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モルタル外壁のクラックについて解説

モルタル外壁のひび割れ、原因の見分け方と正しい対処法

モルタル外壁にひび割れを見つけると、「これは危険なサインなのか、それとも様子見でいいのか」と判断に迷う方が多いはずです。自己判断でコーキングを詰めるべきか、専門業者に相談すべきかも悩ましいポイントでしょう。本記事では、ひび割れが起きやすい場所やその原因、自分でできる危険度チェックの方法、DIY補修のリスク、専門業者による補修方法までを整理して解説します。

この記事を読んで欲しい人

  • モルタル外壁にひび割れを見つけて、危険度をどう判断すればいいか知りたい方
  • コーキング材でのDIY補修を検討しているが、リスクがないか不安な方
  • ひび割れの原因や、専門業者がどのように補修するのかを具体的に知りたい方
様々な要因と頻出箇所を整理

モルタル外壁にひび割れが起きやすい場所とその原因

サッシ周りや入隅など、ひび割れが集中しやすい箇所

モルタル外壁のひび割れは、建物の揺れやモルタル自体の膨張・収縮によって生じます。中でもクラックが集中しやすいのが、サッシ周りや入隅といった細く力が加わりやすい箇所です。サッシのすぐ上に笠木が被さっている部分など、狭く構造的に力が集中しやすい場所では、ヘアクラックがビシッと入りやすい傾向があります。窓は建物本体のようには揺れないため、揺れる建物と動かない窓の間にどうしても力がかかり、サッシまわりに「ハの字」「逆ハの字」といった特徴的なひび割れが現れることもあります。

ラスの継ぎ目や経年劣化による構造的な原因

モルタル外壁は、下地ラスの上にモルタルを塗って仕上げます。ラスとラスのジョイント部分は構造的にひび割れが起こりやすいポイントの一つです。また、経年でラスを留めているタッカーの釘が錆びてくると、下地とモルタルの間に浮きが生じやすくなります。築20年、30年と経過した建物では、こうした経年劣化がひび割れや浮きの引き金になることがあります。

ひび割れには、表面が乾燥する過程で生じる乾燥クラックと、建物の構造的な動きによって生じる構造クラックの2種類があるとされます。構造クラックは建物が揺れることに起因するため、表面の補修だけでは再発を繰り返すケースもあり、原因の見極めが重要になります。次のセクションでは、こうしたひび割れの危険度を自分でどう見分ければよいか、具体的な方法を見ていきます。


この項目のまとめ

  • ひび割れはサッシ周りや入隅など、力が集中しやすい箇所に起こりやすい
  • 窓周りには建物の揺れと窓の動かなさが原因で特徴的なクラックが出やすい
  • ラスの継ぎ目は構造的にひび割れが起こりやすいポイント
  • 経年でタッカーの釘が錆びると浮きが発生しやすくなる
  • ひび割れには乾燥クラックと構造クラックの2種類があり、原因の見極めが重要

自分でできるひび割れの危険度チェック方法

幅・深さを確認する具体的な方法

ひび割れの危険度を判断する目安の一つが、幅と長さです。近くで目を細めないとわからない程度のヘアクラックであれば、大きな心配は不要とされることが多い一方、遠くから見てもはっきりわかるほど開いている場合は注意が必要です。深さについては、爪楊枝や針金を差し込んでみるという方法もありますが、爪楊枝が入ってしまうようであれば、それだけ隙間が広いということになり、危険度が高いと考えたほうがよいでしょう。

写真記録で進行度を比較する方法

ひび割れが危険かどうかを見分けるうえで有効なのが、時間の経過とともに進行しているかどうかの確認です。「以前見たときより広がっている」「以前はなかった場所に出ている」といった変化は、進行のサインとされます。感覚だけに頼ると判断が曖昧になりがちなため、気になった箇所の写真を日付とともに撮っておき、半年後や1年後に見比べる方法が実践的です。同じ場所を撮り比べることで、進行しているかどうかを客観的に判断しやすくなります。

進行しているひび割れの見分け方

複数箇所にひび割れがある場合は、範囲が広い箇所、進行が目立つ箇所から優先的に対応を検討するのが基本的な考え方です。特に、自分がよく通る場所の真上にあるひび割れは、剥がれて落下するリスクも考慮し、優先度を上げて確認しておくと安心です。ただし、こうした自己チェックはあくまで目安であり、最終的な危険度の判断は専門家に委ねるのが確実です。


この項目のまとめ

  • ヘアクラック程度なら大きな心配は不要なことが多い
  • 爪楊枝が入るほどの隙間があれば危険度は高いと考える
  • 写真を日付とともに記録し、進行度を定期的に比較する
  • 範囲が広い・進行が目立つひび割れから優先的に確認する
  • よく通る場所の真上にあるひび割れは特に注意が必要
外壁のDIY補修は可能なのか?

