意点だと僕は思ってます。

注意点1点目は下地が何かっていうのを調べる。2つ目は上塗りをしないほうがいい。これが2つの注意点。

そうですね。塗り重ねはしないほうがいい。

塗り重ねはしない。3番目の注意点は和室のリフォーム、塗り壁のリフォームであれば、左官屋さんに一回ご相談くださいということで。

そういうところでしょうか。

先ほど繊維壁から繊維壁にする人はあんまりいないよという話だったんですけども、谷澤さんがお勧めで、例えば繊維壁と別の素材で同じ雰囲気にしたいっていう方と、全く違う雰囲気にしたいって方であれば、例えばどんな提案をされますか。

そうですね。今の材料で繊維壁のように何て言うんでしょう。ちょっと違った、ああいうキラキラっとした素材が入ったような仕上げ方もあったりするんで、ちょっと高額になりますがっていう前提を置いて、そういうものを提案する。似たようなものの路線で言うとそういうもので、独自の提案となると、繊維壁とは全く真逆の落ち着いて、時代がこの経てもあんまりその流行り送りだねって言われないようなものを提案するっていうか、そういうスタイルでしょうか。

ジョリパッドもキラキラのあります。

そうですね。まさにそれを勧めます。

繊維壁から繊維壁にリフォームする方が少ないっていうことだったんですけれども、金額的な面ではもう繊維壁から今風の壁に変えた方がお安い?

繊維壁から繊維壁に塗り替えた方が断然費用が安いと思います。材料自体の金額が、ものすごく段違いに繊維壁の方が安いんですよね。

繊維壁の方が10分の1ぐらいというふうに考えてみたら。

それぐらいかもしれませんね。コストのこともあるし、例えばよくあるのが、住んでみえる方ではなくて、賃貸物件の管理者さんなんかは安価に新しく住ませたいっていうのがあるので、そういう需要はある気はします。

やっぱりせっかく塗り替えるんだったら、長い目で見て、長持ちするものを選ばれた方がいいんじゃないのかなという気はします。本当に多岐にわたって、いろんな材料が出てるので、何を求めてるかっていう話を、私だったらしっかり伺って、材料や模様の提案をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

繊維壁は耐久性があまり高くないとネットには出てきます。当時の高度経済成長期に、あまり塗りムラが出ないので、流行したらしい。今の壁のほうが専門性が高いっていう感じですかね。

そうですね、ちょっと今それを通り越しちゃってるかもしれなくて、いいものが極端なこと言うと、誰でも塗れるみたいな。材料も良くて誰でも塗れる。要するにDIYですね。そういう時代になりつつあって、そういう路線で行こうっていう製造メーカーさんと、職人さんの技というのか、職人さんの力量っていうのは後世に残していきたいねっていう部分があって、逆にその専門性のすごく高いところを突き詰めていくっていうのを二極化してますね。おっしゃるとおりで、繊維壁っていうのが、団地、ちょっと新しいライフスタイルを提供するっていうことの中で、高級感もあって、でも費用は抑えたいということで、その左官屋さんの力量があんまり出来栄えに左右されないっていうものの最たるものとして繊維壁ってあって、で、爆発的にああいうものに採用されたっていう傾向もあるんじゃないでしょうか。

ありがとうございます。
この項のまとめ
・砂壁の定義と特徴
塗り壁の一種で、鉱物・砂・貝殻・ガラス片などを粉砕し、糊で固めた素材。表面がザラザラとした質感で、均一な粒子構造が特徴。
・繊維壁との違いと構造的弱点
繊維壁は紙や綿などの繊維素材を糊で固めた壁材で、砂壁とは別ジャンル。どちらも植物性糊を使用していた時代は経年でボロボロになりやすかった。
・リフォームの注意点と工程
古い砂壁・繊維壁は上塗りではなく、基本的に全て剥がして下地から再施工するのが安全。6畳間で5~6日、費用は15〜20万円が目安。
・現代の壁材の選択肢と提案方法
耐久性・調湿性・デザイン性を兼ね備えた漆喰・珪藻土・ジョリパットなどが人気。用途や希望に応じた最適素材を選定することが重要。
・塗り壁文化の今後と二極化の傾向
DIY向けの手軽な製品と、職人技を活かした高品質施工の二極化が進行中。専門的な仕上げを求めるなら、左官職人への依頼が安心。

