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カーポートとは?(carport)
住宅や店舗の屋外駐車スペースに屋根を設けた簡易車庫。柱と梁+屋根で構成され、側壁やシャッターを持たないのが基本。主材はアルミ形材、屋根はポリカーボネート/スチール折板など。
主な種類
- 片持ち(片支持):出入庫性・見通し良い。柱側に荷重集中。
- 両支持:耐風・耐積雪に有利。間口や台数を増やしやすい。
- 折板屋根タイプ:高強度・遮音性。採光は少ない。
- ポリカ屋根タイプ:採光性・軽量。熱線遮断仕様もあり。
使いどころ/目的
- 外構・エクステリア
- 雨雪・日射から車両を保護。乗降時の濡れ軽減。
- 外壁の汚れ(雨だれ・泥はね)を抑え、メンテ負荷を低減。
- 玄関動線と連続させ庇代わりに使う計画も有効。
- 敷地条件
- 間口が狭い/道路斜線が厳しい→片持ち+屋根勾配でクリア。
- 積雪地→折板・高耐積雪仕様、柱基礎を増し打ち。
- 海岸部・強風地→耐風圧等級の高い仕様、アンカー・基礎を強化。
- 下地条件・納まり(混同・誤用注意)
- 土間コンクリートは独立基礎とは別設計。土間だけでは引抜き耐力不足。
- 道路境界・隣地境界からの離隔、建ぺい率・工作物申請の要否を事前確認。
- 雨仕舞い:屋根水を集水→排水。外壁へ流さない。
似ている用語
- カーポート vs ガレージ:カーポートは屋根のみで開放的、コスト・工期が軽い。ガレージは壁・扉で囲うため防犯・収納性に優れるが、建築確認・建ぺい率影響が大きい。
- カーポート vs サイクルポート:用途は自転車・バイク向けで寸法・積雪強度が軽め。車用流用はスパン・耐荷重が不足しやすい。
- カーポート vs オーニング/テント:オーニングは布製可動庇で日よけ中心。カーポートは恒久的構造で風雪対応と固定基礎が前提。
- カーポート vs カースペース屋根一体庇:建物本体の片持ち庇で覆う計画。構造計算・躯体への荷重伝達が必要で、外構製品より自由度は高いが難度も高い。
施工上の注意点・よくあるミス
- 独立基礎の不足・浅基礎
- 規定の根入れ深さ・フーチング寸法未満は転倒・引抜きの原因。地耐力・凍結深度を見て決定。
- アンカー方向の誤り
- 片持ちは引抜方向が限定。設計風向・屋根勾配に合わせてケミカルアンカー/J型フックを適正配置。
- 排水計画の欠落
- 屋根水が土間に跳ね返り外壁を汚す。樋→集水→U字溝まで一連で計画。
- 電食・腐食
- 異種金属接触、海塩粒子でビス腐食。SUS部材・防錆処理、切削面のタッチアップを徹底。
- クリアランス不足
- 開口高さ・梁下でSUV/ミニバンのハッチ開閉が当たる。梁位置・柱間隔を実車で確認。
- 積雪・落雪対策不足
- 屋根に雪止め無し、隣地側へ落雪。積雪荷重・偏荷重も考慮。
- 照度計画ミス
- 夜間の死角・防犯性低下。人感センサー照明・足元灯を併設。
- 既存外壁との干渉
- 雨樋・給排気口・メーター類と干渉。実測→割付で回避。
関連する用語
土間/コンクリート/耐風圧/積雪荷重/雨仕舞い/工作物申請/アプローチ
片持ちカーポート/両支持カーポート/ポリカーボネート板/折板屋根/独立基礎(フーチング)



