
粗骨材とは?(そこつざい/coarse aggregate)
コンクリートやモルタルに使う骨材のうち、ふるいで5mmを概ね超える粒径の石の総称。砕石・砕砂のうち粗い側の粒や、川砂利・山砂利などが該当する。体積の大半を占めて骨組み(骨格)を作り、収縮・発熱・コストを抑える役割を担う。
使いどころ/目的
- 基礎・土間コンクリート:骨格形成とヤング率の確保、収縮・発熱低減、材料コスト最適化。
- 左官下地(厚モルタル・テラゾー下地):厚塗りの安定と割れ抑制(粒度設計が前提)。
- 洗い出し・研ぎ出し(テラゾー):意匠骨材として粒の存在感を出す。
- 外構(犬走り・アプローチ):耐摩耗・耐久に寄与。
※内装の薄塗り仕上げは細骨材中心で、粗骨材は基本使わない。
似ている用語
- 粗骨材と細骨材:粗骨材は5mm超の粒で骨格形成、細骨材は砂分(概ね5mm以下)で充填性・仕上げ性を担う。
- 骨材とセメント:骨材は惰性材(体積・骨格)、セメントは結合材。配合比で強度・ワーカビリティが決まる。
- 砕石と砂利(玉石):砕石は人工破砕で角ばる→せん断抵抗・付着良好。砂利は丸い→流動性良いが付着は相対的に低い。
- 寒水石と粗骨材(意匠):寒水石は白系大理石の意匠骨材。構造コンクリートの一般骨材とは目的が異なる。
- 最大寸法と粒度分布:最大寸法は粗骨材の最大粒径の設計値、粒度分布は各ふるい通過率のバランス。どちらも充填性・分離抵抗に直結。
施工上の注意点・よくあるミス
- 粒度不整合:粗骨材が粗すぎ/単粒度だとジャンカ・豆板・分離。粒度曲線を満たす配合を採用。
- 最大寸法の選定ミス:鉄筋あき・かぶり・部材厚に対し大きすぎると閉塞・充填不良。設計条件に合わせて決定。
- 含水管理不足:骨材水分を見ずに練るとスランプ・空気量・W/C変動。表面水率の補正を徹底。
- 清浄度不足:微粉・泥分・有機不純物は付着低下・発泡・色ムラの原因。洗浄・受入検査を行う。
- 角張りの扱い:砕石は角が立つため、締固め・バイブレータのかけ方で骨材架橋に注意。
- 意匠仕上げでの露出管理:洗い出し・研ぎ出しは配合・締固め・タイミングの試験施工が必須。
- 温湿度・養生軽視:初期乾燥で収縮ひび。**適正養生(水保持・温度管理)**を確保。
