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2025年義務化?外断熱の常識 アイカパッシブウォールのメリットデメリットを解説

アイカ パッシブウォールの施工事例

パッシブウォールとは?エネルギー効率を高める壁構造

今回は、外張り断熱の工法として注目されているパッシブウォールについて今回はゲスト講師を招いてその性能や開発秘話についてインタビューをしました。詳細はインタビュー内容を購読頂くとして、まずは、簡単にパッシブウォールについて以下に整理をしてみました。

・パッシブウォールの基本概念
  外部環境に頼らず室内の快適性を保つため、高断熱・高気密を目指した壁構造を指します。

・断熱性能の重要性
  熱の出入りを最小限に抑え、冷暖房エネルギー消費を削減できる点がパッシブウォールの特長です。

・使用される主な素材
  高性能断熱材、気密シート、通気層などが用いられ、壁全体で熱移動をコントロールします。

・設計時のポイント
  断熱層の厚み、結露防止のための湿度管理、施工時の精密な気密処理が成功のカギとなります。

・パッシブウォールのメリット
  快適な室内環境、省エネ効果、建物の長寿命化など、多くの恩恵が期待できます。

企業紹介

アイカ工業株式会社は、1936年創業の愛知県名古屋市に本社を置く建材・化成品メーカー。​主力製品はメラミン化粧板で、国内シェアNo.1を誇り、住宅や商業施設、医療機関など多様な空間に採用されている。​左官材分野では、意匠性と耐久性を兼ね備えた塗り壁材「ジョリパット」シリーズを展開し、外装・内装仕上げに広く利用されています。​同社は「化学とデザインの融合」を掲げ、機能性と美観を両立した製品開発を行っている 。​

アイカ工業 川崎氏

ゲスト講師紹介

川﨑正統氏(アイカ工業株式会社 名古屋支店)
大学卒業後、アイカ工業に入社。東京支店で4年間ジョリパッドを主に営業活動し 名古屋支店に転勤。現在はジョリパッドに加え、FRP防水 、工場の塗り床材、下水道、上水道の処理施設に 使われるような建設樹脂。 建設現場で使用される樹脂関係を扱っている部署 で営業を担当。 ゼネコン、ハウスメーカー、 デベロッパーをはじめ 住宅系のお客様も担当。 名古屋では私生活も楽しく仲良く 皆さんと働かせてもらってます。
趣味:スノーボード

パッシブウォール誕生の背景

神谷: YouTube動画を見させていただいて、アメリカ、カナダとか北米とか、ヨーロッパのいいとこ取りをしたシステムを国産で開発されたということで、そんなYouTube動画を見させていただきまして、開発当時の何か苦労話とかそういうものがあればお願いできますか。

川崎: 実はですね、この工法は野原産業エンジニアリングさんという会社様、野原グループさんが持っていまして、その工法の指定仕上げ材としてジョリパットっていうのが入っていたんですね。その中であの、本当に余談ですが、ちょっと後でもお話しさせてもらうんですけど、ここ数年でかなり注目が上がってきている分野になるんですが、ちょっと前に野原産業エンジニアリングさん自体が人手の問題もあったりとか。

川崎: そんな感じで野原産業エンジニアリングさん自体からアイカ工業に譲渡したいというお話をいただきまして、それでパッシブウォールをそのまま受け継ぎまして、アイカ工業が営業をしていく中で、東京のエリアとかは野原産業エンジニアリングさんが施工会社として僕らやっていきますけど、アイカさんこの方をちょっとやってくださいっていう形で生まれたようなものになります。アイカ工業としてはちょっと名前がまた変わってるんですけど、昔から外断熱自体はやっていったんですけど、今でやっぱり需要がなくて本当に北海道とかそっちの方向、東北とかでちょろちょろっとあった程度が、最近ものすごくお引き合いも増えて、実際に名古屋でやっているような現状になってきてますね。

神谷: あのやっぱりパッシブウォール、その工法の仕上げ材はジョリパッドでやられることが多いんですよね?多いというか、まあジョリパッドでやるんですよね?

