
テクスチャーとは?
定義:素材表面の凹凸・粒度・艶などがつくる視覚/触覚的な質感のこと。色や模様(パターン)とは別軸の「手触りの見え方」。
読み方/英語:てくすちゃー/texture
使いどころ/目的
- 内装: 漆喰 ・ 珪藻土 ・ コンクリート調 などで光の拡散を調整/壁の陰影で奥行きを演出。
- 外壁: スタッコ ・ 吹付け ・ かき落とし で意匠性と雨筋・微細な傷の目立ち低減を両立。
- 床・土間:骨材粒度や刷毛引きで防滑性を確保。
- 造作・家具:木理(木目の立ち・艶消し)や石の割肌で素材感を強調。
- 設計資料: 見本板 で“現場の見え方”を事前共有(照明条件の違いに注意)。
※混同注意:色(カラー)や反復模様(パターン)とは異なる概念。テクスチャーは形状と光学的性状が主題。
似ている用語との違い
- テクスチャー|表面の凹凸・粒度・艶感そのもの。用途:質感表現/光の散乱・反射制御。材料:骨材、コテ目、吹付け粒。注意:照明次第で見え方が大きく変化。
- パターン|繰り返しの模様。用途:リズム・方向性付与。材料:印刷柄・型押し。注意:スケールを誤るとチラつきや圧迫感。
- マチエール|美術寄りの語。素材の**肌理(きめ)**や作家性を含む質感。用途:意匠性強調。注意:均質施工と相性が悪い場合あり。
- 仕上げ(上塗り)|工程区分の最終層。用途:色・機能(防汚・耐候)。注意:下地の面精度に強く依存。
- 骨材粒度|モルタル等の砂の粒の大きさ。用途:テクスチャー形成・強度。注意:粗すぎるとピンホール/細かすぎると平板な印象。
施工上の注意点・よくあるミス
- 下地の面:テクスチャー前に不陸修正( 下地調整剤 /パテ)。面が出ていないとムラが強調される。
- 試し塗り:本番前に見本板で塗厚・骨材量・コテ運びを確定。乾燥後の艶変化も確認。
- 温湿度:高温・乾燥下は早期皮張り→むら、低温多湿は乾燥遅延→白華・汚れ噛み。
- 道具と方向: コテ波 なら「一定方向+一定荷重」。 吹付け ならノズル径・風量・距離を固定。
- 仕上げ保護:外装は** トップコート **(透湿型推奨)で雨筋汚れを抑制。取り合いは コーキング で納める。
- 照明設計:グレージング(なめる光)は凹凸を強調。想定照度・配灯で最終確認。
関連用語
スタッコ / 吹付け / 砂目 / 櫛引き / コテ波 / ツヤ出し仕上げ