合同会社 鏝志(こてじん) 代表
対応エリア:岐阜県、愛知県、三重県、但し条件合えば どこでも行きます。
対応できる工事:漆喰(内装)、珪藻土,壁の補修(内装),リフォーム工事(内装),漆喰(外壁),モルタル,壁の補修(外壁),リフォーム工事(外壁),ジョリパット(外壁),大壁工法,しらす壁,そとん壁,かき落とし,洗い出し,タイル工事,一般左官工事,塗装(ペンキ),乱形石
お薦めのデザイン:コンクリート系、フラット系
備考:バンドに夢中で大学中退後もまともに就職してなかったが、
当時のメンバーに薦められて、彼の勤めていた塗装店に職人として入社。
三年経った頃、当時の取引先社長から「ウチの会社で営業してみないか?」
と誘われ転職する。
そこの会社はマンションの大規模修繕を営む会社で、
その頃に塗装工事のノウハウを叩き込まれる。
10年勤めた頃、仕事への方向性が合わなくなり退社。
次の勤め先を決めずに退社したので、一年ほど人材派遣に頼りながら生活し、
その後左官工事店に入社。そこで左官工事を学ぶ。
8年勤めた頃に残念ながら倒産し、それを機に独立し現在に至る。
<プロフィール>
愛知県江南市出身、巳(み)年、てんびん座
【好きなもの】麻婆豆腐、ハイボール、音楽:new jeans、バイクDucati:mh900e、車:landrover:defender、脚本家:宮藤官九郎、映画:役所広司 すばらしき世界
【苦手なもの】月曜日の朝、冬場の静電気、ホヤの食感、デリカシーの無い人、食券機の店
【マイブーム】中華鍋を使った料理を作る事
砂壁工事の基礎と今どきのリフォーム事情

砂壁の工事について教えてください。

砂壁の仕上げというのは勿論あるんですけど、基本は土壁が下地になる場合が多いんですよね。土壁を塗って乾かして じゅらく壁 で仕上げをする、砂壁で仕上げをする、漆喰で仕上げをするっていう方が多いんですよ。もちろん土で最終仕上げしてくれっていう現場も稀にはある。

左官屋さんからしたら土壁と砂壁っていうのは、下地と仕上げって分けられるわけですかね。

そうですね。

土壁と砂壁、他、例えば珪藻土なんかの見分け方ってあります?

砂壁は本当に均一な粒、骨材で塗ってるんですよね。なので表面強度は結構硬いんですよ。土壁っていうのは、イメージしてもらうと泥に砂を入れて塗ってあるようなイメージなんですよね。

藁とかも入れるんだ、土壁。

入れますね。もちろん。泥なんで粘り気が多いんで藁を入れないと割れちゃうんですよね。

藁が入ってると土壁。砂壁はちなみに藁は入ってないですね。

藁が入っている、入ってないで分けられるわけですね。

砂壁、土壁っていうのは、今でもありますけど、主に使われてたのは、やっぱりクロスの前ですか。何年くらい前か。

土壁が多かった時代はそれこそ20年、30年前ぐらいになりますね。

昭和の時代っていうことですね。どんなところに多かったんですかね。

建築屋さんによっては基本土壁っていう場合が多かったですね。なので洋間はクロスを張っちゃうんですけど、和室とか玄関周りは基本土壁っていう建築屋さんは多かったですね。

洋室はクロス、和室は土壁、砂壁っていう。

玄関とか廊下とかは土壁で、聚楽壁 で仕上げとか砂壁で仕上げっていう現場は多かったですね。

それが昭和ですか。

そうですね。土壁だと工期がどうしてもかかっちゃうんで。それを縮めるためにプラスターボードが出てきて、クロスっていうのが主流になってきたんですよね。

昭和のころは砂壁が多かったけれども、工期を短くクロスにするためにだんだん砂壁土壁が減ってきたって。

そうですね。要は乾式工法ってやつですかね。

あ、そうです。湿式・乾式で分けられるんですか。

なんで外壁のモルタルもその時代からなくなってきてサイディングに切り替わって、工期を縮めたっていう時代背景ですかね。

土壁、砂壁っていうのは、表面がボロボロ、粉が出てきたりとかどうにかしたいって方が多いんじゃないですか。

多いですね。昔の砂壁は特にボンドがあまり良くないので。

ボンド、接着剤。

やっぱり触るとポロポロ落ちるっていうのはやっぱり多かったですね。

なるほどね。それをリフォームしたい方に、リフォーム・改修のポイントとしてお伝えするのであればどんなことがありますか。

そうですね。今塗ってある壁自体はやはり一度落としたほうが間違いないと思います。一度落としてもらってから、薄塗りの下地調整剤を塗ってもらってからまた仕上げっていう流れがほぼほぼ多いですかね。

それじゃあ、自分でリフォームをしたいとかDIYで簡単にしたいっていう方に関してはどんなふうなアドバイスをいただけますか。

そうですね。その上からでも固めれば塗れないこともないんですけど、固めて、灰汁止めを塗って固めれば直接塗れないことはないです。

見分け方ってどうですか?

物にもよるんですけど、砂壁はいろんなカラーがあるんですけど、ただ土色を使ってやるとちょっと、パッと見たときはあれなんですけど、ちょっと色はいろいろラインナップがあるんで。産地によって土の色って結構違うんですよね。通常は土壁っていうのは田んぼにあるような土の色をしてるんで。特に土壁で使う土っていうのはそういう土が多いんですよね。

そのあたりで見分けはある程度はできるかなと思うんですけど。田んぼにある土のような泥。土壁イコール泥を固めたもの。

泥っていうイメージですかね。

そこで見分けがつくということですね。

それで田んぼにある土の色、泥の色と、粒子が細かくて均一になってるのが砂壁ってことで、これで見分けがつくと思います。ありがとうございます。

それから、砂壁は均一な粒子が一面に敷き詰めてあるようなイメージなんですよね。ただ土壁も 鏝 を当てるタイミングによって、ふわっとしたザラザラの場合と、固くなってから抑えるとやっぱりつるっとした感じになるんで、ちょっとそのあたりは一概に土壁の方は答えにくい部分ですかね。