川崎: やるものが一応パッシブウォールにはなるんですけど、実情からお話ししちゃうとですね、仕上げ材はこれがいいとかっていうので、例えばグラナダさんとかでちょっと見積もりをお願いしますって言われちゃうこともちょっとあります。どうしてもデザイナーの要望次第ですね。まあ断熱材だけでも使ってくださいみたいなときは多少ありますけど、基本的にやっぱり設計スペックが多いので、ジョリパッド込みで言うところがかなり多くございます。

神谷: あのジョリパッドの施工店さんといろいろ共同開発をされたともお聞きしておりますが、あのジョリパッドのまあ施工店さんは職人さんですね、結構言いたい方では言うんじゃないですか?

川崎: あのでも正直言っていただかないと僕らの技術も含めなんですけど、職人さんの方がよくご存知だったりするってすごい勉強になることが多くて、弊社のジョリパッド施工店会さんという形でブロック会とか開催をしている中で、名古屋エリアはですねすごく活発なご意見をいただいて、技術も勉強になるっていうぐらい。僕東京にいたんですけど、東京の時は結構皆さん沈黙が多くてですね、結構あんまりガチバチとまでは行かないですけど、名古屋ほど活発な話し合いが正直できなかったところがあったので、名古屋に来てすっごいいいなと思いましたね。逆に言ってくれる方がすごい勉強になるし具体的な話にはなりますね。

神谷: 名古屋と東京でそんなに差があるんですね。具体的なことがあれば教えていただければ。

川崎: あのですね、東京だとやっぱり皆さんの前でちょっと塗ってみてくださいって言ったり、あとは現場で実際どうだっていう内容が自分たちのお仕事のスキルだから周りに渡したくないとなかなか情報を共有してもらえないところとかっていうのが実際あったりしました。名古屋はそういうところが少なかった。

川崎: そうですね、どちらかというとまあこういう市場を活性化していこうよっていう話をしていただけるような会社様が多く、すごい僕らとしては助かるというところはございます。

神谷: どうもありがとう。名古屋と東京の差も聞かせていただいたので、それでは外断熱の歴史的背景も含めて、川崎さんからパッシブウォールのご説明をいただきたいなと思います。

外断熱の市場動向とメリット、パッシブウォールの特徴と課題

川崎: はい。まずはですね外断熱工法のご提案資料という形でご用意させていただいて、他にも何点か資料を含めてちょっとお話ができればと思うんですけど、まずはじめにですね外断熱の市場性だったりとかメリット、デメリット、うちのパッシブウォールのデメリットだったりとかいうところを含めてご説明をさせていただきます。

外断熱の市場としまして老朽化物件の増加による改修案件というのはすごく多くなってきてまして、国交省の資料とかでもですね予測資料でも築30年以上の分譲集合住宅だったりとか、2020年で213万、20年後の2040年だったら約2倍の380万戸っていうところで増加すると言われております。その中でパッシブウォールっていうのは外張り断熱で既存の塗膜の上に断熱材を貼り付けてしまってっていう方法になるので、中に住んだままというところで病院で患者さんが移動できない中、改修ができたりとか、マンションから住民が退去せずにそのまま工事を進められるっていうような方法になっております。

神谷: 入居したままということですよね?それはすごいですね。

川崎: はい、できます。水性の材料しか使わないので基本的に騒音もそんなに厳しくないですし、穴を開けたりするものでもないので音もなく、入居したまま、施工しているケースもございます。

結構やっぱり日本だけじゃないですが、SDGsっていうところでやっぱり企業努力というところで見られるところがございますので、SDGsを踏まえた省エネだったりCO2削減の建物のニーズっていうのが日本は特にですね、まだまだ高まっております。その中で住居者さんが暮らしやすい建物のニーズが上がってきたっていうところで、国もですね自治体含めてですね断熱の助成金を予算として取ってたりとか。今回もですね、あの受注にはちょっとつながらなかったんですけど、断熱のシステムを売ってる会社さんが社屋が断熱じゃないのっていうので弊社の断熱材を検討いただいて、国から補助金を申請してたりとかですね、ものがございます。

