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田口氏のジョリパットの施工例 擁壁の校倉仕上げ

左官のプロが解説 | 田口 時育:洗って守る、塗って整える――セルフメンテの基準と段取り

骨材が生む陰影が美しいジョリパット。だからこそ汚れは気になる――でも心配はいりません。左官職人・田口 時育の一次情報を土台に、高圧洗浄で“本来の表情”を取り戻す方法と、経年で選ぶトップコート(ジョリパットフレッシュ等)による面の整え方を整理。さらに大壁工法で先に傷むシーリングへの注意点、 補修材 の寿命と扱いまで、今日から使えるセルフメンテの羅針盤をお届けします。

ジョリパット オンブルバーグ仕上げの施工例

主要トピック「ジョリパット完全ガイド」

こちらの関連記事では、総合的に「ジョリパット」について解説しています。この記事の後に是非ご一読下さい。

「擦っても落ちない…このまま色あせていくの?」――そんな不安、よくわかります。ジョリパットは塗り厚がある“丈夫な壁”。だからまずは洗う、広がった退色やムラは塗って整える。手順がわかれば、住まいの“好き”は自分で守れます。焦らず一歩ずつ、一緒にきれいを取り戻しましょう。

左官のプロに聞く:ジョリパットの壁のセルフメンテナンス。

小手村 凪子小手村 凪子

補修については分かったので、セルフメンテナンスについて教えて。

taguchitaguchi

セルフメンテナンスについては僕が解説するね。ジョリパットは 骨材 が多いとテクスチャーが出てカッコイイ、そして塗り厚があるので耐久性も高い。でも一方で汚れが入り込む事がある、外壁の場合は、ケルヒャーなどの高圧洗浄で汚れを落とすと良い。綺麗にするには洗うか、ジョリパットフレッシュなどの塗料を塗る、のどちらか1つだね。

小手村 凪子小手村 凪子

水洗いで綺麗になるのは良いね。

taguchitaguchi

塗り厚が厚いので一般的な塗料よりも頑丈。塗料の場合は塗膜が痛んでいると水洗いしてもダメだけど、ジョリパットの場合は洗えば綺麗になるよ。

小手村 凪子小手村 凪子

他に気を付けた方が良いことはあるかしら?

taguchitaguchi

特にサイディング+ジョリパットなど 大壁工法 とか、シーリング(コーキング)が入っている外壁の場合は、中のシーリングからダメになるので塗り直しは大切。

小手村 凪子小手村 凪子

DIY補修もやってみるわ。

taguchitaguchi

ちなみに補修用に貰った材料は状態にもよるけれど1~2年でダメになる、その場合はDIYで何かに使うか、使わない場合は工務店に持って行って処分して貰うと良いよ。

小手村 凪子小手村 凪子

分かった、ありがとう。

事務局解説

要点のまとめ

  • 基本は二択:①洗う(高圧洗浄・水洗い)→②面で整える(トップコート

  • 判断の軸:点在汚れ=“洗い”で回復/広域退色・ムラ=“塗り”で整える

  • 大壁工法の肝:見た目より先にシーリングが寿命を迎える。外観の判断と同時に、コーキング状態を確認

  • 補修材の扱い1〜2年で劣化しやすい。早めに使い切る/不要分は施工店で適切処分

ディティール解説

指でなぞると、骨材の粒が微かな影をつくる。その影が、雨や埃を抱え込む日もあります。けれど水と距離を味方にすれば、壁は驚くほど素直に応えてくれる。ノズルを近づけすぎず、まずは控えめな圧で小さな面から試す。汚れがほどけていく瞬間に、塗り厚を持つ素材の“余裕”が見えてきます。
それでも広く色が鈍ることはある。そんな時は面で静かに整えるのが賢明です。トップコートは色を載せるだけではなく、表面の均質を揃え直す“呼吸の整頓”でもある。淡い色は凜と、濃い色は深く——壁の気配が戻るのがわかります。
忘れてはいけないのが大壁工法のシーリング
。壁の美観だけを見ていると、中の継ぎ目が先に弱る。雨も風も、家は毎日少しずつ動いているから。外観の手入れと同じ熱量で、コーキングの割れ・痩せ・剥離をチェックする。そのひと手間が、次の十年の静けさを連れてきます。
最後に補修材。引き渡しでもらった小さな缶は、時とともに性格が変わる。ため込みすぎず、早めに小さく使い切る。それが壁にも、暮らしにも優しい選択です。

すぐ使えるセルフチェック

  • 洗う前:目立たない位置で試験洗浄→汚れの種類(泥/藻/黒ずみ)を見極め

  • 洗う時:ノズルは近づけすぎない/直角だけでなく斜めの当て方で凹凸に沿わせる

  • 塗るか迷ったら:離れて見て“面で感じる”色鈍り・艶ムラがあればトップコートを検討

  • 大壁工法コーキングの切れ・痩せを外周一周で確認→必要なら先に更新

  • 補修材:ラベルに受領日を記載。質感が変わったら無理せず処分は施工店へ

Author:田口 時育

株式会社 田口業務店 代表取締役
経歴:昭和40年創業の2代目、前職も含めタイルと左官に携わり30年以上の経験と実績。店舗工事や土間工事にも精通している。
「良い物は長持ち」がモットーで、古民家再生など街の困り事を左官の技術を使い解決に取り組んでいる。
対応エリア:名古屋市など愛知県内全域、その他(岐阜、三重など一部)
対応できる工事:タイル工事、土間工事、外構工事、漆喰珪藻土 など内外装工事
お薦めのデザイン:ウェーブ系, マーブル系
備考:趣味は山登りとフライフィッシング。自然に触れるのが好きで、最近は野菜作りにハマっています。

<プロフィール>
名古屋市南区出身、酉(とり)年、ふたご座
【好きなもの】寿司、米焼酎、フライフィッシング、ワカサギ釣り、サイクリング、都市伝説、料理
【嫌いなもの】真実を語らないマスコミ、背脂たっぷりのラーメン、嘘つき政治家、添加物たっぷりのコンビニ弁当、やたら甘いラクトアイス
【マイブーム】ルンバの世話

052-811-9804
愛知県名古屋市南区明円町130