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男前インテリアとは?(おとこまえインテリア/“Masculine interior”)
無骨さ・素材感・実用性を前面に出すインテリア志向。鉄・木・革・コンクリートなどの素材を未加工感のあるまま使い、マットな黒/深いブラウン/グレーを基調にした落ち着いた配色が特徴。装飾より機能と経年変化を美とみなす。
キーワード
- 素材:黒皮鉄、無垢材(節あり)、古材、モルタル・コンクリート
- 配色:黒・チャコール・ウォールナット系ブラウン+差し色に真鍮
- 照明:エジソン電球、金属シェード、配管露出の演出
使いどころ/目的
- 内装(住居)
- リビング:アイアン×無垢天板の造作、モルタルのアクセントウォール。
- キッチン:ステンレス天板、黒マットの扉、オープン棚+見せる収納。
- 書斎/ワークスペース:メタルラック、レザー、無垢床で落ち着いた作業環境。
- 内装(店舗・オフィス)
- カフェ/バーバー:配管・ダクトの露出天井、サインは金属・真鍮。
- オフィス:グレートーン+木の質感で集中感と耐久性を両立。
- 玄関・エクステリア
- アイアン手摺・門扉、枕木・古レンガ、コンクリート土間のシンプル構成。
- 雨掛かり部は錆・白華対策の納まりを優先。
- 下地条件・納まり(混同・誤用注意)
- 「インダストリアル」より工業ディテールの強調が弱めでも良い。
- 重厚=暗い照度ではない。光の“抜け”と演色性を確保する。
似ている用語
- 男前インテリア vs インダストリアル:どちらも無骨だが、インダストリアルは工場的ディテール(リベット・配管)まで強調。男前は素材の質感と落ち着きを重視し、生活スケールに寄せる。
- 男前インテリア vs ブルックリンスタイル:ブルックリンはレンガ・古材・多彩なミックスで温かめ。男前は黒×木×金属のコントラストを効かせ、より抑制的。
- 男前インテリア vs ミッドセンチュリー:ミッドは曲線家具と明快なカラーが主役。男前は直線・金属・マット質感が主役で色は控えめ。
- 男前インテリア vs 北欧(スカンジナビアン):北欧は白基調・柔らかい木目・拡散光。男前は暗色ベース・点光源・陰影で雰囲気を作る。
施工上の注意点・よくあるミス
- 濃色・マット仕上げの“アラ見え”
- 黒やチャコールは下地不陸・パテ筋が出やすい。左官・PB下地は面出し→全面パテ→サンディングを丁寧に。
- モルタル調仕上げの白華/ムラ
- 低温多湿や急乾燥で白華・色ムラ。吸水調整材→2層塗り→緩やか乾燥、通風を確保。
- 鉄部の錆汁・電食
- 室内でも結露点近傍で錆汁が出る。下塗り防錆+クリア(マット)、異種金属接触を避ける。
- 露出天井の設備干渉
- 配管・ダクト露出は勾配・点検性・防火の整合が必須。施工前にBIM/詳細図で干渉チェック。
- 照度不足/演色不足
- エジソン電球だけだと作業照度不足。ベース照明+タスク照明を併用、Ra90前後で素材色を正しく見せる。
- 天然木の反り・割れ
- 節あり無垢は季節で動く。含水率管理と季節目地、オイル系仕上げでメンテ前提の設計に。
関連する用語
インダストリアル/ブルックリン/ミッドセンチュリー/北欧
黒皮鉄/モルタル調/古材(足場板)/エジソン電球/真鍮