断熱のメリットとしましては、建物の保護と長寿命化と省エネルギーですね。あとは室内環境の向上、あとは今お話ししました改修が容易っていうところがメリットとなっております。建物の長寿命化としてやっぱりコンクリートが熱だったりですね、外気の気温の変化だったり紫外線、雨風、いろんな要因で劣化やひび割れ起こりやすいものが断熱材を貼ることによって温度変化がかなり低減されてですね、建物の躯体を守ってあげる効果がすごく大きいと言われております。

実際にですねあのひび割れの鉄筋の腐食だったりとかっていうところで、内断熱とか無断熱、断熱してないような建物っていうのはコンクリートの中性化寿命が約60年と言われているのが、外断熱工事をすると145年まで伸びると言われ、研究と報告されているようなものだと思っております。

室内温度が外気と隔てられているというところで、外気温に蓄熱して同調してしまうので外気温に影響されやすい内断熱と比べて、外断熱は外気温に影響されにくいというところで蓄熱同調するので、内断熱より外断熱の方が効果が高いんじゃないかと言われております。実際のところまだなかなか立証が難しくて、実際に東京のデベロッパーさんにご協力いただいてマンションの何階かはちょっと詳しくは聞いてないんですけど、何階と何階で半分ずつ内断熱と外断熱で分けたときに外断熱としての方が効果は大きかったという検証結果も出ています。ただそれに対する費用の違いっていうところで、本当に外断熱じゃなきゃいけないのかっていうところはゼネコンさんだったり、デベロッパーさんたちの判断にはなるんですけど、外断熱の方が効果が高いという実証データも出ております。

神谷: 内断熱と外断熱の応用のことでお話しいただいたので、今までのところで費用面とか応用面、あとは内断熱と外断熱の比較が出ましたが何かご質問とかよろしいですか?

稲熊: 今出てたのがRCの建物が中心だと思うんですけど、これってRC以外だとどんなものに使えますかね?それがお話ししようと思っていたデメリットのお話になります。

神谷: それじゃあ続けてどうぞ。

川崎: 資料としてはないんですけど、おっしゃるようにRC造で今弊社は扱っておりまして、ALCと木造に関しては今研究開発中でございまして、秘密保持契約の観点からあんまりちょっとしゃべりすぎちゃいけないところがあるんですけど、ここがちょっと外断熱弊社のパッシブウォールのデメリットで、Sto とかを比べると、木造ができたりとかALC造がやってたりするんですけど、そこがまだちょっと対応が遅れているようなところがデメリットかなというところがあります。

稲熊: やっぱりクラックとかそういう問題ですかね?

川崎: あんまり大きな声で言っちゃいけないんですけど、ALCで外断熱の断熱材を貼ると断熱材以降のジョリパッドは割れないんですが、ALCのパネルが割れてしまうという検証結果が出ていて、ALCの方を固めすぎちゃうと、ALCっていうのが動きが動きづらくなって割れちゃうとかで、それが建物の構造としてどうなのっていう話になっちゃうので、弊社はちょっとまだ研究開発中という形でいろいろと試作をしているような感じです。

神谷: ありがとうございます。それでは続けていただいて。

川崎: はい、わかりました。実際にジョリパッドを仕上げ材としていく中で、一つとして施工体制が結構大事なところになってくると思うんですけど、断熱材を貼る電熱カッターと言われるようなものが1台に20~30万とかしてきて、正直断熱材の外張り断熱をやってないところがいきなり断熱材の工法を現場で取って施工できるかと言われると、かなり難しいところが正直ございます。

その中でですね、弊社の方でやっていただいている業者さんにご協力いただいたりとか、会社対会社のお付き合いになるので協議が必要になってくるんですけど、一回現場を経験していただいて実際にやってみて見てみてっていうところじゃないと、なかなか自分たちで工事を受けてっていうのが正直難しいかなというところはございます。

なぜかと言われると結構断熱材の役物回りとか結構見積もりも大変でして、役物一ついくらとかになってくるんですけど、ただ断熱材をバンバン貼っていけばいいというわけではなくて、燃え広がった時に発泡のものなので溶けてしまうので、バックラップと言われるようなメッシュを裏から回してあげるとか、そういうところがおろそかになってしまうと、断熱材がもし燃えた時に全部壁がバーッと落ちてきちゃうという可能性もあるので、施工管理だったり指導っていうところは、アイカ工業だけだとちょっと難しいとは正直思っていまして、いろんな職人さんにご協力いただきながら、市場がすごい活発になってきたので、いろんなところとタッグを組んでいければなと思っているような市場でございます。

