リノベーション（Renovation）とは？
既存の建物に対して性能・機能・価値を向上させるための改修を行うこと。
単なる原状回復や部分補修にとどまらず、間取り変更・断熱強化・設備更新・意匠刷新などを通じて、建物の使い方そのものを再設計する考え方を指す。
使いどころ／目的
リノベーションは「古さを直す」だけでなく、暮らし方・使い方を変える手段として用いられる。
- 住宅（内装・間取り）
- 生活動線の最適化、収納再構成、素材刷新
- 性能向上
- 断熱・耐震・省エネ性能の底上げ
- 用途変更
- 住居→店舗、事務所→住居などの転用
- 意匠・世界観の再構築
- 資産価値の向上
- 中古物件の再生、長期利用の前提づくり
※注意：リフォーム＝リノベーションではない。目的と介入範囲が異なる。
似ている用語
（混同されやすい改修用語の整理）
- リノベーション
定義：価値・機能を向上させる改修
用途：全面・部分改修
材料：新旧混在
注意点：構造理解と設計力が必須 - リフォーム
定義：老朽部分を新築同等に戻す
用途：部分補修
材料：更新材
注意点：間取り・性能は基本維持 - コンバージョン
定義：用途を大きく変更する改修
用途：用途転用
材料：用途対応材
注意点：法規対応が複雑 - スケルトン改修
定義：躯体以外を撤去して再構築
用途：全面改修
材料：自由度高
注意点：工期・コスト増
施工上の注意点・よくあるミス
左官・内装の現場視点での重要事項。
- 既存下地の過信
→ 不陸・劣化・含水を見落としがち - 解体後の想定外
→ 配管・躯体不具合が露見する - 新旧素材の相性
→ 収縮差・吸水差で不具合が出やすい - 工程の詰め込み
→ 乾燥不足が仕上がり不良を招く - “味”の誤解
→ 劣化と意匠の線引きが重要
関連する用語
建築改修、既存建築