再生骨材(さいせいこつざい/recycled aggregate)とは?
解体したコンクリート塊などを破砕し、異物除去、粒度調整、必要に応じた洗浄などを行って、コンクリートやモルタルの材料として再利用する骨材です。粒の大きさによって、再生粗骨材と再生細骨材に分けられます。
原料にはセメントペーストや旧モルタルが付着していることがあり、天然骨材に比べて吸水率、密度、粒形などが異なる場合があります。そのため、再生材であることだけで採否を決めず、品質区分、使用部位、配合、製品仕様を確認する必要があります。再生骨材には品質に応じた区分があり、構造体への使用を想定したものから、用途が限定されるものまで同じではありません。
左官工事では、再生細骨材を含む既調合モルタル、下地調整材、補修材、意匠仕上げ材などとして関係します。ただし、現場で砂の代わりに任意配合するものではありません。吸水性や粒度がコテ伸び、保水性、塗り厚、乾燥収縮、仕上げ肌に影響するため、メーカー仕様や配合試験に基づく判断が必要です。
使いどころ/目的
コンクリート・モルタル材料
再生骨材は、資源の再利用や天然骨材の使用量低減を目的として、コンクリート製品や各種モルタルに用いられます。適用できる部位は品質区分や設計条件によって異なり、構造用途と非構造用途を同じ基準で扱うことはできません。
左官用モルタルでは、粒度が粗すぎると薄塗りしにくく、細粒分が多すぎると水量や収縮に影響します。製品化された材料を使用する場合も、標準塗り厚、練り水量、適用下地を確認します。
下地づくり・補修
床や壁の下地調整、欠損部の充填、断面修復などでは、再生骨材を配合した材料が採用される場合があります。既存コンクリートとの密着性は、骨材の種類だけでなく、脆弱部の除去、清掃、吸水調整、プライマー、塗り厚によって左右されます。
補修材は既存下地との強度差や収縮差が大きいと、境界部にひび割れや浮きが生じることがあります。再生材という理由だけで既存建物になじむとは限らないため、下地診断と材料適合性の確認が欠かせません。
意匠仕上げ
再生骨材の色や粒を見せる洗い出し、研ぎ出し、骨材露出仕上げなどに利用されることもあります。原料由来の色幅や粒形のばらつきは意匠になる一方、ロット差が大きいと施工面ごとの見え方が変わります。
小さなサンプルでは粒の分布や色差を判断しにくいため、実際の塗り厚、仕上げ方法、照明条件に近い大判見本で確認します。
左官材として使用する際のポイント
- 吸水率:旧セメントペーストが付着した再生骨材は吸水が大きい場合があります。練り水を安易に増やすと、強度低下や乾燥収縮につながるため、指定水量を守ります。
- 粒度と粒形:粒度分布はコテ伸び、充填性、表面の粗さに影響します。薄塗り材では最大粒径と標準塗り厚の整合が重要です。
- 異物と品質の安定性:木片、石こう、アスファルト、金属などの混入は、接着不良、変色、膨れの原因になります。規格や品質証明を確認し、現場発生材を無処理で混ぜないことが基本です。
- 下地との適合:再生骨材を含む材料であっても、下地の強度不足や吸水ムラは補えません。脆弱層を除去し、必要な下地処理を行います。
- 試験施工:コテ離れ、乾燥速度、色、骨材の出方は施工条件で変わります。意匠面では見本塗りを行い、許容するムラの範囲を設計者や施主と共有します。
似ている用語
天然骨材 定義:川砂、陸砂、山砂、砂利など、天然資源から得られる骨材 用途:コンクリート、モルタル、左官下地、仕上げ 材料:砂、砂利など 注意点:産地によって粒度、塩分、泥分、色調などが異なる
砕石 定義:岩石を機械的に破砕し、所定の粒度に調整した骨材 用途:コンクリート、舗装、基礎、下地 材料:天然岩石 注意点:角張った粒形が施工性や必要水量に影響することがある
再生砕石 定義:コンクリート塊などを破砕してつくられる、主に路盤や埋戻し用の再生材 用途:路盤、基礎下、埋戻し 材料:再生コンクリート材など 注意点:左官モルタル用の再生骨材と同一用途ではなく、規格と粒度を区別する
軽量骨材 定義:一般的な砂や砂利より密度が小さい骨材 用途:軽量コンクリート、軽量モルタル、断熱性を考慮した下地材 材料:人工軽量骨材、天然軽量骨材など 注意点:吸水性、強度、塗り厚、仕上げ材との適合を確認する
施工上の注意点・よくあるミス
練り水を感覚で増やす
吸水の大きな骨材を使用すると、練り始めに硬く感じることがあります。そこで水を追加しすぎると、硬化後の強度低下、色ムラ、収縮ひび割れを招きます。既調合品は指定水量と練り時間を守り、可使時間を過ぎた材料への加水は避けます。
再生材なら用途を問わないと判断する
再生骨材は品質が一律ではなく、構造用、二次製品用、下地用などで要求性能が異なります。設計図書、品質区分、製品の適用範囲を確認し、外部、水掛かり部、構造部への使用可否を個別に判断します。
下地処理を省略する
補修材や下地モルタルの浮きは、再生骨材そのものより、粉じん、脆弱層、油分、吸水ムラなどが原因となる場合があります。健全部まで処理し、清掃、吸水調整、指定プライマーなどを適切に行います。
意匠的なばらつきと施工不良を混同する
骨材の色幅や粒の散らばりは意匠として利用できますが、剥離、著しいひび割れ、接着不良、不陸は再生材特有の「味」ではありません。見本施工で意匠上の許容範囲を決め、品質上の欠陥とは分けて検査します。
関連する用語
上位概念
建築材料
左官材料
骨材
関連する用語
天然骨材
再生砕石
モルタル
下地調整材
洗い出し仕上げ
よくある質問
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質問: 再生骨材は左官モルタルの砂として現場配合できますか?回答: 品質や粒度が確認できない再生骨材を、現場判断で砂の代わりに配合することは避けます。吸水率や異物量によって練り水、強度、収縮、コテ作業性が変わるため、左官用途に適合した製品や確認済みの配合を使用してください。
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質問: 再生骨材を使うとひび割れやすくなりますか?回答: 再生骨材を使用しただけで、必ずひび割れるわけではありません。ただし、吸水率に対して練り水が多い、塗り厚が不適切、下地が動く、急乾燥するとひび割れの危険が高まるため、品質区分と施工仕様の確認が必要です。
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質問: 再生骨材を含む補修材には特別な下地処理が必要ですか?回答: 基本となる処理は、脆弱部の除去、粉じんや油分の清掃、適切な吸水調整です。プライマーや下塗り材の要否は補修材と既存下地によって異なるため、メーカー指定仕様に従います。
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質問: 再生骨材と再生砕石は同じものですか?回答: 原料が共通することはありますが、想定される用途や品質管理が異なります。再生骨材はコンクリートやモルタルの構成材料として扱われるのに対し、再生砕石は主に路盤、基礎下、埋戻しなどに使用されます。
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質問: 再生骨材を見せる左官仕上げでは何を確認すべきですか?回答: 骨材の色、粒径、分布、ロット差に加え、洗い出しや研ぎ出し後の見え方を確認します。小さな見本と大面積では印象が変わるため、可能であれば大判見本をつくり、照明や自然光の下で許容するムラを共有します。