ちょっと別資料になるんですが、簡単になんですけど国土交通省の資料になるんですが、市場がすごい伸びてきてますよというお話をさせていただいている中で、国土交通省のほうで建築物の省エネ法の改定とございまして、エネルギー消費量が3割占めるって言われる建築分野で省エネを対策しなさいよとか、木造をどんどん使いなさいよと言われるものが出てきております。

その中で外断熱にかなり影響してくるのが、もともと現行は大規模の住宅だったり中規模の住宅、これは届出義務っていうところで適合義務ではなかった形です。300平米基準未満の小規模ほとんどの住宅ですね、こちらも説明義務だけであって適合義務ではなかったものが、どんどん適合義務に改正されまして、いろんな自治体さんが外断熱とかって打ち出してるような看板を上げてきてるような状況でございます。なので引き合いもかなり増えてきているっていうところでございます。

実際にですね、ここが同じような形の話をしてるんですけど、適合義務化になったことによって、こういうようなですね1階の200平米以下の建築士が設計する場合でも、審査を省略とはなってますが、基本的には適合義務、中小工務店で体制をやりなさいよと、準備期間は確保しつつも2025年度もうですね、もうスタートしているというところ、あるいは、もうすぐスタートっていうところではございます。

これに伴ってですね、住宅の等級があるんですけど、住宅の等級区分も引き上げになっているので、内断熱だけだとその等級ZEH(ゼッチ)とかZEBって言われるんですけど、ゼロエネルギーハウス、ゼロエネルギービルディングって言われるようなもの、こういうものに対応できるように外断熱を検討したいっていう工務店さんがかなり増えてきているような傾向があり、引き合いも増えてきています。

川崎: 実際にですね、外断熱工法のカタログになるんですが、同じようなことが書いてあるのでちょっと省略としてもらうんですけど、施工手順というところで本当に概略というところにはなるんですけど、結構ですね躯体の不陸がプラスマイナス3ミリ程度にお願いしますって言われてる中、実情ですね躯体の不陸が3ミリ以内っていうのも難しいっていうお話も聞いてますので、下地調整を込みからやられてるところも多かったりですね。

メッシュのところでメッシュ張りおよびレベル出しとかっていう形で、このメッシュを上げてくるところで、メッシュの張り方だったりっていうところが役物、場所によってどう張るのかっていうのが変わってくるので、結構、施工する前の知識っていうのが必要になってきてしまう方法なのかなというところはございます。

弊社のパッシブウォールが好まれる場合っていうのがですね、仕上げ材のジョリパッドが今年の7月で50周年を迎えるんですが、いろんな設計士様、ハウスメーカー様にお認知をいただいているような仕上げ材で、設計士様からですねいろんなパターンが選べるだったりとか、ジョリパッドを活用したいという意味合いで、外断熱工法でもStoとかアメリカだとドライビットさんだったりとか、いろんなところがパッシブウォールより全然有名なところがありつつ、お引き合いいただくのはどちらかというとジョリパッドの意匠性があって、アイカ工業にしたいというお声が多いような傾向でございます。

その中でもですね、意匠性の中でさらにというところで、今までジョリパッドに対応していたものが、ストーンアートっていう後でちょっとお話させてもらうんですけど、砂壁調とは違って石材調のような仕上げも対応できるように最近増やしておりますね。ジョリパッドの種類ということですね、仕上げ材の種類が増えております。いろんな職人さん、ドライビットもStoも、アイカ工業のパッシブウォールをやる業者さんもいらっしゃいますが、やっぱり仕上げ材の施工性だったりとか意匠だというところで、ジョリパッドがいいと言われるケースがちらほらあります。その中でやっぱり弊社の課題としては、いろんな構造にご指摘いただいたように、対応できるようにというところで研究作業を進めているような状況でございます。

