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左官鏝のイメージ

;こて
左官道具のひとつで建物の壁や床などに モルタル 、 セメント 、 漆喰 などを塗る時に使うもの。元々は木材に柄を付けた 木鏝 がはじまりとされている。

材料をすくい取り、平滑に塗り広げたり、模様を付けたりするための金属製または木製の板状工具です。

一般的なものは平たい鋼の板に持ち手を付けたもので、材質、形、大きさなど用途によって使い分けている。材質には 鉄 、 ステンレス 、 プラスチック 、 木 、 ゴム などがあり種類はおよそ350種ある。

鏝は、左官工事に欠かせない基本道具で、用途に応じて形や材質が異なります。一般的な「丸鏝」や「角鏝」のほか、角部を仕上げる「切付鏝」、細部用の「目地鏝」、曲面用の「面付鏝」など多くの種類があります。素材はステンレスや鋼が主流で、仕上げの種類(平滑仕上げ・模様仕上げなど)によって選択されます。鏝さばきの巧拙は、左官職人の技術を象徴する重要な要素とされています。

同音異義語で①和裁で使う焼きごて、②調髪用具のヘアアイロン、③はんだづけの道具、がある。

使いどころ/目的

  • 内装
  • 外装
    • モルタル外壁の塗り付け、面出し、仕上げ
    • クラック補修の充填・押さえ
  • 下地条件
    • ラス網下地では材料を押し込む塗り方に対応
    • ALCパネルなどは取り合い・目地まわりで小回りの利く鏝が必要
  • 設計・診断・維持管理
    • 鏝の選択と使い分けは、鏝ムラ・クラック・目地の精度に直結する

〈混同・誤用に注意〉

  • 「ヘラ」は薄く削る・こそぐ用途が多く、鏝は塗り付け・押さえが主用途。
  • コテ板」は材料を載せる台で、鏝そのものではない。

似ている用語

  • 鏝とヘラ:鏝は塗る/押さえる、ヘラはこそぐ/埋めるなど局所処理が中心。
  • 鏝とコテ板:鏝は作業工具、コテ板は材料を手元に持つ板。
  • 鏝と定木:鏝は面を作る、定木は通りや角の基準を作る。
  • 鏝とトロウェル:トロウェルは床面を機械で押さえる道具(呼び方・用途が異なる)。

施工上の注意点・よくあるミス

  • 下地・含水
    • 下地の吸い込みが強いと鏝が引っかかり、鏝ムラが出やすい。吸水調整材やプライマーの扱いは採用品の仕様を優先する。
    • 不陸が大きい下地を鏝だけで直そうとすると、局所的な薄塗りになりクラックの起点になりやすい。
  • 温湿度・養生
    • 乾燥が速い環境では、鏝返しのタイミングがシビアになり、押さえムラが出やすい。
    • 仕上げ直後に触れると角が丸くなり、取り合いが崩れる。
  • 材料選定
    • 材料の粒度や粘りに対して鏝の面・材質が合わないと、引きずり跡や砂目の荒れが残る。
    • 同じ鏝でも、仕上げ鏝中塗り鏝・ならし鏝など目的に合わせて使い分ける。
  • 目地取り合い
    • 見切り材や誘発目地のラインを先に決めないと、鏝でつぶしてラインが崩れやすい。
    • 出隅は角鏝、目地は目地鏝など、専用鏝を併用しないと精度が出にくい。
  • 雨仕舞い(外装の場合)
    • 水切りやサッシ下の勾配を鏝で殺すと、雨だれ・汚れ筋の原因になる。

関連する用語

左官道具の基本|鏝の種類と使い分け
中塗り鏝/仕上げ鏝/ならし鏝/角鏝/目地鏝/ゴム鏝/コテ板/ヘラ/定木/鏝ムラ

この用語も併せてご覧ください