

笠木とは?(かさぎ/coping, cap)
手すり壁・腰壁・パラペット・塀などの頂部(天端)を覆い、水の侵入を防ぐ仕上げ部材。外装では金属笠木(板金)・石笠木・タイル笠木などを用い、勾配と滴縁で雨水を外へ流すのが基本。
主な材料
使いどころ/目的
- 外壁・外構
- パラペット・笠木一体で雨仕舞いの最終防線。上面に外倒し勾配(2/100目安)と両端の滴縁。
- 塀・門柱の吸水・凍害・汚れ筋を抑制。
- バルコニー・手すり壁
- 内外の防水層立上りを覆い、直射・劣化から保護。
- 内装
- 腰壁・手すりの天端保護(木・金属)。握り感・角R・耐汚染がポイント。
- 下地条件(混同・誤用注意)
- “天端仕上げ”と“雨仕舞い部品”の両面。見た目優先で勾配・滴縁を欠かすのは誤り。
- 防水端末の押さえと通気の考え方(通気層の止水位置)を混同しない。
似ている用語
- 笠木 vs 水切り:どちらも雨仕舞いだが、笠木は天端を覆う。水切りは立面の途中や端部で水を切る役物。
- 笠木 vs キャップフラッシング:笠木は仕上げ兼保護の“帽子”。フラッシングは取り合いでの止水役物(壁貫通・立上り等)で用途が異なる。
- 笠木 vs 見切り材:見切りは仕上げ境界の化粧・保護。笠木は防水・排水機能を持つ天端専用。
- (内装)手すり笠木 vs 外部笠木:前者は触感・意匠優先、後者は雨仕舞い・耐候・伸縮吸収優先。
施工上の注意点・よくあるミス
- 勾配・滴縁不足
- 水が溜まりしみ出し・汚れ筋。外倒し勾配+裏面2条以上の滴縁を標準に。
- 継手の三面接着・シール不良
- 目地はバックアップ材+プライマーで二面接着を守る。端部はエンドキャップ+水返し。
- 固定下地の腐食・浮き
- 木下地の含水・腐朽、鉄ビスの錆汁。SUSビス・座金、露出切断面のタッチアップを徹底。
- 熱伸縮の逃げ不足(金属笠木)
- 長尺連結で座屈・波打ち。伸縮目地ピッチ/スリップ金具を設計通りに。
- 防水層との取り合い不良
- 立上り高さ不足・端末押さえ金物欠落で浸入。端末押え・押さえシール・捨てシールを層構成通りに。
- 通気・排水経路の途切れ
- 通気胴縁の止水位置と笠木下の排水逃げを混同し滞留水を作る。
- 石・タイル笠木の割付ミス
- 最小勾配・小口R・面取り不足で欠け・ひび。伸縮目地と定尺割付を先に確定。
- 内装笠木の耐汚染軽視
- 素地クリアのみで手脂・黒ずみ。硬質クリア(艶抑え)/交換前提ディテールを選ぶ。
関連する用語
雨仕舞い/滴縁/伸縮目地/防水端末/通気層
金属笠木(ガルバ・SUS・アルミ)/石笠木・タイル笠木/水切り/キャップフラッシング/端部エンドキャップ