神谷: どうもありがとうございます。

川崎: はい、ちょっとここら辺は見てても分かりにくい、マニアックだと思って、弊社のホームページですね、カタログをウェブデータで載せておりますので、ぜひまた見ていただければと思います。

神谷: どうもすいません、ありがとうございます。

<以下は、今回の資料の一部ですご一読ください。>

パッシブウォールについて質疑応答

神谷: それでは出席者の方から、何かパッシブウォール、アイカさんのジョリパッドの件でご質問とかご感想とかあれあればお願いします。

牧ケ野: はいありがとうございます。そうですね、これからすごく大量のこれからどうしよう物件が出てくるんだなというのを教えていただいたんですけれども、これアイカさんの商品のすごくいいな、分かりやすくて良いな思うのは、設計状態でポンって書いて見えるじゃないですか、平米単価を。今回のこの商品というのはどのくらいの設定になっているんだろう。

川崎: カタログのジョリパッドと同様にですね、カタログの一番後ろにこういう形で載せておりまして、基本的に上の方はジョリパッドのパターンになるんですけど、また別で役物関係でとかって言ってたのが右下の部分で、出隅だったらこの金額、これが一箇所あたりこの金額という形になってくるので、

牧ケ野:この中の例えば、アートクリフで仕上げる場合って、この4900円というのはアートクリフの仕上げの金額。

牧ケ野: そうです、

牧ケ野:パッシブウォールの仕上げの金額、仕上げの金額っていうのは載ってないのかな?

川崎: おっしゃる通りで、50ミリで12000円とかって書いてあるんですけど、これが断熱の性能によってっていうところで、厚ければ厚いほど断熱性能は上がるので、いろんなというか計算方法があって、設計士様が厚みもあって、だいたい指定してくるんですけど、その断熱パネルの厚みの設定金額プラスジョリパッドのそのパターンの金額を足してもらって、プラスアルファその端部処理の価格ってなってくるので、だいたい設計で2万ぐらいになってくるんですけど、1万4、5千とかで受けられているところがあります。

牧ケ野: これが他社さんの断熱の工法と比べるとどうなんでしょう、高いものなんか安いものなんか、どういうものなんですかね?

川崎: 正直、同等程度かなというところではあります。

牧ケ野: 単純に意外と安いなと思ったんだけど、こんなもんなんですか?こんなもんって言い方しつつ、すごく大変そうだからさ、この貼り付けて下地処理してメッシュ貼って下地処理してだもんね。意外と、きっといろいろ検証されてる方ですからね、やってみたらどんなにいけるんだろうけど、意外と1万4、5千円って。

川崎: お伝えした中で材料代が弊社基準で平米3千円ぐらい。

牧ケ野: そうなんだ。

川崎:3千円プラスアルファ、商社さんとか販売店さんのマージンでそんな上がらないので、結構断熱材を貼るのに慣れちゃえばおいしい仕事っていう感じなんですよね。

神谷: ありがとうございました。ご質問があれば生田さんお願いできますか?

生田: はい、そうですね、質問ではないんですけど、はい、いろいろ勉強になりました。ありがとうございました。

神谷: どうも生田さんありがとうございます。それでは間宮さん、何かご質問があればご質問とかお願いします。

間宮: これはボードを貼るのはどの業者さんになるんでしょうか?例えば大壁工法、モエン大壁工法だとサイディング屋さんがサイディングを貼って、僕らはジョリパッドを受けるときサイディング屋さんから受けるというパターンが結構あるんですけど、この工法の場合もそんな感じになってくるんでしょうか?例えば大工さんになるんですかね?貼るのって大工さんなのかボード屋さんというのか、何かそういう業者さんなのか?

川崎: 基本的にはですね、Stoだったりとか、例えば国内だと東邦レオさんとかあるんですけど、どちらかというと外断熱工事という形でまた別で、弊社のパッシブウォールをやっていただいている会社様はジョリパッドを含めて断熱材を貼るところからやっています。

間宮: 貼るのも塗るのもやるということですね。

川崎: 他のところは東邦レオさんとかだと外断熱のエコサームという方法を持っているんですけど、補充系を東邦レオさんがして、断熱材を貼る会社と仕上げをする会社を分けているケースもあるんですけど、断熱材の市場オンリーでオンリーとは言わないんですけど、すごく市場規模が大きければ施工体制も組んでらっしゃるところはあるんですけど、弊社はまだちょっとですね一括でやっているようなところなので、逆に断熱材を貼れるよという会社様を協力してよという形で断熱材を貼ってもらって、仕上げのジョリパッドだけやるということもできます。

神谷: 続いて稲熊さん、ご質問とか何かご感想あればお願いします。

稲熊: これ断熱材を貼るのっていうのはボンド貼りになるんですかね?

