
インダストリアルとは?(industrial style)
工場・倉庫・作業場の意匠要素(構造現し・無骨な素材・機能照明)を室内に取り入れるスタイル。コンクリート・鉄・古レンガ・無垢材などの素材感を前面に出し、マット〜半艶/経年のパティナを肯定する。
使いどころ/目的
- 内装(住宅・店舗)
- 躯体現し・配管露出・金属照明で空間に“工業的秩序”を付与。
- キッチン背面・ワークスペース・土間のアクセントに適合。
- 外構・玄関
- 鉄骨階段・ワイヤーメッシュ・コンクリート土間で素材の連続性を演出。
- 下地条件・納まり(混同・誤用に注意)
- 構造・設備の露出は“見せる前提の仕上げ”と安全・防錆・防火を両立させる。
- 打放し風と本当の躯体現しは施工要件が異なる(下地精度・補修許容を先決)。
似ている用語
- インダストリアルと男前インテリア:どちらも無骨・ダークトーンだが、インダストリアルは工業ディテール(配管・鉄骨・作業灯)が中核。男前は家具・雑貨のミリタリー/ビンテージ感が主。
- インダストリアルとブルックリンスタイル:両者ともレンガ・スチールを使うが、ブルックリンはカフェ的温かさ(革・古材・観葉)が強い。インダストリアルは機能優先で硬質。
- インダストリアルとミニマル:どちらも簡素だが、ミニマルは継ぎ目を隠す。インダストリアルは継ぎ目・リベット・配管を“見せる”。
- インダストリアルとナチュラル:ナチュラルは柔らかい木質・白基調。インダストリアルは金属・コンクリート・黒でコントラストを作る。
- インダストリアルと打放し仕上げ:打放しはコンクリートそのものの仕上げ。インダストリアルは素材群の統合スタイルで範囲が広い。
施工上の注意点・よくあるミス
- 躯体現しの品質
- ジャンカ・補修痕の許容を事前合意。試験面→基準面で“味”と“欠陥”の線引き。
- 防錆・電食対策
- 黒皮鉄・亜鉛メッキは切断端部のタッチアップと異種金属接触の絶縁を徹底。
- 配管・配線の露出
- 消防・電気の法規を優先。露出ボックスは通り・水平垂直を厳密に。
- 音・断熱の低下
- 天井スケルトンは残響・断熱低下。吸音板・断熱ライン連続で補正。
- 照明計画の不足
- 作業灯のグレアや照度ムラに注意。配光・演色を選定。
- 仕上げの“作り過ぎ”
- 過剰なエイジングは安っぽくなる。本物素材+最小限の加工を基本に。
関連する用語
インテリアスタイル設計/素材と納まり/意匠(デザイン)
打放し仕上げ/黒皮鉄・亜鉛メッキ/コンクリート 土間(金鏝仕上げ)/レンガ・モルタル仕上げ/配管露出・工業照明
