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タイルボンドとは?(たいるぼんど/tile adhesive〈organic/elastic〉)
タイル専用の接着剤。貼るタイルの厚さ、重さ、素材などと、ボンドの種類、貼る場所を考慮して用途に合ったものを選ぶのが良い。
重要な点は「接着力」「耐水性」「耐熱性」「耐久性」である。
<ボンドの種類>
・エポキシ樹脂系:タイル。耐水接着性に優れている。
・変性シリコン樹脂系:タイル。衝撃や振動に強い。外部用。
・アクリル樹脂系:フロアタイルなどの塩ビ系床材。
・ゴム系、ラテックス系(白のり):クッションフロア、カーペット。安価
・ウレタン樹脂系:耐水性に優れ屋外の水回り、多湿な所の床材。
・ピールアップボンド:フロアタイル、タイルカーペット。
・コンクリート系:主に外壁などに使用。
などがある。
近年では日本工業規格で定められている フォースター 認定のタイルボンドが使用されている。
使いどころ/目的
- 内装壁(新設・改修)
- 低吸水タイルや旧仕上げ上の増し張りで、下地調整後に薄塗りで施工。
- 部分補修・役物まわり
- 小面積や細部で、厚手モルタルが入らない箇所の張り付け。
- 床(可否は製品依存)
- 小規模床や軽荷重ゾーンで使用する製品もあるが、耐荷重・耐浮きの要件確認が必須。
- 外装(可否は製品依存)
- 外壁・凍結環境・高温部は不可または条件付きが多い。原則はタイル用セメント系やシステム工法を検討。
- 下地条件〈混同・誤用に注意〉
似ている用語
- タイルボンド と タイル用セメントモルタル:ボンドは薄付け・弾性で改修や低吸水素地に適することが多い。セメントモルタルは厚付け・面調整と一体化に向き、外装・床で採用が多い。
- タイルボンド と 弾性接着剤(タイル用):ほぼ同義として使われることがあるが、一般名は弾性接着剤。タイルボンドは通称。
- タイルボンド と エポキシ系接着剤:エポキシは高付着・耐薬品を狙う特殊用途で、可使時間・硬化管理が厳密。ボンド(有機系ペースト)は施工性重視の一般内装向きが中心。
- タイルボンド と シーリング材:シーリングは目地の可動吸収・止水が目的で、張り付け材ではない。
- タイルボンド と フィラー/パテ:フィラーは下地平滑化、ボンドは張り付け。役割が異なる。
施工上の注意点・よくあるミス
- 下地判定不足:チョーキング・油分・脆弱層を残すと剥離。高圧洗浄(屋外)やケレン、シーラーで面を整える。
- 吸水・含水の管理不足:下地が湿っている、または極端に乾いていると初期付着が低下。環境・養生を管理。
- 不適合な組み合わせ:低吸水タイルに改良なしモルタル、逆に高吸水タイルに弾性過多などで剥離・滑り。材料適合を確認。
- 塗布量・クシ目不足:接着層が薄すぎて未密着(空隙)。指定のクシ目・圧入で全面圧着。
- 目地・可動部の跨ぎ:伸縮目地やシーリング部まで接着してクラック誘発。可動部は独立させる。
- 温湿度違反:低温高湿や高温乾燥で硬化不良・早期皮張り。施工可能範囲内で作業。
- 重歩行・床暖・外装への誤用:用途外使用で浮き・破断。用途区分を厳守。
- 開放時期の誤り:硬化前の通行・荷重でズレ・滑り。開放条件を守る。
関連する用語
タイルの張り付け材を選ぶ|弾性接着剤・セメントモルタル・エポキシの使い分け
タイル/せっ器質タイル/磁器質タイル/弾性接着剤/タイル用セメントモルタル/エポキシ接着剤/プライマー/シーラー/伸縮目地/見切り材/白華/養生