ネットで調べていると、土壁でも砂壁でも結構ダウントレンドみたいなキラキラが出てきて、見てみると、1980年代に通った土壁がキラキラしていて、プラスチックが練り込まれているというふうに書いてある。土壁のキラキラしたものは何ですか?みたいな質問。

あともう1点、私が個人的に気になったのが掃除の部分で、どちらも水に弱いということで、水拭きができないというふうに書いてあったんですけれども、どれだけ注意して掃除したらいいのかなっていうのが。

砂壁に関していうと、一度固まれば多少は水には強いんですよね。ただ土壁は水で戻っちゃうんですよね。土の水が抜けて固まっているだけなんで、水をかけるとやっぱり柔らかくなるっていう欠点はありますね。そこで砂壁と土壁の違いがある。ただその代わりに土壁っていうのはやっぱり湿気も結構吸ってくれますね。砂壁は逆にボンドが入ってるんで、ちょっと呼吸を止めちゃう部分があるんで。やっぱり土壁に比べて調湿機能は砂壁は落ちるという。

そうなんですね。

キラキラなんですが、キラキラっていう土壁のキラキラっていうことは僕ら考えられないですけど、多分それはユーザーさんが繊維壁と砂壁を、土壁を、キラキラした土壁っていうのはちょっと考えづらいから、それは繊維壁ではないですかっていう、そういう回答かな。

はい。

砂壁よりも土壁のほうが吸放湿機能があるということで、稲熊さん、今でも砂壁施工することはありますかね。

ありますね。

どんなところですか。

新築の和室ですかね。要は畳のあるところ。

そうです。畳があって床の間もあったりする家が多いですかね。洋室で砂壁をやられることはありますか。あまりないですか。

基本砂壁っていうのはあまり選ばれることって少ないんですよね。ただ建築家さんによっては和室が一回ると砂壁っていうパターンで使うだけですかね。なのでほぼほぼ和室オンリーでうちは施工はやってますかね。

和室がないお宅もあるんでそういうときには砂壁は使わないわけですか。

使わない。そういうときは珪藻土になりますね。

珪藻土と砂壁の違いって何か教えていただけますか。

まず表情が全然違いますね。珪藻土は結構粒子の細かいものなんで、洋間にも結構、和室でも洋間でも合うんですけど、砂壁は粒子が目に見えてわかる粒がある。粒が一面に壁に引っ付いてるようなイメージなんで、やはり洋間には合わないような気がしますね。

砂壁イコール和室ということでよろしいですか。

そうですね。和風な作りなら良いですけど。

新築では和室の工務店さんが使われるということで。リフォームとかでやられるときに何かアドバイスがあればと思いますが、よく上から壁紙を貼るということがネットにありますが、それに関してはいかがですか。

今の壁にシーラーを塗っておいて、石膏で一回塗れば貼れないことはないと思うんですけど。確かクロスメーカーさんはあまり推奨はしてなかったと思うんですけど。そうやって工事を頼まれることはありますね。クロスを貼りたいのでなんとかしてくれる。

ニトリさんとかいろいろホームセンターで壁紙を売ってる。そのまま貼るっていうのは、もうこれはやめといたほうがいい。

そうですね。そのまま貼ると壁ごとめくれてくるような気もしますね。

なるほど。今言われたように石膏で固める。

シーラーを塗っておいてから石膏で固めるっていうイメージですかね。

その接着剤を塗ってからシーラーで固めて、その上に壁紙を貼る。

はい。

その他の方法は何かないですか。

その他ですか。僕らがやるときは、やっぱり既存の壁は一度落とす方が多いですかね。

今の壁、砂壁なんかを落として削り取って。

そうですね。で、下地を一度完全に作り直しちゃう形にすることが多いですけど、ただ結構落とすっていう作業も大変なんで、シーラーで固めたほうが個人の方がいいのかなっていう気がしますね。

はい。どうもありがとうございます。クロスを貼る場合はボードを貼るっていう方法は?

ありますね。

ボードを貼るんだったらDIYでできますから。

ビスがあると難しいかもしれないですね。

ああ、まあそういうときは大工さんとかリフォーム屋さんに頼んだほうが。

あと、どこにビスを利かすかっていう話も出てきちゃうと思うんですよ。相手が土壁だと。ビスを揉んでもビスが利かないと思うんで。

土壁とか砂壁にビス、釘を打ってもすぐ抜けてきちゃう。

ええ。

ですからボードを貼る場合は、リフォーム屋さんなり大工さんなりに任せたほうがいいと。

そうですね。

塗り替えはぜひ左官屋さんに頼んだほうがいいですね。

そうですね。

調湿性が、土壁がすごく優れているという話だったんですけど、珪藻土の方がより優れているみたいなネット情報があるんですよね。

そうですね。その上に、土壁っていうのは下地になってくるんで、またその上に何かを塗るってことに対して、当然相乗効果も出てきて、単体で見ると、珪藻土が一番いいんですよね。珪藻土にも下地がやっぱり必要になってくるんで。

珪藻土はDIYでするっていうのはちょっと難しい?

