サカンノゴゲン
「左官」という仕事をしているんだけど、文字を見ただけでは、なんのことなのか?どう読むの? そもそも職業の名称だとも、想像出来ない人がほとんどだろう。チョット調べてみた。
「さかん」と読む。(しゃかんと呼ぶ場合もある。諸説あるらしくて「左官」は当て字で、「沙官」と表記されてたからとか、単に訛っただけとか、、) 「鏝(こて)」という道具を使って、建物の壁や床を塗仕上げる仕事、なんだよね。じゃ何で「左官」と表記するのか?諸説ある様だけど、、、 ・古くから「木工寮(もくりょう)」という建築組織があり、(今でも宮内省の機関として存在している) その組織内には階級があり、その中で「属(そうかん)」という階級が与えられた。「そうかん」が訛って「さかん」と呼ばれる様になった。 ・骨組みを作る大工のことを「右官」と呼んでいて、それに対し壁を塗る職人のことを「左官」と呼ぶ様になった。簡単に言うと、こんな感じらしい。ふ~ん なるほどね。とにかく歴史があり、立派な職業って感じ! でもふと思ったのは、大工は「右官」それに対しての「左官」、、、「右」と「左」の関係って? チョット調べてみた。
ヒダリトミギ
右の語源は、握るの「にぎ」が変化したもの、とのこと。 左の語源は色々あったけど、面白いと感じたのは、、 人は南を向くことを基本とする考えがあり、その場合、日が昇ってくる方向を「ひ(日)だ(出)り」と言ったとのこと。 なんか神々しいね。 左大臣が右大臣よりも上位なのは、南向きに座る天皇から見て、左(日の昇る東側)に座る左大臣の方が、 右(日の沈む西側)に座る右大臣よりも上とされたから、ともあった。 どうも民俗学的に「左尊右卑」という考え方があったらしいんだよね。 陰陽道では、左=陽・右=陰とするらしい。 左は右よりスゴイ?でも、、、 「左」を使う熟語で例えば、 左遷、、、嫌だよね。 左団扇、、安泰な生活のことだけど、右利きの発想らしい。 左党、、、酒好きの事。これはまあ良いのでは、、 左前、、、死者の装束、不吉。 左ってなんかイメージ悪い? なぜ「左尊右卑」から、その逆になってきたのか? チョット調べてみた。
ショウスウハ
「逆さごと」という風習があったらしい。(今もある?) 「葬儀に際しての死者の服装や周囲の環境を、日常とは逆さにすること」とのこと。 先に述べた「左前」や、「逆さ屏風(屏風を逆さに立てる)」は葬儀の決まり事らしい。 左びしゃく、、葬儀の際遺体を洗うときに使う湯を用意するときには左手を使う。 左膳、、、、、ご飯や汁物を逆に並べた膳を死者には供える。 「逆さごと=左」なのは、右利きが多数を占める中で、 左=非日常・縁起が悪い 右=日常・縁起が良い というように、左と右の優劣が定着したのではないか?とのことだった。そもそも世の中は、「右利き」に向いた仕組みになってる気がする。 字を書くのも左から右へ。改札や自販機も右利きの方が、都合が良いよね。これはおそらく左利きが常に少数派という事に、関係あるんだろうね。 実は、常に「少数派(マイノリティー)でありたい」と思っている。今回「左官」の語源を調べ始めて、奇しくも「少数派」と結びつくとは、、、 「左官」という仕事をしていることに、偶然では無い何かを感じたね。
Living is precious by itself
【モルタルアート】クライマテリアの空気感(アイカ工業)
目線の高さを変える事で生活の視点も変わってくる。部屋に日の光、風を取り込む事もまた然り。木の温かみとコンクリート調のコントラストが採光により際立つ空間が楽しい。