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切付け鏝

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切付鏝のイメージ

切付け鏝とは?(きりつけごて/kiritsuke trowel)

先端が細く、片側(または両側)が尖り気味の小型鏝見切り材・枠・入隅・出隅の**“切り回し”や線出し**に用い、細部の塗り付け・押さえ・欠け直しを精密に行う。

形状の要点

  • 刃先が細い/先端角が鋭い:枠際・コーナーに材料を“差し込む”操作がしやすい。
  • 小ぶりのコテ面:材料量を絞り、狙った幅で塗れる。
  • 柄の取り付け角:狭所での視認性とコントロール性を確保。

使いどころ/目的

  • 内装
    • 巾木・枠・見切り材際の塗り付け/押さえ。
    • 入隅・出隅の通り出し、ピンホール補修
    • 仕上げ面の**“線”の決定**(コテ目を抑えたエッジ出し)。
  • 外壁・外構
    • サッシ廻り・役物際の細幅帯の塗り回し。
    • テクスチャ仕上げの境界線を崩さずに納める。
  • 下地条件・注意(混同・誤用に注意)
    • 目地鏝のように深い目地を充填・成形する道具ではない。
    • 金鏝の面出し力とは別物。切付け鏝は細部の詰め・線の整理が役割。

似ている用語

  • 切付け鏝 vs 金鏝:金鏝は面を広く平滑化。切付け鏝は狭所・境界の線出しと差し込みに特化。
  • 切付け鏝 vs 角鏝(隅切り鏝):角鏝は入隅・出隅の角を直角に成形する専用形状。切付け鏝は直角成形“前後の細工”や際の塗り回し向き。
  • 切付け鏝 vs 目地鏝:目地鏝は深い溝・目地の充填成形が主。切付け鏝は表層の細幅帯や枠際で使う。
  • 切付け鏝 vs ミニテール/舟形鏝:ミニテール等は小面の塗り広げが得意。切付け鏝は**先端操作で“切る・差す”**が得意。

施工上の注意点・よくあるミス

  • 先端の欠け・バリ
    • 先端傷は引っかき傷・線傷の原因。当て皮での整形・面取り、定期的な研ぎを行う。
  • 押さえ過多で“焼き”
    • 際で何度も撫でると艶ムラ・焼きタイミングを合わせ一筆で決める
  • 材料の拾い・落ち
    • 先端ですくい量が過多だとダレる。コテ面の1/3程度を目安に小分けで運ぶ。
  • 枠際の汚し・はみ出し
    • マスキング不足や角度浅すぎで枠を汚す。コテ角を立て、先端で差し込み→寝かせて均しの順。
  • 入隅の“えぐり”
    • 角で削り過ぎると下地露出。角は押さえ“気味”で通し、追加材は薄く差す
  • 硬すぎるコテ選定
    • 硬い刃で柔らかい仕上げを触るとエッジ傷が出やすい。樹脂鏝や柔らかめの小鏝と使い分け。
  • 乾燥・含水の見極め不足
    • 早すぎ→なぶり・砂すじ,遅すぎ→艶・焼け試し押さえで最適タイミングを掴む。

関連する用語

左官鏝/押さえ/面精度(不陸)/見切り材/試験施工
金鏝/角鏝(入隅・出隅鏝)/目地鏝/樹脂鏝/ミニテール・舟形鏝

この用語も併せてご覧ください