いや、全然できますね。多分今ホームセンターでDIY用の材料っていうと、珪藻土がおそらく一番多いと思うんですよね。なので個人の方でも結構塗られる方は多いですね。

ありがとうございます。

やっぱり土壁珪藻土が調湿機能としては最強ですよっていうアドバイスですね。

そうですね。

ありがとうございます。それと、土壁も含めて教えていただくだけなんですが、砂壁と珪藻土のメリット、その次にデメリットで教えてください。どうぞ。

まず砂壁のメリットとすると、表面強度が高くて傷がつきにくい。まずそれが一番なのと、デメリットとすると意匠性があまり幅がないんですよね。珪藻土みたいにコテで柄をつけたりっていうことはできないんですよ。砂壁っていうともう本当につるっと仕上げて終わりっていう仕上げ方なんですよね。なのでそういうちょっとメリット、デメリットはありますかね。土壁に関して言うと、下地材なんであれですけど、ただ仕上げとしてもこだわりの産地の土を使って、細かい刻んだような藁を使って、聚楽壁のように仕上げることもありますね。やっぱり天然の、本当に余分なものが入ってないものなんで、当然健康にもいいし、調湿性能もいいですね。デメリットとすると先ほど言われたように、水まわりとかに使うと湿気とかでカビが生えたりとか、そういうデメリットは土壁はありますね。

あと一つ付け加えると、コンセントまわりなんかだと、土壁使うと意外と触るあたりがどんどん削れて落ちてくるんですよね。あと掃除機が当たる部分とか、毎日掃除機かけると意外と掃除機が当たってボロボロになってきちゃう。廊下の床がちょっと上あたりですね。そういうデメリットもありますね、土壁は。

そういうふうに掃除機が当たったりとか、足が当たったりスリッパが当たったりするところは、土壁は使わないほうがいいんですよという話ですね。

そうですね。何か対応はしないとちょっと見苦しくなるような気がしますね。

先ほど、強度のところでかなり耐久性が高いというお話だったんですけども、漆喰とかと比べても強度が高くてメンテナンスフリーだと捉えていいでしょうか。あとクラックが入ったりとかっていうのはあんまりないでしょうか。いかがですか。

強度に関して言うと、表面が本当に骨材なんで、ちょっと爪でやっても骨材自体が取れる可能性はあるんですけど、壁自体は結構硬いです。漆喰よりも硬い。リフォームでめくるっていうのが意外と大変になりますね。あともう一つ、クラックに関して言うと、当然下地を作るときにきちっとクラック対策っていうのはするんで、直しっていうことは出たことないですね。

割れづらいということですね。

そうですね。逆に土壁のほうが出やすいですかね。

わかりました。ありがとうございます。

漆喰よりも硬いっていうことですか。

硬いですね。

珪藻土よりも硬い。

じゃあ砂壁が一番硬いってことですね。

漆喰と珪藻土がたぶん同じぐらいの強度だと思うんですけど、砂壁がおそらく一番硬いような気がしますね。結局砂の骨材だけなんで、結局ボンドとか樹脂で結構固めるんですよね。なんでたぶんそういう強度は持たせてあると思いますね。

強度はある。クラックが起こりづらいということですね。

そうですね。

先ほど意匠性ということをおっしゃっていたのに、壁の中で、種類の中で意匠性があるもので調べると、漆喰壁が1位に出たんですけど、珪藻土の壁とかも漆喰に似たような塗り方とかができたり?

できますね。

意匠性で言ったら、そういう漆喰とか珪藻土の方が…

意匠性で言うと、おそらく漆喰が一番あるような気がしますね。漆喰も珪藻土もこのコテで柄をつけるということは可能なんですよ。ただ、お城みたいにつるっと仕上げるっていうのは漆喰の方ができるんですよね。珪藻土はそこまで抑え込んでっていうことはできないんですよ。なのでおそらく意匠性からすると漆喰が一番幅があると思いますね。

専門用語で言うと磨きってことですね。表面がつるっと表面仕上げもする。そういう意匠も、あとコテの村の意匠もできるのが漆喰で、漆喰の方が意匠を表現しようと思った漆喰がいいです。一番砂壁とか土壁とか、あとは聚楽、いろんな左官の塗り物の中で、漆喰が一番意匠性が表現しやすい、幅が広い。

どうもありがとうございます。
この項のまとめ
・砂壁工事の基本構造
砂壁は基本的に「仕上げ材」として使用され、土壁を下地とした上に塗られるケースが一般的。下地と仕上げの役割を明確に分けることで施工精度を保つ。
・砂壁と土壁の見分け方
砂壁は均一な粒子で硬く、藁が含まれていないのが特徴。一方、土壁は泥に近い風合いで藁を含み、触るとやわらかく水に弱い性質がある。
・DIYとリフォーム時の注意点
既存壁を一度落とすのが理想だが、DIYの場合はシーラーと石膏などで下地を固めるのが現実的。そのままクロスを貼るのは不安定で非推奨。
・砂壁・土壁・珪藻土のメリットとデメリット
砂壁は硬く耐久性に優れるが、意匠性に乏しい。土壁は調湿性が高く自然素材だが、衝撃に弱く掃除や水回りには不向き。珪藻土は意匠性と調湿性を兼ね備えるが、強度はやや劣る。
・用途に応じた素材選びのポイント
和室には砂壁、洋室には珪藻土がマッチ。意匠性重視なら漆喰が最適。施工場所や住環境に応じて素材を選定し、プロによる施工で耐久性と美観を両立させるのが理想。

