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繊維壁とは?(せんいかべ/fibrous wall finish)
室内壁の仕上げ材。セルロース繊維(紙・木)や綿状繊維を主骨材に、接着性バインダーと水で練り、コテや吹付で塗り付ける意匠仕上げ。軽量で柔らかな質感・微吸音が特長だが、汚れや擦れに弱いため改修時の下地処理が要となる。
使いどころ/目的
- 内装(居室・寝室・廊下)
- やわらかいマット感と継ぎ目の出にくさを狙うとき。微細な**吸音・調湿感(一般論)**も期待。
- 改修
- 下地条件〈混同・誤用に注意〉
似ている用語
- 繊維壁 と 砂壁(聚楽壁):繊維壁はセルロース主体で柔らかく起毛感、砂壁は鉱物骨材でザラ肌。どちらも汚れやすく補修跡が出やすい。
- 繊維壁 と 《珪藻土》:繊維壁は繊維+接着系、珪藻土は鉱物骨材でコテ肌が強い。再湿で軟化する繊維壁に対し、珪藻土は粉化・色ムラ管理が要。
- 繊維壁 と 《漆喰》:漆喰は《石灰》系で硬質・アルカリ、繊維壁は柔らかく中性寄り。耐汚染性・耐水性は漆喰に分がある。
- 繊維壁 と 《ビニールクロス》:クロスは汚れに強く清掃容易・貼替え前提、繊維壁は継ぎ目が出にくい左官意匠だが清掃・補修難度が高い。
- 繊維壁 と 《塗装仕上げ》:塗装は被膜で色決め、繊維壁は素材感重視。改修で塗装を重ねる際は**《シーラー》で固めてから**。
施工上の注意点・よくあるミス
- 再溶解・毛羽立ち:水分でふやけ・剥離。含水管理/道具の水分拭き取り、上塗り時は**封じる下塗り(《シーラー》)**を先行。
- 下地吸水差の放置:色ムラ・艶ムラ。全面パテ→吸水調整→適合《プライマー》。
- 角部の欠け・擦れ:出隅の耐摩耗が弱い。**《見切り材》や《コーナービード》**で保護。
- 補修跡の目立ち:部分補修が馴染みにくい。面単位の塗り替えを基本に計画。
- 汚れ管理不足:手垢・ヤニが染み込みやすい。清掃・防汚方針を事前説明。
- 気象・養生:急乾・直風で収縮《クラック》や接着不良。**《養生》**と温湿度管理を徹底。
関連する用語
室内壁の仕上げを選ぶ|繊維壁・砂壁・珪藻土・漆喰・クロスの違い
《砂壁(聚楽壁)》/《珪藻土》/《漆喰》/《塗装仕上げ》/《ビニールクロス》/《プライマー》/《シーラー》/《フィラー》/《パテ》/《見切り材》/《巾木》/《クラック》/《養生》



