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ガルバリウムとは?(Galvalume®/アルミ亜鉛めっき鋼板)
鋼板にアルミニウム・亜鉛(+少量シリコン)の合金めっきを施した建材。亜鉛の犠牲防食とアルミの被膜形成により、耐食性と加工性のバランスに優れる。外装では“ガルバ”“アルミ亜鉛めっき鋼板”と呼ばれることも多い。
※成分比は製品により異なる(一般にAl比率が高い合金)。
形状・表面
- 形状:小波・角波・スパンドレル・立平(ハゼ)・折板など。
- 仕上げ:素地のまま/塗装(ポリエステル・フッ素などのコイルコート)。
使いどころ/目的
- 外壁
- 軽量で耐候、改修でも躯体負担が小さい。通気胴縁と併用し雨掛かり・結露に配慮。
- 横張り/縦張りで表情を作りやすい。工期短縮が可能。
- 屋根
- 立平葺き・横葺き・折板。長尺一体で納まりやすく、雪国・強風地はハゼ・ビス設計を強めに。
- 断熱材や遮音材を加え雨音・結露対策。
- 付帯部・内装アクセント
- 水切り・笠木・庇などの板金役物。
- 室内ではスパンドレル等で工業的意匠を演出(触れやすい部位はエッジ保護)。
- 下地条件(混同・誤用注意)
- トタン(亜鉛めっき鋼板)と混同しない。ガルバは一般に耐食性が高いが、切断面やキズは保護が必要。
- 海岸部・化学汚染環境では高耐食グレードや塗装仕様を選び、定期洗浄を前提に。
似ている用語
- ガルバリウム vs トタン(亜鉛めっき鋼板):前者はアルミ+亜鉛合金めっきで一般に耐食寿命が長い。後者は溶融亜鉛めっきで初期コストが低いが赤さび進行が早い傾向。
- ガルバリウム vs ステンレス鋼板:ステンレスは耐食・耐熱に最強クラスだが価格・加工負荷が大。ガルバは軽量・経済性で外装全般に広く採用。
- ガルバリウム vs アルミ板:アルミは軽量・耐食だが剛性・耐傷性で配慮が要る。ガルバは剛性・成形性に優れ、長尺屋根で有利。
- ガルバリウム vs 高耐食めっき鋼板(Mg系):Mgを加えた合金めっきは端部耐食の向上が期待できる。価格や供給、仕上げ色で選択。
施工上の注意点・よくあるミス
- 異種金属接触(電食)
- 銅・無塗装鉄などと直接接触・雨だれで腐食促進。絶縁座金・シールで隔離。ビスはSUS+座金付を使用。
- 切断面・キズの無処理
- 端部・切粉放置が赤さび起点。切断面シール/タッチアップ、切粉は清掃徹底。
- 通気・結露対策不足
- 通気胴縁・屋根通気を省くと裏面結露→腐食・染み。防水紙や 遮熱 ・断熱と層構成を整える。
- ビスピッチ・座金不良
- 強風地で抜け・ばたつき。設計風圧ごとのビスピッチを順守し、座金の潰し量を適正に。
- 重ね代・毛細管現象
- 横張りで水返し・キャピラリー止めが無いと漏水。重ね方向・ハゼ高さを仕様通りに。
- 雨音・熱伸縮の見落とし
- 長尺は伸縮クリアランスと固定・スライド併用。居室直上は遮音・断熱をセットで。
- 端部・天端の保護不足
- 笠木・水切り・ドブづけ金物の設計を省くと早期劣化。端末キャップ・シールで止水。
- 塗装仕様の誤選定
- 海岸・日射強の面で汎用塗膜→褪色・チョーキング。必要に応じ**高耐候(フッ素系等)**を選択。
関連する用語
通気/胴縁/雨仕舞い/耐風圧/電食/断熱/遮熱
立平葺き/折板屋根/スパンドレル/タッチアップ塗料/高耐食めっき鋼板(Mg系)