株式会社イナマサ業務店 代表取締役
対応エリア:名古屋市など愛知県内全域、その他(岐阜、三重、静岡など一部)
対応できる工事:内装工事、外壁工事、漆喰、珪藻土、タイル、洗い出し、かき落とし
お薦めのデザイン:コンクリート系, フラット系, スタッコ系
備考:毎朝6時半に職人を見送ってから現場に向かいます。休日は家族で買い物するのが楽しみです。
プロフィール
愛知県名古屋市天白区出身、丑(うし)年、おひつじ座
【好きなもの】手羽先、ビール、モルタル仕事、ドライブ、釣り、温泉、DIY
【苦手なもの】納豆、スポーツ、SNS、初対面なのに馴れ馴れしい人、コミニケーションの取れない人
【マイブーム】ルアーフィシング


生田さん砂壁ってどんな壁でしょうか。

砂壁、砂といっても、そこら辺に落ちてる砂という感じではなくて、ふるいにかけられて、粒が一定の大きさに分けられてて、なおかつ色もついてて、糊で固めて塗る材料という感じです。

砂壁なのか、樹脂なのか、土壁なのか、繊維壁なのかって、お客さんなかなかわからないんですけど、どういうふうに見分けられます?

見分け方ですか。繊維壁ですと、言葉のとおり繊維、綿みたいな感じですね。じゅらく壁っていうと、ふんわりというかちょっと柔らかめの、手触りもちょっと柔らかめですね。砂壁は一番、かっちりと表面が硬いです。見分け方としては見た目と手触りです。

砂壁と土壁の違いって何でしょう。

砂壁と土壁の違いですか。砂壁は石膏ボードの上からでも仕上げ材として塗ることが可能です。土壁はどちらかというと、前段階というか、そもそも石膏ボードを用いてない、小舞。昔は、荒壁、小舞。竹を編んだものに塗るのを土壁って表現してるのかなと思います。

小舞というのは竹を十文字に組んで紐で結んだような感じですか。

そうですね。壁にこう……。そこに塗りつけている壁を土壁と表現しているのかなと思います。それが乾いてきたら、さらに中塗りという工程でまた土壁を塗ります。仕上げで砂壁であったりじゅらく壁であったり、漆喰を塗るので、主に下地ですよね。

土壁は下地で砂壁は仕上げ材という区別。

ただやっぱり近年各社メーカーからは土壁の仕上げ材もちらほら出てるように思われますね。

内装も外装もですか。

内装も外装も。

土壁のメリット・デメリットを教えていただけますか。

そうですね。土壁のメリット・デメリット。やっぱり日本の風土にあったというか、昔からある素材で。やっぱりずっとそれが採用されてきたので、風土には合っているのかなとは思うんですけど。じゃあなんで最近土壁を塗る家が少なくなってきたんだと言われると、やっぱりコストと時間がかかることも多いんですかね。やっぱり施工をやって、職人さんの手でやって、手間と時間が掛かる。

なるほど。メリットっていうのは日本の気候に合ってるっていうことで、調湿性とか防音とかはどうなんですかね。

僕の経験、体験で言うと、夏場でも涼しいって言われる方がちょこちょこ居ますね。冬は逆にあったかいと言われる方が多いので、その熱から、夏は涼しくて、要はエアコンの効きが悪いとかそういうところにも。年配のお客さんは言われる方いますね。

今、新築で土壁をやられるところが、天然素材って言われてますが、土壁って天然素材なんですかね。

そうですね。土と藁と水と。

土と藁と水と。

そうですね。天然素材ですよね、まさに。腐れば腐って匂いが出てきたぐらいの土が一番調子がいいっていうのは聞いたことがあります。藁が発酵されて土が腐ってきてちょっと色が黒ずんでくるっていうんですかね。ぐらいの土が一番いいぞっていうのは、先輩だったり師匠だったりには教えてもらったことがありますけど。

土壁の中に藁が入ってるから藁が腐って匂いがするわけですか。

そうですね。そうすると強度が上がるみたいです。

でもそれ乾けば匂いはなくなるんですよね。

乾けば匂いはもちろんなくなります。

それじゃあ土壁を塗ってから土壁が乾くまでの間に結構匂いがするわけですね。

まあそうですね。乾ききるまでは。

なるほど。

でも昔のお家っていうのはそれも含めて新築でも期間が長かったのかなとは。なんで逆に嫌われちゃうのかなという現代では早く安くが求められる。

やっぱり工期がかかるわけですね。なんでそれがやっぱりデメリットでしょうか。土壁の日数がかかる工期がかかるってのはデメリット。土壁を自分でリフォームしたりとかDIYするってことはできます?

