

縦5.08cm(2インチ)×横10.16cm(4インチ)の角材のことを指す。この角材を主に使用して作られる木造枠組壁工法のことを「ツーバイフォー工法」という。
北米で生まれ普及し、日本では1974年に認可され広まってきた。床、壁、天井の面を箱のように組み立てる工法。在来工法に比べ、耐震、気密、断熱、耐火性などに優れ、工期が短くすみ建築費の削減ができ、品質が安定している。高い耐震性の為、 クラック などが発生しにくい。また阪神・淡路大震災では、どの建物よりも倒壊被害が少なかった。一方で、自由な間取りがきかないこと、開口部が大きく取れないことや、カビや結露が発生しやすいというデメリットもある。広義には 輸入住宅 とも言われている。
日本住宅の工法では他に「木造軸組工法」「鉄骨造」「 RC造 」などがある。
使いどころ/目的
- 内装・外装:規格化された構造パネルの上に内外装仕上げを施工
- 下地条件:木造住宅全般/均一な面構成を求める場合
- 設計・維持管理:耐震・耐風の性能計画/断熱材の充填・気密施工と相性が良い
- 工程:パネル化で工期短縮/施工精度の均質化
〈混同・誤用に注意〉
- 「在来工法(柱・梁で支える方式)」とは構造原理が異なる。
- 2×4材を使っていても、構造形式が面構造でなければツーバイフォーとは呼ばない。
似ている用語
- ツーバイフォーと在来工法:前者は面で支え、後者は線材(柱・梁)で支える。
- ツーバイフォーと2×6工法:基本は同じで、枠材寸法の違いによる断熱厚の差がある。
- ツーバイフォーとパネル工法:どちらも面材を使うが、規格や構造計算の前提が異なる。
- ツーバイフォーとモジュール工法:後者は工場製作ユニットを現場で組む方式。
施工上の注意点・よくあるミス
- 下地・含水:含水率の高い木材は収縮し、仕上げのクラックの原因になる。
- 温湿度・養生:構造パネル施工後の雨養生が不十分だと断熱材や下地が劣化する。
- 材料選定:面材の種類・厚み・釘ピッチは仕様書を優先する。
- 目地・取り合い:サッシ・開口部まわりの気密処理不足は性能低下につながる。
- 雨仕舞い:防水シートの重ね代・役物との取り合いを誤ると浸水リスクが高まる。
関連する用語
木造住宅の構造形式と性能の基本
在来工法/枠組壁工法/防水シート/断熱材/気密施工/開口部まわり/耐震壁/ALCパネル/下地調整
