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ラタン

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ラタン(らたん/rattan)とは?

主に熱帯地域に生育するヤシ科のつる性植物と、その茎を加工した材料です。日本では「籐(とう)」とも呼ばれ、家具、建具、かご、照明器具、装飾パネルなどに使用されます。

ラタン自体は左官材料ではありませんが、漆喰や土系の塗り壁石灰系仕上げ、木材などと組み合わせ、自然な素材感を生かした内装に用いられます。左官工事では、ラタン製家具の置かれる壁面や、ラタンパネルを組み込む造作部分との取り合いが施工上の要点になります。

植物由来の材料であるため、湿度による伸縮や反り、色の変化が生じることがあります。ラタンの素朴な風合いと左官壁のコテ跡は相性がよい一方、意匠上の不均一さと、壁面の不陸・ひび割れ・汚れなどの施工不良は区別して考える必要があります。

使いどころ/目的

住宅・店舗の内装

椅子、収納扉、間仕切り、ヘッドボードなどに使い、空間へ軽さと自然素材の質感を加えます。塗り壁と組み合わせる場合は、壁面を背景として見せるのか、ラタンを造作材として壁に固定するのかによって、求められる平滑さや補強位置が異なります。

編み目から壁が見える納まりでは、下地の補修跡や塗り継ぎも目立ちます。パネル設置後に隠れると判断せず、見える範囲と固定位置を施工前に確認します。

店舗・宿泊施設

ラタンはリゾート調、ナチュラル調、和洋折衷などの空間で使用されます。照明によって編み目の影が左官壁へ落ちるため、コテ跡や凹凸が強調される場合があります。実際の照明方向に近い条件で、壁の仕上げ見本とラタンの色を一緒に確認することが重要です。

不特定多数が利用する施設では、意匠だけでなく、清掃性、破損時の交換方法、使用箇所に求められる防火上の条件も確認します。

改修・リノベーション

既存壁へラタンパネルや家具を固定する場合、仕上げ材だけで荷重を支えることはできません。柱、間柱、合板などの固定可能な下地を確認し、必要であれば左官施工前に補強を行います。

既存の塗り壁に弱い部分や浮きがある場合は、パネルで覆う前に撤去または補修します。覆った後では劣化状況を確認しにくくなるためです。

左官仕上げとの取り合いで重要になるポイント

ラタンと左官壁を隣接させる場合、先に納まりと施工順序を決めます。ラタンを施工した後に壁を塗ると、材料の飛散やコテの接触で編み目を汚す可能性があります。一方、塗り壁を先行させる場合は、十分に乾燥させてからパネルや家具を取り付けます。

見切り材を設けずに接触させる納まりでは、ラタンや木枠の伸縮が左官面へ伝わり、境界部にひび割れが生じることがあります。異素材の境界には、目地、見切り、適切なクリアランスなどを検討し、左官材で一体化させないことが基本です。

ラタン製品は色や編み目に個体差があります。左官壁にもコテ跡や乾燥による色幅が現れるため、小さなサンプルだけでなく、両方の材料を並べて面積効果と光の当たり方を確認します。

似ている用語

定義:ラタンを指す日本語の名称 用途:家具、かご、建具、工芸品 材料:ラタンの茎を用途に応じて加工したもの 注意点:一般にはラタンとほぼ同じ意味だが、製品表示では加工部位を確認する

ケイン 定義:ラタンの表皮側を細く加工した素材、またはそれを編んだ仕上げを指すことがある 用途:椅子の座面、扉、収納面材、装飾パネル 材料:ラタンの皮部分など 注意点:製品や地域によって呼び方の範囲が異なるため、現物と仕様を確認する

ウィッカー 定義:植物材料などを編んで形を作る製法や編み製品の総称 用途:家具、かご、屋内外の装飾品 材料:ラタン、柳、竹、樹脂など 注意点:材料名ではなく編み方を示す場合があり、ラタン製とは限らない

定義:イネ科の植物を加工した建築・工芸材料 用途:下地、建具、すだれ、装飾、竹小舞 材料:丸竹、割竹、竹ひごなど 注意点:ラタンより直線的で硬く、左官分野では竹小舞など下地材としても使われる

施工上の注意点・よくあるミス

左官面へ直接固定する

漆喰や薄塗り仕上げ層にビスや接着剤だけでラタンパネルを固定すると、仕上げの欠けや剥離につながります。固定荷重は構造下地や補強合板で受け、穴あけ位置は左官施工前に共有します。

異素材の境界を塗り込める

ラタン、木枠、左官材では湿度に対する動きが異なります。境界を硬い左官材で連続して塗り込むと、細いひび割れや欠けが発生しやすいため、見切りや目地を設けて動きを分離します。

乾燥前に取り付ける

塗り壁の乾燥が不十分な状態でラタン製品を密着させると、湿気がこもり、壁の乾燥ムラや材料の変形につながる場合があります。乾燥期間は塗り厚、下地、気温、湿度、使用材料の仕様を踏まえて判断します。

養生不足で編み目を汚す

ラタンの細かな編み目に左官材が入り込むと、乾燥後の除去が難しくなります。施工順序を調整し、必要な場合は編み目を押しつぶさない方法で養生します。強い粘着テープは表面を傷める可能性があるため、目立たない部分で確認します。

意匠の認識を合わせない

ラタンの色幅や編み目、左官壁のコテ跡は、サンプルと大面積では印象が異なります。施主、設計者、施工者で許容する色ムラや壁の凹凸を事前に確認し、自然なばらつきと、ひび割れ・剥離・著しい不陸を混同しないようにします。

関連する用語

上位概念

建築材料
自然素材
内装デザイン

関連する用語


ケイン
ウィッカー
漆喰
見切り
アジアン




よくある質問

  1. 質問: ラタンは左官材料として壁に塗れますか?
    回答: ラタンは塗り材ではなく、主に家具や建具、装飾パネルに使われる植物材料です。左官工事では、ラタン製品を設置する壁の仕上げや固定下地、異素材同士の取り合いが主な検討事項になります。
  2. 質問: ラタンパネルを塗り壁へ直接取り付けてもよいですか?
    回答: 左官仕上げ層だけでは、パネルの荷重やビスの引き抜き力を安定して受けられない場合があります。柱、間柱、補強合板などへ固定できる位置を確認し、必要な補強を左官施工前に準備します。
  3. 質問: ラタンと左官壁の境界にひび割れが出るのはなぜですか?
    回答: ラタンを納める木枠と左官材では、湿度や温度による動き方が異なるためです。境界を左官材で一体的に塗り込まず、目地や見切り、適切な隙間を設けることで、動きの影響を抑えます。
  4. 質問: ラタン製品と塗り壁はどちらを先に施工しますか?
    回答: 一般には塗り壁を先に仕上げ、十分に乾燥させてからラタン製品を取り付けると、編み目への材料付着を避けやすくなります。ただし、見切りや固定方法によって適切な順序は変わるため、各工種で事前に納まりを確認します。
  5. 質問: ラタンと左官壁のサンプル確認では何を見ればよいですか?
    回答: ラタンの色幅や編み目と、左官壁の色、コテ跡、照明による陰影の組み合わせを確認します。小さな見本だけでは大面積の印象を判断しにくいため、可能であれば実際の照明方向に近い環境で並べて確認します。