自分でリフォーム、DIYって言うとちょっと難しいんですかね。下地の部分になってくるので。あと少量、その土をどうやって仕入れてくるかっていうのが一番のDIYになる。土の仕入れ先と下地だから土の仕入れ先がないっていうことと、下地であれば表面を剥がさなくちゃいけないとか、工程的にいろんなことを気にしなければいけない。工程で3、4工程を気にしなければいけないから、リフォームを自分で簡単にするっていうのはちょっと難しいよということ。

ですよね。

土壁風というか、今メーカーさんから出てる仕上げ材料でやるっていう分には全然可能かなとは思うんですけど、今僕が言ってた荒壁、一番初っ端のごっつい土壁をリフォームっていうのは、あまりDIYっていうのはちょっとピンとこないです。

一番下地になるのは荒壁、それから中塗り、それから仕上げ、3工程のある。

そうですね。

今言われたように土壁風の仕上げ材っていうものがあるということですけど、そのもの最近出てきたんですね。

そうですね。逆にそのニーズとしては仕上げでもこの土壁の質感を残したいということじゃないですかね。

土壁の質感ってどんな質感でしょう?

砂壁とかと違って、荒々しいというか。いい意味で、漆喰などとは真反対で、つるっとしてなくて。

デコボコしてるとか。

デコボコして、陰影があって。

漆喰みたいにつるっとして割れないんじゃなくて、表面に亀裂とか、そういうものも味になるわけですか。

そうですね。それがもう味というか、土の質感ですよね。そのひび割れだったり、このキョコンと出てる藁っぽいものだったり。それが土壁ですね。

ほかに何か補足で聞きたいこととか説明とかあればお願いします。

そうですね。さっき言ってた荒壁っていうんですかね。昔ながらの土壁。もう本当に多分今やる人がいないと思うんで、もし昔みたいにああいう壁でやりたいって言っても、やってくれる人を探すのが大変なんじゃないかなっていう。

大工さんからですよね。あの工法、もし荒壁からやってくださいって言ったらやります?

そうですね。そこは相談ですね。やっぱり人数がいりますよね。ちょっと皆さん見たことあるかわかんないですけど、下から槍みたいなので泥をすくって2階まで飛ばすんですよね。昔そういう風にやっていた。

それを空中で固定板で受けて塗っていくんですけど、なのでやっぱりチームプレーというか、ある程度の指導も必要になってきます。

田舎の農家の納屋とか土間みたいなところの壁っていうイメージがあるんですけど、実際はその土壁のまま土壁が露出してるような物件っていうのはあんまりないんでしょうか?土壁だと思っても何らかの別の仕上げの処理が塗られてることが殆どなんでしょうか。どうでしょうか?

そうですね。まさにズバリで、納屋みたいなとこは、荒壁で終わっちゃってるっていうとこもありますね。中塗りで終わってるとこはちょこちょこ今でも見ます、たまに。

土壁かわからないんだけど、仕上げを塗ってあるのかよくわからないんだけど見てくれって言って見に行くと、中塗りの段階で昔は終わらせてることも多かったみたいですね。中塗りで何ヶ月かほっとくのが昔はあったみたいで、そのまま中塗り状態で終わってて、結構黒ずんじゃってるっていうとこはありますね。

中塗りっていうのはもっと表面がツルツルツルと、砂壁に近いように綺麗?

そうですね。それで終わってるとこもあるぐらいなんで、中塗り仕舞いしてあるとこもありますね、リフォームに行くと。なので好きな仕上げ材を選んでもらって、僕らが灰汁止めをしっかり、ただ灰汁止めをきちんとしないと、とんでもなく灰汁が出てくるので、中塗りから。

叩いたりとかすると分かるんですか?見た目以外で。分かる要素はありますか?

叩いた程度じゃ分からないような気がしますね。

触っては分からん。叩いてはちょっと分からんような。

硬さはどうですか?

硬さ。うーん。硬さ。硬さも難しいのかな。今の仕上げ材でも出てきてるっていう話もあると思うので、見た目ではなかなか判別が難しいですね。荒壁からやってるかどうかっていうのは。

なるほど。藁がたくさん出てるのが荒壁ですね。

そうですね。それこそこの間の物件で、荒壁風に仕上げてきたことがありました。

それは、結局使ってるのはジョリパッドなので、普通の人が見たら荒壁に見えるみたいな感じだったので。

ジョリパットにスサを混ぜて荒壁風に!

