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京壁

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きょうかべのイメージ画像

京壁とは?(きょうかべ/Kyoto-style earthen wall)

土系の骨材(色土・・雲母片)に“スサ(藁)”などを加え、コテで薄塗り〜中塗りで仕上げる和風内装壁の総称。温かみのあるマット質感と、土の色味(黄土・朽葉・鼠・茶)、わずかな引き摺り・砂目が特徴。伝統工法(木舞土壁下地)と、石膏ボード下地に対応した現代配合の京壁材の双方が存在する。

質感の要点

  • 骨材の粒感:砂目・微光(雲母)・すさの繊維が陰影を作る
  • 押さえ:フラット寄りだが、わずかなコテ目・地模様が残る
  • :自然土の落ち着いた中間色が中心(白系は漆喰の領域)

使いどころ/目的

  • 内装(住宅・和室・茶室・数寄屋・旅館・和食店)
    • 柔らかな反射で落ち着いた照度をつくる。
    • **和建具・木部(杉・檜・栗)**との相性が高い。
  • 玄関・床の間・飾り壁
    • **陰影の出る斜光(グレージング)**で土の表情を活かす。
  • 下地条件・納まり(混同・誤用注意)
    • 伝統工法は土壁下地(荒壁→中塗)の上に上塗。現代工法は石膏ボード+全面パテ→吸水調整材の上に仕上げ。
    • 外壁や水掛かり面は基本非推奨。汚れ・擦れの多い動線は腰見切り・見付材で保護。

似ている用語

  • 京壁 vs 聚楽壁(じゅらく):聚楽は京都・聚楽土系の代表的仕上げ名。京壁は広く“京都風の土仕上げ”の総称で、色土のレンジがやや広い。
  • 京壁 vs 砂壁:砂壁は砂の粒感を強調した和風仕上げの呼び名。京壁は砂目+土色+すさの調和で、よりしっとりした表情。
  • 京壁 vs 漆喰:漆喰は石灰系で白く緻密。京壁は土系で中間色・マット、擦れや汚れにはやや弱い。
  • 京壁 vs 珪藻土仕上げ:珪藻土は調湿寄りの現代材で施工幅が広い。京壁は和意匠特化で、骨材・色土の選別が肝。

施工上の注意点・よくあるミス

  • 吸水差放置
    • ジョイント・パテ部と素地で水引き差→色ムラ・艶差吸水調整材で均一化。
  • 粉化・汚れ対策不足
    • 擦れや手垢に弱い面は腰見切り・当て板や**浸透性防汚(艶消し)**を試験採用。膜厚型トップは質感変化に注意。
  • 厚塗り・追い回し
    • 指定厚を超えると収縮ひび・焼きのし→仕上げの手数を固定し、中押さえ止めでマット感を維持。
  • 角の欠け・割れ
    • 出隅は面木で小R、または和風コーナー保護を計画。搬入動線を先に確保。
  • 温湿度管理不足
    • 低温高湿/急乾(直風・日射)で白華・ひび。常温・緩やか乾燥を徹底。
  • 照明計画の不整合
    • 強い斜光で不本意なコテ筋が強調。モックアップ+想定照明で見え方確認。
  • 下地の割付無視
    • 柱・長押・見切りとの取り合いを事前に割り付けないと、端部の欠けや割れが出やすい。

関連する用語

左官仕上げ/吸水調整材/見切り材/グレージング(斜光)/試験施工
じゅらく壁/砂壁/漆喰/珪藻土/スサ・色土・雲母片

KABE-DAN - point of view –

和室や床の間が従来は京壁でした。昔は落ち着いた色調のものが多かったが、最近はビビットなカラーが各メーカーから出てきている。リビングのアクセントウォールとか、テレビボードの一面とかで使用するのが、京壁の新しい使い方でおすすめ。調湿効果もあるし、真っ赤な壁の和室もモダンで良いのでは?

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