川崎: はい、そうですね。接着モルタルで団子貼りともまた別なんですけど、ちょっとくしめ状に接着モルタルを貼り付けて断熱材を貼っていきます。

稲熊: 全面張りってことですかね?

川崎: ビート状と言われる縦線を何本かみたいな感じなんですけど、部分的に水がもし回ってしまったときに流れるようにしてあります。



稲熊:話が来たときに困るのはこの断熱材を貼るってとこがちょっとネックになった。

神谷: 田口さん、ご質問ご感想あればお願いします。

田口: 補助金が出るという話でしたね。それはどういう条件が揃うと補助金が出るのかということをお聞きしたいのと、もう一点は今先ほど稲熊さんがおっしゃったことと関連するんですけども、PWボード断熱の部分、一番肝心なところの素材っていうのはこれ結局ポリエチレンとかいわゆるスタイロフォームみたいなものなんですよね。水性のボンドを使われているってことだったんですけど、接着強度っていうのは出るんでしょうか?

川崎: 接着強度は問題なくて、ものすごくくっついているので、先ほどちょっと秘密保持契約の内容をちょっとだけ話させてもらったんですけど、ACが割れちゃうぐらいがっちり固まっているような状況で。

田口: 経年劣化ってことはどうなんでしょうね?

川崎: 経年劣化自体も基本的にはメッシュを伏せ込んで全面メッシュをしてジョリパッドまで覆ってしまうので、何か一枚が剥がれて剥がれたとしても落下はしないです。

田口: 設定としては何年ぐらいの設定なんですかね?耐久年度というか対応年度というか。

川崎: 基本的には普通のジョリパッドよりも全然長く、20年とか30年以上。

田口: なるほど、わかりました。

神谷: 谷澤さんご感想なりご質問あればお願いします。

谷澤: もし言える範囲であればいいんですけど、木造に展開しないのかなっていうのはちょっと今日聞いてみようかなって思ってたところで、先ほどの流れだったんですけど、色々研究中という中ですが、実現しそうなのかどうなのかってところは喋れますか?

川崎: 木造の方が遅くなります。

谷澤: そうなんだ。

川崎: 確証はないんですけど、動いてはいて、どちらかというとALCの方が先に出るかなというところで、木造に関してはですね、守秘義務がありますので。

谷澤: 言える範囲で結構ですよ。

川崎: これは大丈夫なんですけど、モエン大壁の旭化成建材さんというところがネオマフォームという材料を持っていて、ネオマフォーム、旭化成建材さん自体が外張り断熱という形でもともとニチハさんのパネルを活用して外張り断熱を防火認定だったり防火構造の認定番号だったり取得しておりました。ニチハのモエン大壁なら仕上げ材としてジョリパッドが問題ないので、これもですね弊社に特に連絡もなく旭化成建材さんがデベロッパーさんに対してのみのために作ったような工法になっています。それをいろんなところにオープンに販売していいよとなったので、今回ちょっとご案内をこれから始めるぐらいホットな話です。木造はとりあえずこれでという形なんですけど、正直なところ旭化成建材さんのネオマフォームが正直ちょっと高いので、Stoさんの木造とかと比べるとなかなか勝負できないなというふうには思っております。

神谷: ありがとうございました。続きまして東京のファンガレージの村上さん、今何回も話題の出たStoを取り扱われている方なので、ご質問とか何かご感想とかあればお願いします。

村上: 同業他社なのでちょっとしゃべりにくいところがあったのかなと思うので、あれなんですけども、僕は結局アイカさんも外断熱、あまり日本どうこうってじゃないんですけど、やはり世界のトレンドは断熱は外からやろうっていうのがトレンドの中で、それで昨今断熱が重要だってことで、今は外断熱、付加断熱ですかねという形で注目を浴びてきている。僕が取引先に言うのは、今の話になりますと断熱等級が新しくなる。