あれはいい経験でした。面白かったです。

ありがとうございます。
この項のまとめ
・砂壁の定義と特徴
ふるい分けされた均一な砂粒や鉱物に色をつけ、糊(現在は主に樹脂)で固めて塗る仕上げ材。表面は硬く、見た目も触り心地もカッチリしている。
・土壁は「下地」、砂壁は「仕上げ」
伝統的な家屋では、小舞(竹組)に塗る荒壁→中塗り→砂壁や漆喰の仕上げという三層構造。土壁は調湿性・断熱性に優れるが、工期や手間がかかる。
・土壁のDIYは難しいが、風合いの再現は可能
本格的な荒壁はDIYに不向きだが、ジョリパットなど現代の塗材に藁(スサ)を混ぜて「荒壁風」の仕上げにすることは可能。見た目は似せられる。
・京壁=じゅらく壁の一種で和室向き
京壁は商品名や呼称の違いで、じゅらく壁とほぼ同じ和風仕上げ材。見た目の美しさと調湿性に優れるが、経年劣化による剥がれが出やすいのがデメリット。
・リフォーム時の注意点と費用感
古壁は基本的に剥がすべきで、下地や灰汁止め処理を適切に行うことが重要。6畳程度の和室で20万円前後、施工期間は5〜7日が一般的な目安。

対応エリア:碧南市、高浜市など西三河地域他愛知県内全域
対応できる工事:漆喰、珪藻土、レンガ工事、タイル工事、ブロック工事、土間打ち、一般左官工事
お薦めのデザイン:オレンジピール系、ウェーブ系、コンクリート系、フラット系
備考:高校卒業後自動車部品工場勤務や飲食店勤務、トラック運転手など紆余曲折を経て25歳で父親の経営する生田左官に入社。(2010年)
色々な経験を糧に職人としての技術だけでなく一人一人に寄り添う工事を心掛けています。
<プロフィール>
愛知県碧南市出身、丑(うし)年、ふたご座
【好きなもの】ラーメン、コカ・コーラ、アメカジ衣料全般、漫画:トークサバイバー(Netflix)、経年変化で輝くアイテム(デニムや革製品)、家族の笑顔
【苦手なもの】意味もなく高圧的な人、費用効果の薄いもの(自分の中で)、予期せぬ悪天候、爬虫類、スープのぬるい麺料理
【マイブーム】オープンカーで愛犬や娘とのドライブ

砂壁・京壁の違いと現代リフォームでの活用法

砂壁、京壁でお話をいただきたいと思います。内装左官で砂壁、京壁と言われると間宮さんどんな物件とか材料を思い出されますか?

あのまあ僕が砂壁ってイメージするのはあの本当に小さい砂の粒をあのなんていうのかな糊というか樹脂みたいなので固めてそれを塗るっていう、そんなイメージ。砂壁って言うと僕はそんなイメージですかね。

砂壁はどんなところに使われるんですかね

基本和室、今だったら和室だと思うんですけど、昔だったらそれこそ廊下に塗ってあったりとか玄関に塗ってあったりとか、玄関それから和室もそうですし、本当にいろんなところに塗ってあるっていうイメージですかね。今だったら今もしやるんだったら、もう本当に和室に限られると思います。

昔ってどれぐらい前ですか。

どうだろう、もう例えばもう築年数で言うと40年50年ぐらいの建物ですかね。

具体的には昭和40年代50年代の建物ですか。

そうですね。

あの皆さん砂壁はどうにかしたいとか、そういうご相談を受けられたことがある。

やっぱり一番あのどうにかしたいというのは、多分古くなってきてボロボロ落ちてくるって言う、どうにかしたいって皆さん言います。多分そこだと思うんですね

補修する時とかリフォーム、DIYをする時の何かアドバイスがあれば教えてください。

やっぱり剥がれたところ、その部分的に補修するっていうのは難しいと思うので、例えばリフォームするんだったら古い壁を剥がして、新しいものに塗り替える。そういうやり方ですかね。

なるほどね、ありがとうございます。あのキラキラした古い壁があるんですけど、それは砂壁ですか?

それは繊維壁だと思うんですけど、お客さんは多分、砂壁、繊維壁とかそういう区別なんて全くしてないと思うので、ボロボロ落ちる落ちてくる、ザラザラしてるっていうのが、そのひっくるめて砂壁っていうのは、お客さんはイメージされていると思うけど。

砂壁とよく似たので京壁というのがあるんですが、京壁に関してお話し頂けますか。何かメリットとか、知ってることがあれば教えてください。

そうですね、京壁っていうのは富士川建材工業の商品名、じゅらく壁 みたいなものですね

じゅらく壁の富士川建材工業の商品があるんですね。

京都風の壁って事でしょうか?

和風イコールなんか京風みたいな、そんなイメージからつけたのかな?

昔は塗り壁にアスベストが入ってた?京壁はどうなんですかね?

どうだろうか?

聞いたことはないですね、ネットの情報なのかな?エビデンスがあるのか微妙だな。

分かりました、京壁と聚楽壁は同じもの、名称が違うだけですね。

そうですね、そういう呼び方だけですね

塗り替えて、壁紙クロスにしたり、京壁が古くなって、古壁の剥がす時にアドバイスがあればお願いします。

そうですね、まず塗り替えっていうことに関して言えば、僕らがお勧めするのはの上から単純に塗るだけじゃなくて、古い壁を剥がしてホームセンターで壁剥がし剤みたいなのが売ってるので、剥がすのはDIYでもできると思いますし、一度古い壁を剥がした上で、新しく塗り替えるのをお勧めします

京壁の塗り替えはやっぱり剥がす方が良さそう。

そうですね、はい。

どうもありがとうございます。剥がして京壁を剥がしてまた京壁にする人も見えるし、今であれば京壁を剥がして次に何を塗るのがよろしいですか?

