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モールテックスの施工事例と人気の使い方|キッチン・テーブル・床

モールテックスは壁や床だけでなく、家具も人気

モールテックスの魅力と注意点|特徴・施工事例・DIYリスクを徹底解説

モールテックスは独特の艶と陰影を持ち、住まいや店舗に高級感を与える左官仕上げ材として注目を集めています。キッチンやテーブルなど日常に溶け込みながらも、存在感を放つのが魅力です。しかし施工には高度な技術が求められ、費用やメンテナンス面での課題も少なくありません。本記事では、モールテックスの特徴から実例、後悔しないためのポイントまでを左官視点で徹底解説します。

キッチンカウンターに憧れのモールテックス

モールテックスの特徴と色選び|デメリットを知って後悔しないために

モールテックスはベルギーのBEAL社が開発した左官仕上げ材で、2010年代に国内で施工が始まってから急速に広まった素材です。従来のモルタルやコンクリート打ち放しとは異なり、独特の陰影と艶を併せ持つ仕上げが可能で、住宅や店舗のインテリア、さらに家具や什器にまで採用されています。厚みはわずか数ミリ程度と薄塗りでありながら、専用樹脂によって強度と耐久性を兼ね備えているのが大きな特徴です。水回りやテーブルなど負荷のかかる場所でも使用できるため、幅広い用途に応用されています。

デメリットと注意点

モールテックスはメリットが多い一方で、デメリットも存在します。まず挙げられるのが施工難易度の高さです。塗り方や研磨、乾燥時間の取り方によって仕上がりが大きく変わり、職人の技術力や経験値に大きく依存します。気温や湿度の影響も受けやすく、同じ材料・色粉を用いても現場ごとに色合いや質感が異なることがあり、施主が完成後に「イメージと違った」と感じるリスクがあります。また、一般的な左官材に比べて材料費・施工費が高額で、1㎡あたり1万5000円前後と数倍に達することも珍しくありません。施工手間も通常の左官材より多く、複数回の塗り重ねと乾燥を経る必要があるため、工期が長くなりやすい点も留意すべきです。

色選びのポイント

モールテックスの大きな魅力の一つが豊富なカラーバリエーションです。黒やグレーといったシックな色合いは特に人気で、モダンで落ち着いた空間を演出できます。白やベージュなどのナチュラル系は、木材との相性が良く、柔らかさや温かみをプラスしたい場合に選ばれます。近年ではブルーやイエロー、レッドといった鮮やかな色調も注目されつつあり、アクセントウォールや家具に取り入れるケースも見られます。

ただし、色粉の調合具合や施工環境によって最終的な色味が変わるため、サンプル板を確認してから選ぶことが欠かせません。インターネットやカタログの写真だけで判断するのは危険で、「思っていた色と違う」という後悔につながりやすいからです。具体的な写真や事例を施工者に提示し、イメージをすり合わせておくことが失敗を避けるポイントです。

後悔しないために

モールテックスはデザイン性・機能性ともに優れた仕上げ材ですが、その分コストが高く、施工難易度も高い素材です。見た目の魅力だけにとらわれず、デメリットやリスクも理解した上で検討することが大切です。とくにDIYでの施工は失敗のリスクが非常に高く、左官職人に依頼する方が最終的に満足度の高い仕上がりを得やすいでしょう。色選びと施工者選び、この2点をしっかり押さえることで、後悔のないモールテックス施工につながります。

この項のまとめ

  • モールテックスはベルギーBEAL社製の薄塗り仕上げ材で、強度・耐久性を備えつつ高級感のある質感が特徴。
  • 施工難易度が高く、職人の技術力や環境条件により仕上がりが大きく変わるため注意が必要。
  • 一般的な左官材に比べて材料費・工費が高額で、1㎡あたり約1万5000円前後になる場合が多い。
  • 黒・グレー・白・ベージュなどが定番色で、ブルーやイエローなど鮮やかな色も人気が出始めている。
  • 色選びはカタログや写真だけに頼らず、必ずサンプル板で施工者とイメージをすり合わせることが後悔を防ぐ鍵となる。
高級感と落ち着いた雰囲気がモールテックスの魅力

キッチンやテーブルでの施工事例|値段と仕上がりのリアル

モールテックスは、住宅リフォームや店舗デザインにおいて「高級感のある無機質な空間を演出したい」という要望に応える素材として注目されています。特に人気なのがキッチンカウンターやダイニングテーブルへの施工です。薄塗りでありながら耐水性・耐久性を兼ね備えているため、日常使いに耐えられる実用性を持ちつつ、他の素材にはないデザイン性を実現できます。

キッチンでの使用例

キッチンでは、カウンターやアイランド部分にモールテックスを採用するケースが多く見られます。従来のステンレスや人工大理石と比べて、質感がマットで落ち着いており、料理をする空間そのものがインテリアとして際立ちます。ただし、油はねや水分が残るとシミの原因になるため、トップコートによる防水処理と定期的なメンテナンスは必須です。また、シンク内部のように水が常に溜まる場所は避けるのが一般的です。

テーブルでの使用例

ダイニングテーブルやカフェテーブルへの施工も人気です。既存の木製天板にモールテックスを塗ることで、素材の持つ高級感と手仕事による質感が融合し、唯一無二の家具に仕上がります。傷が付きやすい点はデメリットですが、「経年変化も味わい」として楽しむ方も多く、表面のトップコートを定期的に塗り直すことで美観を維持できます。店舗では商品ディスプレイ用什器にも用いられ、ブランドイメージを高める役割を果たしています。