ひび割れをDIYで補修してもいいのか

コーキング材での応急処置とそのリスク

ネットや動画では、モルタル外壁のひび割れにコーキング材を詰めて自分で補修する方法が紹介されることがあります。ただし、こうした対応はあくまで応急処置と捉えておいたほうがよいとされています。コーキングは隙間を埋めるという点では一定の効果があるものの、根本的な原因を解消する補修とは性質が異なります。

応急処置が専門業者の作業を増やしてしまうケース

注意したいのは、自己判断でコーキングを詰めてしまうと、後から専門業者に依頼した際に、そのコーキングをまず取り除くところから作業が始まってしまうケースがあることです。結果として、最初から専門家に相談していれば不要だったはずの工程が増え、余分な手間や時間がかかってしまう可能性があります。特にひび割れが構造クラックに起因している場合、表面をコーキングで塞ぐだけでは再発を防ぎきれず、根本的な対処にはならないこともあります。

そのため、応急処置をするかどうかを迷った時点で、まずは専門家に相談するのが結果的に近道になります。相談自体には費用がかからないケースも多いため、小さなひび割れであっても、気になった段階で早めに問い合わせてみることをおすすめします。補修剤や補修方法は状況に応じて使い分けが必要になるため、素人判断で材料を選んで対応するよりも、専門家の診断を踏まえたうえで適切な方法を選ぶほうが、結果的に再発のリスクを抑えられます。


この項目のまとめ

  • コーキングでのDIY補修は応急処置の一つと考えるのが基本
  • 自己補修が後の専門業者の作業を増やしてしまうことがある
  • 構造クラックはコーキングだけでは根本的な解決にならない
  • 応急処置を検討する前に、まず専門家へ相談するのが望ましい
  • 相談は無料であることが多く、早めの問い合わせが再発防止につながる
ひび割れも判断が重要

専門業者が行うひび割れの補修方法

表面補修と下地補修の違いと判断基準

ひび割れの補修方法は、原因が表面的なものか、下地に及ぶものかによって大きく異なります。クラックであれば表層の補修で済むことが多い一方、浮きが生じている場合は下地から直す必要が出てきます。表面補修であれば1日程度で完了することもありますが、下地補修になると下地を剥がし、塗り、乾燥させる工程が必要になるため、最短でも3日から4日はかかるとされ、費用面でも表面補修の数倍になることが一般的です。こうした違いがあるからこそ、最初の施工がしっかりしていれば、後から下地補修が必要になる事態を避けやすくなります。

誘発目地・干渉目地という再発防止の工法

同じ場所にひび割れが繰り返し発生してしまう場合、表面を塗り直すだけでは根本的な解決にならないことがあります。こうしたケースで用いられるのが、誘発目地(干渉目地)と呼ばれる工法です。あらかじめクラックが入りやすい箇所に意図的に溝を作り、そこにコーキングを打つことで、ひび割れが目立たない形でコントロールする方法です。細い部分に何度もメッシュ補強を施してもクラックが再発するような場合、この工法に切り替えることで再発を防げるケースがあります。新築の時点で「この箇所はクラックが入りやすそうだ」とあらかじめ判断できる場合は、最初から誘発目地を設けておくという選択肢も考えられます。

補修の方法は、コーキング材を詰める、樹脂モルタルを充填する、メッシュで補強し直すなど状況に応じて選択されるため、どの方法が適切かは専門家による診断が欠かせません。


この項目のまとめ

  • クラックは表層補修、浮きは下地補修と対応方法が異なる
  • 下地補修は表面補修より工期・費用ともに数倍かかりやすい
  • 繰り返すひび割れには誘発目地(干渉目地)という工法が有効な場合がある
  • 誘発目地は新築時にあらかじめ設けておくという選択肢もある
  • 補修方法は状況によって異なり、専門家による診断が欠かせない
素材別の外壁の点検方法

モルタル外壁とタイル外壁、点検方法の違い

モルタル外壁は基本的に目視での確認が中心

モルタル外壁の場合、ジョリパットや吹き付け、漆喰といった仕上げ材が施されているため、内部で不具合が起きていても外から気づきにくいことがあります。基本的には目視での確認が中心となり、脱落しかけている、表面が膨れて見えるといった明らかな異常がない限り、判断が難しいのが実情です。表面に何かしらの変化が見られた時点で、専門家に見てもらうのが確実な方法といえます。

タイル外壁での打診検査という方法

一方、外壁がタイル仕上げの場合は、打診検査という点検方法があります。打診棒と呼ばれる専用の道具でタイル表面を軽く叩き、その音の違いから浮きの有無を判断する方法です。タイルとモルタル外壁の間に空間ができていると、こもった音がします。タイル自体が浮いていると乾いた高い音がし、逆にしっかりくっついている場合は下地に響くような詰まった音がするとされています。打診棒がなければ、小さなハンマーなどで代用することも可能ですが、金属製のものだと傷がつきやすいため、優しく叩くのがポイントです。

このように、モルタル外壁とタイル外壁とでは、点検方法にも違いがあります。モルタル外壁は目視が基本となる分、日頃からの観察と早めの相談が重要になりますが、タイル外壁のように打診による判断材料がない分、変化に気づいた際は放置せず専門家に相談することが、結果的に大きな補修を避けることにつながります。


この項目のまとめ

  • モルタル外壁は基本的に目視での点検が中心となる
  • 表面の膨れや脱落などの異常が見えた時点で専門家への相談が確実
  • タイル外壁では打診棒を使った打診検査で浮きの有無を判断できる
  • 打診検査の音の違いで、浮き・密着状態を見分けることができる
  • モルタル外壁は打診のような判断材料が少ない分、早めの相談が重要
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編集後記

「このひび割れ、大丈夫でしょうか」というご相談は本当によくいただきます。実際に見てみると、心配しなくていいものも多いのですが、逆に見た目は小さくても油断できないものもあります。だからこそ、素人判断で抱え込まず、まずは写真を撮って早めに相談してみてください。専門家の目を借りることは、決して大げさなことではありません。あなたの気づきが、大きな補修を防ぐ一番の近道になります。