そうですね、じゅらく壁、まあ仮にじゅらく壁が塗ってあるとして、それを塗り替えたいということであれば、同じじゅらくを塗ることも選択肢の一つですし、剥がして下地処理剤、専用の下地剤なんかがあるんで、それを塗った上で、例えば漆喰塗ることも可能だし、珪藻土を塗ることも可能だし、まあそこらへんは好みでお好きなものを選んでいただけるのかなと思います。

砂壁、京壁のメリット、デメリットを教えていただけますか?

やっぱりメリットはやっぱり本当に和風の感じの落ち着いた雰囲気になるので、落ち着いた感じの壁にしたいというのであれば、こういうじゅらく壁だったり、砂壁だったりというものは、お勧めできるかなと思います。デメリットとしてはやっぱり年数が経つとちょっと弱くなってきたりする、ちょっとボロボロと落ちてくることがあるので、まあそこはデメリットかなぁというふうに思います。

やっぱりボロボロ剥がれてくる時が、塗り替えのタイミングですか?

そうですね、はい。

ありがとうございます

ちなみにカビとかって砂壁や京壁って発生するでしょうか?

やっぱり湿気が多いところ、水回りだとかそういうところに塗った場合は、やっぱり発生することはあると思います。

分かりました

ちなみに、京壁樹脂入りのは、場所によっては新京壁と呼ぶらしいです。

京壁をクロスにっていう場合、これは基本的に砂壁にしてもじゅらく壁にしても同じだと思うんですけど、塗ってあるものを剥がしたとしても、その上にクロスを貼るっていうのはちょっと不可能なので、もし変えたいっていう場合には今塗ってある壁の上にベニヤ板みたいなのを貼ってクロスをやるっていうやり方がいい、方法としては、それしか思い浮かばない。

例えば6畳のところの京壁を剥がして、古壁を剥がして、新しく漆喰や珪藻土を塗るときに、どれぐらいの費用がかかりますか?

まあざっくり、僕の経験というか、だいたいどうだろう?まるっと一部屋和室を塗り替えだとして、20万前後かなあ。

日数はどれだけかかりますか?

日数はどうだろう?5日から1週間あればできると思います。

予算20万で5日から1週間で、和室の一室が新しい壁に変わるよということですね。

はい

どうもありがとうございます
この項のまとめ
・砂壁と京壁の違いと共通点
砂壁は細かい砂や鉱物を糊で固めた塗り壁で、京壁は「じゅらく壁」などのブランド名を含む和風塗り壁の総称。用途や構造は類似しており、主に和室に使われる。
・昭和期の代表的な仕上げ材
昭和40〜50年代の住宅では、和室・玄関・廊下などに砂壁・京壁が多用され、現在は老朽化による剥がれがリフォームのきっかけとなっている。
・塗り替え・クロス張替え時の注意点
古い壁は必ず剥がしてから新しい素材を施工するのが基本。上塗りは剥離の原因になるためNG。クロス仕上げの場合はベニヤなどの下地を新設する必要がある。
・メリット・デメリット
和風の落ち着いた雰囲気が出せるのが魅力。一方で、経年劣化でボロボロと崩れる、湿気の多い場所ではカビが発生しやすいという弱点も。
・施工費用と期間の目安
6畳の和室で京壁や砂壁を剥がし、漆喰や珪藻土に仕上げる場合、費用は約20万円、日数は5日〜1週間程度が目安。プロによる施工で安心・確実な仕上がりが期待できる。

合同会社 伊良湖屋 代表
対応エリア:高浜市、碧南市、半田市、西尾市など愛知県内全域、その他(岐阜、三重など一部)
対応できる工事:漆喰、珪藻土、モルタル外壁、内装工事、外構工事、屋根工事
お薦めのデザイン:コンクリート系, スタッコ系などシンプルなデザイン。
備考:某自動車ディーラーの営業職を経て、2000年に株式会社川幸に入社。以降は新築、リフォーム、補修などの内外装工事に携わり2020年に独立。左官だけでなく屋根など住宅工事全般の多岐に渡る業種に精通する。週末、子供を連れて近所に釣りに行くのが趣味。
プロフィール:
愛知県高浜市、子(ね)年、さそり座
【好きなもの】カニ、ハイボール、釣り、野球観戦、かわぐちかいじの漫画、魚捌き系youtube動画、地元の祭りに参加すること
【苦手なもの】脂ののった刺身、酢豚のパイナップル、ラッキョウ、猫、筆ペン
【マイブーム】土曜日の夜にラーメンを食べに行く
この記事のまとめ
如何でしょうか?
一口に「砂壁」と言っても、じゅらく壁や繊維壁など、意外と種類があるんです。見た目だけで判断してDIYに挑戦すると、かえって手間が増えることも…。
壁の“正体”を知ることが、和室リフォーム成功の第一歩かもしれませんね。
今回は左官のプロの視点を交えて、昔ながらの壁材の違いや、現代リフォームのコツをギュッと詰め込みました。
空き家リノベや和室のリフレッシュを考えている方の、参考になればうれしいです!