川崎: そうですね、順次対応みたいな感じではありますけど。

村上: 一応等級区分が断熱等級5が義務化になるっていうことですけど、ただ5ってのはレベルが低い、レベルの5でやっと義務化ですかっていうレベルなんですよね。日本の木造住宅レベルでいうと断熱等級6っていうのが中国韓国でごくごく一般的な住宅制度、ヨーロッパだと30年前の30年前のという形で、日本はちょっと耐震とかその辺はだいぶ進んでるんだと思うんですけど、断熱に関しては実はアジアの中でだいぶ遅れてしまっているというか実情なので、断熱等級7って日本の中での最上級レベルに至っては中国では断熱7がもう基準なんですよね。それぐらい遅れているので、僕もこの業界いるのでいろんな意味で、Stoだけがどうとかいろんなところで断熱のお話が出てくるにつれて、総合的に認知が高まってやれる、断熱で大事だよってなれば、言葉はあれですけどおこぼれをいただくっていう感じになると思う。そういう感じで業界が盛り上がればいいなと言ってました。あと断熱のことに関しては僕も業界にいるので分かっていると思います。

神谷: ありがとうございます。断熱後進国の日本ですので、これからやっぱり断熱が注目されてきて、アジアの後進国ですけども、だんだんだんだん断熱の認知度、あとは工務店さんも法律に関しても断熱を上げるように進んでいくので、早めにこの広報に取り組まれた、取り組んでいったほうが施工者としてはいいということで。よろしいでしょうか?

神谷: 最後に、伊藤さんからご質問ご感想あればお願いします。

伊藤: 2つ質問があります、ユーザーさんの声で印象的なものがあれば教えてください。それが1点目。2点目、外断熱で、メーカーさんとして左官職人たちにどんなことを期待されていますか?

川崎: 1点目に関しましては、外断熱をする工事をしたことによって、お施主様だったり病院の患者さんからはですね、ヒートショック現象でお亡くなりになる方もかなり多い中でですね、すごい快適になったりとか、あと本当にエアコンをつけなくなったっていうようなお客様もいらっしゃるようなところで、お喜びの声をいただいてたりするような、もう弊社だけじゃなくてですね、多分Stoさんもドライビッドさんもいろんなところも同じような状況から、すごくいい評価をいただくことが多くございます。

2点目の施工業者様に期待したいことっていうところだと、外断熱、先ほどおっしゃっていただいたように、なかなかまだ市場規模が小さいといいますか認知度がかなり低い部分になりますので、弊社としてもですね、今ある現場を取り入っているよりは、どんどん外断熱市場を増やしていきたいっていう、業者様やられる業者様も同じような意見の方もいらっしゃいますので、やっぱり皆さんには知識をつけていろんなことができるようになっていく、左官だけでも全然たぶん食べていけると思うんですけど、色々な事をやっていっている職人さんも増えてきてますので、ぜひチャレンジしてみてはというところでお願いします。

神谷:ありがとうございます。最後に田口業務店の田口さんの方から最後の締めをお願いいたします。

田口: はい、川崎さん、長時間にわたりありがとうございました。とても聞きやすくて、お若いのにしっかりして見える方だなと感心して聞いておりました。断熱に関しても本当に興味深い分野だなと思うし、我々も左官屋ですけども、違う部署というか、そういう部隊を作ってちょっと挑戦してもいいかなというふうに思いました。本当に今日はありがとうございました。

神谷: それでは本日のアイカ工業 川崎さんのパッシブウォールのインタビューを終了したいと思います。ありがとうございました。

参加者: ありがとうございました。

編集後記

如何でしょうか?
外断熱が注目を集める中、日本でも本格的な普及が始まろうとしています。
今回ご紹介したアイカパッシブウォールは、省エネ・快適性・建物保護という、これからの時代に欠かせない価値を備えています。
外断熱の可能性と重要性を少しでもお伝えできたなら幸いです。 最後までご購読頂きありがとうございました。