
成分と特性(吸放湿性、アルカリ性、揮発成分、粒度 など)
- 吸放湿性:土壁・珪藻土・和紙・無垢材が室内湿度を緩和(結露・カビ抑制に寄与)。
- アルカリ性:漆喰・石灰系は強アルカリで防カビ性・消臭性に寄与(添加材により差)。
- 揮発成分(VOC):一般に低VOC。ただし天然樹脂・精油を含む塗料はにおいや微量VOCあり。
- 粒度(骨材):大理石粉・珪砂などの粒度分布が、テクスチャー・強度・吸い込みを決定。
- 帯電しにくさ:鉱物系は静電付着が少なく汚れがつきにくい傾向。
- 熱・音:土・木は熱容量/調湿により体感温度や残響に好影響。
適した下地とNG下地(PB、モルタル、旧塗膜、含水率の目安)
- 適した下地
- 条件付き(要プライマー)
- 旧塗膜(ビニル塗装・アクリル):付着試験の上、密着型プライマーや目荒しを併用。
- ビニルクロス:可塑剤移行・剥離リスク。全面撤去かブリッジング下地を採用。
 
- NG下地の例
仕上がりの質感と色の出方
- 質感:鉱物系はマット~半ツヤ、コテ波・砂目・スタッコなど骨材粒度で陰影が出る。
- 色:鉱物顔料や土色が基調。吸い込み差・コテ圧・含水で**色ムラ(表情)**が生まれる。
- 艶出し:押さえ・磨きで石灰光沢が現れるが、過度な押さえは焼き・色ブレの原因。
環境・安全性(JIS/告示、F☆☆☆☆、VOC)
- JIS/国交省告示:対象規格は製品ごと。**ホルムアルデヒド規制(F☆☆☆☆ 等級)**は該当品のみ表示可。
- VOC:自然素材は総じて低VOCだが、天然油脂・ワックスには微量の揮発成分あり。
- 防火・耐候:内装制限・不燃認定は材料別に要確認(漆喰系で不燃取得品あり)。
メンテナンス/補修のコツ
- 日常:乾拭き→弱アルカリ水拭き。鉱物系はメラミンの使い過ぎで艶変化に注意。
- 部分補修:ピンホール・欠けは同材パテ/同配合の薄塗りでぼかし。
- トップコート:汚染対策に有効だが、調湿・質感低下のトレードオフを理解して部位限定。
- 木部:オイル仕上げは定期再塗装、水染みは軽研磨+再オイルで回復。
- 環境:急乾・過湿は白華・カビ・割れの要因。換気・除湿と初期養生が肝。
関連する用語
仕上げ材/意匠(デザイン)/テクスチャー/調湿性/トップコート / 漆喰/珪藻土/
土壁/無垢材/和紙 / ツヤ出し仕上げ
