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補修材

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補修材にも様々な種類がある

補修材とは?(ほしゅうざい/repair material, repair mortar)

既存下地の欠損・ひび割れ・不陸・欠け・ピンホールなどを補い、仕上げ前の性能と形状を回復するための材料群。セメント系・ポリマーセメント系・樹脂系(エポキシ、ウレタン、アクリルなど)や、用途別の注入材/充填材/表面調整材がある。

主なタイプ

  • 欠損充填材:ポリマーセメントモルタル、樹脂モルタル(厚付け・高強度向け)。
  • ひび割れ補修材:低粘度樹脂の注入材、可とう性のシール材充填、Vカット+充填。
  • 表面調整材(フィラー/スキンコート):不陸・ピンホール・巣穴の平滑化
  • 早強・寒冷用:低温時や短工期での早期強度発現に対応。
  • 下地別専用品コンクリートモルタル、石膏ボード、木部、金属、タイル・石材用など。

使いどころ/目的

  • 内装
    • 石膏ボードのジョイント・ビス頭、モルタル下地の微不陸修正、造作エッジの欠け補修
    • 左官仕上げ・塗装・クロス前の平滑度確保付着力の底上げ
  • 外壁
    • コンクリート・モルタルの爆裂・欠損クラック補修、タイル目地の劣化充填
    • 通気・防水ディテールを阻害しない材料選定(透湿性・可とう性の整合)。
  • 下地条件・納まり(混同・誤用注意)
    • 補修材=仕上げ材ではない。補修後は適合するプライマー・仕上げで覆うのが原則。
    • 構造補修(鉄筋腐食・断面修復)と意匠補修(欠け・ピンホール)を区別。
    • 厚付け限界一層当たりの施工厚を守り、必要に応じ多層施工

似ている用語

  • 補修材 vs 下地調整材:前者は欠損・割れの復旧が中心。後者(フィラー等)は面全体の平滑化・吸水調整が主目的。
  • 補修材 vs パテ:パテは薄層での微細凹凸・段差調整に特化(主に内装・塗装前)。補修材は強度回復や厚付けも担う。
  • 補修材 vs シーリング材:シーリングは可動目地の伸縮追従・止水が目的。補修材は素地の欠損充填や固化で、可動部には不向き。
  • 補修材 vs 補強材:補強材(メッシュ、FRP、アンカー)は力学的補強。補修材は充填・接着・平滑化が主で、役割が異なる。

施工上の注意点・よくあるミス

  • 原因除去の不足
    • 漏水・中性化・塩害・凍害など劣化因子の除去前に充填→再劣化。はつり・洗浄・防錆を先行。
  • 付着面の不良
    • レイタンス・油分・粉化面を除去せず施工→界面剥離ケレン→吸塵→下地乾燥を徹底。
  • プライマー未適合
    • 樹脂系/セメント系の適合プライマーを誤ると付着低下。メーカー指定系統で統一。
  • 厚付け・一発仕上げ
    • 一層の厚付け過多収縮ひび割れ・沈下層間オープンタイムを守り多層で。
  • 水量・混練条件のブレ
    • 加水過多・混練不足→強度・付着低下、色ムラ計量・回転数・時間を記録。
  • 温湿度管理不足
    • 施工時5〜35℃/RH85%以下目安。低温高湿は白華・遅延硬化、高温乾燥は急乾ひび
  • 乾燥・養生の短縮
    • 塗り重ね最小養生を待たず仕上げ→ブリスター・変色通風・遮熱を併用した緩やか乾燥。
  • 色合わせ・質感の不一致
    • 見付け部の色差・艶差は試験施工で確認。周辺既存と質感整合を図る。
  • 可動部への硬質充填
    • クラック種別(構造/非構造、可動/非可動)を見極め、可動部はシーリングで処理。

関連する投稿

下地調整材/プライマー/付着試験/伸縮目地/白華
ポリマーセメントモルタル/エポキシ注入材/フィラー/可とう型シーリング材/ガラス繊維メッシュ