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自然素材

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自然素材のイメージ、左官では様々な自然素材を扱う

自然素材とは?

自然素材(しぜんそざい/Natural materials)」とは、化学合成を主とせず、木・土・石・紙・植物系オイルなど天然由来の原料を生かした建材の総称。左官では、漆喰土壁珪藻土・石灰クリーム、仕上げでは無垢材・和紙・天然油脂塗料などが代表格。

成分と特性(吸放湿性、アルカリ性、揮発成分、粒度 など)

  • 吸放湿性:土壁・珪藻土・和紙・無垢材が室内湿度を緩和(結露・カビ抑制に寄与)。
  • アルカリ性:漆喰・石灰系は強アルカリで防カビ性・消臭性に寄与(添加材により差)。
  • 揮発成分(VOC:一般に低VOC。ただし天然樹脂・精油を含む塗料はにおいや微量VOCあり。
  • 粒度(骨材:大理石粉・珪砂などの粒度分布が、テクスチャー・強度・吸い込みを決定。
  • 帯電しにくさ:鉱物系は静電付着が少なく汚れがつきにくい傾向。
  • 熱・音:土・木は熱容量/調湿により体感温度や残響に好影響。

適した下地とNG下地(PB、モルタル、旧塗膜、含水率の目安)

  • 適した下地
    • プラスターボード(PB):ジョイント処理+シーラーで吸い込み均一化。
    • モルタルコンクリート28日以上の養生を目安。含水率の目安:8–10%以下
    • 石膏プラスター:アルカリ性仕上げは相性良。下地強度を確認。
  • 条件付き(要プライマー)
    • 旧塗膜(ビニル塗装・アクリル):付着試験の上、密着型プライマー目荒しを併用。
    • ビニルクロス:可塑剤移行・剥離リスク。全面撤去ブリッジング下地を採用。
  • NG下地の例
    • 脆弱・粉化面/浮き面(素地補修未了)
    • 撥水・離型剤汚染面(洗浄・研磨で除去が必須)
    • 含水過多・漏水中白華変色・剥離の原因)

仕上がりの質感と色の出方

  • 質感:鉱物系はマット~半ツヤ、コテ波・砂目・スタッコなど骨材粒度で陰影が出る。
  • 鉱物顔料や土色が基調。吸い込み差・コテ圧・含水で**色ムラ(表情)**が生まれる。
  • 艶出し:押さえ・磨きで石灰光沢が現れるが、過度な押さえは焼き・色ブレの原因。

環境・安全性(JIS/告示、F☆☆☆☆、VOC)

  • JIS/国交省告示:対象規格は製品ごと。**ホルムアルデヒド規制(F☆☆☆☆ 等級)**は該当品のみ表示可。
  • VOC:自然素材は総じて低VOCだが、天然油脂・ワックスには微量の揮発成分あり。
  • 防火・耐候内装制限・不燃認定材料別に要確認(漆喰系で不燃取得品あり)。

メンテナンス/補修のコツ

  • 日常:乾拭き→弱アルカリ水拭き。鉱物系はメラミンの使い過ぎで艶変化に注意。
  • 部分補修:ピンホール・欠けは同材パテ/同配合の薄塗りぼかし
  • トップコート:汚染対策に有効だが、調湿・質感低下のトレードオフを理解して部位限定。
  • 木部オイル仕上げは定期再塗装、水染みは軽研磨+再オイルで回復。
  • 環境:急乾・過湿は白華・カビ・割れの要因。換気・除湿初期養生が肝。

関連する用語

仕上げ材/意匠(デザイン)/テクスチャー/調湿性/トップコート / 漆喰/珪藻土/
土壁/無垢材/和紙 / ツヤ出し仕上げ