床への施工と注意点

床材としての施工事例もありますが、砂や靴底の摩耗による傷が出やすく、玄関や土間などには向かないとされます。リビングや個室の床ではスリッパで歩く程度なら問題ありませんが、傷や汚れへの許容度を考慮したうえで採用を検討することが大切です。

値段とコスト感

モールテックスの価格は、材料費だけで1㎡あたり約1万5000円程度。これに施工費が加わるため、キッチンカウンターやダイニングテーブルなどの家具施工では数十万円単位、住宅全体の床に用いると100万円を超えるケースもあります。一般的な左官材やクロス仕上げと比べてコストが大幅に高くなるため、「部分的なアクセントとして使う」ケースが多いのが実情です。

この項のまとめ

  • モールテックスはキッチンカウンターやアイランド部分で人気が高く、防水処理とメンテナンスが重要。
  • ダイニングテーブルや什器に施工すると高級感が出るが、傷がつきやすいためトップコートの塗り直しが必要。
  • 床にも使用可能だが、玄関や土間など摩耗が強い場所には不向きで、リビングなど軽歩行の場所に向いている。
  • 材料費は1㎡あたり約1万5000円で、施工費を含めると家具単位で数十万円規模、住宅全体では100万円超になることもある。
  • コストが高いため、住宅では「部分的なアクセント」として使われることが多い。
カウンターやテーブル天板も人気のモールテックス

床や家具での活用方法とDIYの可能性|プロに依頼すべきか?

モールテックスは仕上がりが美しく、耐久性の高い素材ですが、その美観を維持するには適切なメンテナンスが欠かせません。また、近年ではDIYで挑戦する方も増えていますが、注意すべき点も多いため整理しておきましょう。

セルフメンテナンスの基本

モールテックスを長くきれいに保つためには「トップコートの定期的な塗り直し」が重要です。特にテーブルやキッチンカウンターといった使用頻度の高い場所は、年に1回程度の塗り直しが推奨されます。棚や什器のように接触が少ない場所でも、3年に1回ほど手入れを行うと安心です。トップコートは一液型と二液型があり、DIYで扱うなら一液型が使いやすいでしょう。また、汚れが付いた場合は早めに水拭きすることでシミを防げます。

DIY施工のリスク

最近はモールテックス風の商品(セニデコ「アバナ」「セニベトン」やアイカ工業「モルタルアート」など)が出回っており、DIYで試す人もいます。しかし本物のモールテックスは非常に繊細な材料で、気温や湿度によって仕上がりが変わるため、プロでないと失敗するリスクが高いです。ひび割れや剥離といった不具合が起きやすく、材料費も高額なため「やり直しが利かない」のが最大のリスクです。

後悔しないための工夫

もしDIYで挑戦する場合は、モールテックスを使う前に類似商品で試し、塗り方や乾燥管理を体験するのが賢明です。また、プロに依頼する場合でも、色や艶の仕上がりはサンプル板で必ず確認し、イメージを施工者にしっかり伝えることが重要です。とくに「全艶」「艶消し」「半艶」のニュアンスは写真だけでは伝わらないため、現物を確認しておくことで後悔を避けられます。

モールテックスは高級感と機能性を兼ね備えた仕上げ材ですが、適切なメンテナンスと施工者選びが欠かせません。DIYはリスクが高いため、最終的には経験豊富な職人に依頼するのが安心と言えるでしょう。

この項のまとめ

  • モールテックスの美観を保つにはトップコートの定期的な塗り直しが欠かせず、使用頻度に応じて1~3年ごとにメンテナンスが必要。
  • 汚れやシミを防ぐには、日常的に水拭きを行い、汚れを放置しないことが大切。
  • 本物のモールテックスは施工が難しく、DIYではひび割れや剥離のリスクが高く、材料費も高額なため失敗が致命的になりやすい。
  • 簡易的なモールテックス風の商品で練習してから挑戦すると、塗り方や管理方法を体験できるため安心感が増す。
  • 施工をプロに依頼する際は、艶感や色味をサンプル板で確認し、イメージを明確に共有することが後悔を防ぐポイント。

編集後記

モールテックスの魅力はその質感とデザイン性にありますが、同時に施工難易度の高さや維持管理の負担も無視できません。左官材としての美しさを長く楽しむには、職人の技術と施主の理解が両輪となります。流行に流されるのではなく、素材と向き合い、自分の暮らしに本当に合うかどうかを見極めることが、後悔しない選択につながるのだと改めて感じました。

この記事に関連する「良くある質問」一覧

  1. 質問: モールテックスの特徴は何ですか?
    回答: 薄塗りで高強度を実現し、耐水性・耐久性に優れた左官材です。豊富な色展開と独特の質感で、住宅や店舗、家具まで幅広く利用されています。
  2. 質問: モールテックスの施工費用はどれくらいかかりますか?
    回答: 材料費で1㎡あたり約1万5000円が目安です。施工費を含めると家具単位で数十万円、住宅全体では100万円を超える場合もあります。
  3. 質問: キッチンやテーブルにモールテックスを使うときの注意点は?
    回答: 水分や油汚れによるシミ防止のため、防水トップコートが必須です。さらに、定期的な塗り直しで美観を維持することが大切です。
  4. 質問: DIYでモールテックス施工は可能ですか?
    回答: 施工難易度が高く、ひび割れや剥離のリスクがあるため本格的なDIYはおすすめできません。簡易的な類似製品で試してから取り組むのが現実的です。
  5. 質問: モールテックスの色選びで失敗しない方法はありますか?
    回答: カタログや写真ではなく、必ずサンプル板を確認しましょう。施工者と色味や艶感を事前にすり合わせることが後悔を防ぐポイントです。